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2022年11月4日更新

【沖縄】[見て食べて楽しむ野草]⑧|今月は「クサギ」|ゆでて臭みを消す

文・写真/比嘉正一(沖縄県営中城公園 所長)




今月は「クサギ」ゆでて臭みを消す


【方言名】
クサゲナ、クサギバ
【 シソ科で北海道から先島諸島まで広く分布】

県内には変種が多い

クサギは常緑の小高木。海岸近くから山地にかけて生育し、明るい場所を好みます。葉をちぎると臭いことから、この名前がつけられました。沖縄には変種の「ショウロウクサギ」「アマクサギ」が多いと言われています。

県内の野草を調べると、クサギを食べるのには地域差がありました。本島北部では普通に食べられていたのですが、南部ではほとんど食べられていませんでした。本土にも分布しているので、和歌山県に住む知人に聞いてみたら「食べるよ」とのことでした。日本に広く分布するスベリヒユが全国的に食べられているのと同じことのようです。

しかし、伊平屋島に行ったとき、海岸に生育しているクサギの葉を刈り取りしている島人に尋ねたら「ヤギがよく食べる」と言われました。


真夏に白い花を咲かせ、チョウがよく集まる


採取適期の新葉


クサギ入りあんだんすー(油みそ)。油みそを炒めた後に、ゆでたクサギを加える
 

「クワガタの木」で有名

クサギの葉は生のまま切ると臭いがでるので、ゆでてから切ると良いでしょう。ゆでると特有の臭みがなくなり、シャキシャキとした食感を楽しめます。

子どもたちにはクワガタが良く集まる木として有名です。石垣島に行ったとき、クサギの枝にとっても大きなヒラタクワガタが止まっていました。本島にいるのより一回り、いや二回りもある大きさで、ビックリしたことを覚えています。
 

 クサギのおひたし 


【材料】
クサギの新葉、塩、好みの調味料

【作り方】
1.
採取したクサギの葉を水洗いし、水切りをする。

2.沸騰した鍋に水洗いした葉と塩を一つまみ入れて軽くゆでる。食感を生かすためにゆですぎないこと。

3.ゆでた葉は冷水にさらして、食べやすい大きさに切る。

4.器に盛りつけ、かつお節、ゴマ、ポン酢、マヨネーズ、オリーブオイルなどの好みの味つけにして完成。


11月の公園情報

【中城公園】
◇海を渡るチョウ アサギマダラの話  

日時/11月5日(土)午前9時30分~同11時
場所/中城公園「会議室」   
料金/500円 定員/15人(7歳以上対象) 
講師/比嘉正一氏(学芸員) 

鳥が渡りをするように、チョウも海を渡ることが分かってきた。中城公園は渡りをするチョウ・アサギマダラの中継地点。渡りをする理由や調査方法、結果などを解説する。
中城公園/電話=098・935・2666


【名護城公園】
◆ブーゲンビレアの育て方

日時/11月12日(土)午前9時30分~同11時
場所/名護城公園「天上展望台駐車場」  
定員/10人(大人対象) 
料金/1500円(資料込み)  
講師/比嘉正一氏(学芸員)  

ブーゲンビレアの鉢植えの用土や肥料について、さらに誘因・せん定時期やたくさん咲かせるコツを説明。上手に栽培すれば年に3回は咲かせることができる。
名護城公園 電話=0980・52・7434


【コザ運動公園】
◆帰化植物観察会  

日時/11月19日(土)午前9時30分~同11時
場所/コザ運動公園陸上競技場前集合
料金/1000円 定員/10人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)

コザ運動公園には多種多様の帰化植物が生育する。侵入した背景、自生種との関係、勢力拡大の秘密を探る。今回はキク科を中心に観察する。
コザ運動公園/電話=098・932・0777




執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
 
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1922号・2022年11月3日紙面から掲載

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