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2022年4月15日更新

[沖縄]都市景観賞を受賞した公園|阿手川(あてがわ)公園(那覇市泉崎)|街中のみどり①

文・武田慶信、写真・福村俊治
十数年前、自宅近くに小さな拝所があり、通りすがりに手を合わせることがあった。その折、近くに住むマンション経営者の金城由紀子さんという女性に出会い、拝所の手入れやマンションの緑化の相談を受けた。


那覇市泉崎にある阿手川公園の全景
那覇市泉崎にある阿手川公園の全景



住民の手で公園を手入れ

マンションの道向かいには那覇市の阿手川公園がある。この公園はかつて、人が集まるようなことはなく、ゴミや空き缶が散らかり、手入れがされていない感じだった。

見かねた金城さんが暇をみつけて掃除を始め、草花の苗を公園の片隅に植えた。私も伸びた枝の整姿剪(せん)定(てい)を手伝った。すると次第に、近所に住む金城さんの友人や知人も手伝い始め、いつの間にか阿手川公園愛護会ができ、みんなで美しい公園づくりが始まった。数年前からは子供会や婦人会の歌声サークルなどの催しも行われ、みんなに親しまれている。
 
後列左から筆者、公園の手入れをする砂川さん、前列左はマンション経営者の金城由紀子さん、同右は金城さんのヘルパーさん
後列左から筆者、公園の手入れをする砂川さん、前列左はマンション経営者の金城由紀子さん、同右は金城さんのヘルパーさん


5年で実現できる計画を

昨年、阿手川公園は那覇市都市景観賞に選ばれた。受賞理由は「都心の住宅地にある公園において、愛護会による丁寧で質の高い緑化と維持管理がなされており、美しい花木に彩られた居心地の良い空間からは地域への深い愛着を感じる。日常的に利用する公園の風景を、地域が自ら作り・育てる活動はこれからの景観まちづくりの可能性を感じさせる取り組み」で、お褒めの言葉をいただいた。

住民主体の緑化計画を行う時、10年は長過ぎるし、2~3年では植物が育たない。5年くらいで実現可能な計画案と、現況にあった詳細な管理計画を役所が立てる必要がある。同時に近所のじぃじぃやばぁばぁによる手入れの協力と、その孫たちの興味をひくクワガタやメダカ、カエルなどの小動物が生育できる環境整備をすることも忘れてはいけない。
 
   ◇                ◇

この連載では、街中で見かける植物について、造園家の武田慶信さんとNPO法人首里まちづくり研究会顧問の吉田朝啓さんが交互につづります。


那覇市都市景観賞の賞状。受賞までは10年余りかかった
那覇市都市景観賞の賞状。受賞までは10年余りかかった

樹木に着生するランとオオタニワタリ
樹木に着生するランとオオタニワタリ

小鳥のお風呂場。小さい子は樹木よりも小動物の方が興味を持つので、このような場があればより親しみやすくなる
小鳥のお風呂場。小さい子は樹木よりも小動物の方が興味を持つので、このような場があればより親しみやすくなる

阿手川公園向かいにあるマンションの擁壁。日当たりが悪いので、壁にはオオタニワタリ、地面にはヘゴなどを配植
阿手川公園向かいにあるマンションの擁壁。日当たりが悪いので、壁にはオオタニワタリ、地面にはヘゴなどを配植


武田慶信
執筆者
たけだ・よしのぶ/1943年、奄美大島生まれ。造園家。82年、県緑化市民センター設立参画。87年、オリオンビール花の国際交流熱帯花木130万本育苗配布参画など。

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1893号・2022年4月15
日紙面から掲載

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