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2022年10月7日更新
【沖縄】[見て食べて楽しむ野草]⑦|今月は「ホソバワダン」|和えものにぴったり
文・写真/比嘉正一(沖縄県営中城公園 所長)
今月は「ホソバワダン」和えものにぴったり
【方言名】
方言名/ンジャナ、ニガナ
キク科で、沖縄地方や九州、台湾、中国などに分布。
水洗いで苦みやわらぐ
県内では「ンジャナ」の名で親しまれているホソバワダン。海岸沿いの岩の隙間などに群生することが多く、晩秋に咲く黄色の花群は圧巻です。石灰岩上に群生することも多く、グスクの擁壁などでもよく目にします。食用としての需要の拡大で、畑でも栽培されるようになりました。畑で栽培した葉は大きく、苦みも少ないようですが、潮風にさらされた野生のンジャナ特有の苦みや風味も根強い人気があります。
和(あ)え物にして楽しむ人が多く、私も大好きです。切り方にもちょっとしたこだわりがあります。葉を洗ったら輪ゴムで束ねて、なるべく細く切ります。ツナや豆腐、マヨネーズと和えると最高です。
ちなみに、苦みは水洗いで和らぎます。洗う回数で、苦みを調整してください。
茎を挿して増やす
一般的にンジャナの葉は、豚レバーの汁ものに欠かせません。数十年ほど前、読谷村の生活改善グループの野草料理を調べたとき、もちろん豚肉料理や魚汁に使っていたのですが、煮詰めて自家製サプリメントを作っている方がいました。胃腸によいとのことです。自然素材を工夫して健康的な食生活に生かしていることに感心しました。
庭やプランターで育てる人も増えてきました。ンジャナを増やすのはとても簡単で、採取した茎をそのまま土に挿すと発根し育ちます。葉を大きくするには堆肥をすき込み、油かすなどの肥料を与えればよいでしょう。
ンジャナは晩秋に黄色い花を咲かせる
ンジャナの葉を細切りにする際は、洗った葉を輪ゴムで束ねるとやりやすい
ンジャナの白和え
【材料】
ンジャナの葉、豆腐、ツナ缶、醤油、マヨネーズ
【作り方】
1.ンジャナは細く千切りにし、水で洗って、かたく絞っておく。
※水洗いするほど苦みがやわらぎます。好みで回数を決めて下さい(1~3回くらい)。
2.千切りしたンジャナをボウルに入れて豆腐、ツナ、しょうゆ、マヨネーズを加えて混ぜる。それぞれの量はお好みで。
3.2のボウルにラップをかけ、冷蔵庫に入れて冷やす。1時間ほどしたら出来上がり。
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10月の公園情報
【浦添大公園】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月8日(土)午前9時30分~同11時
場所/浦添大公園 料金/1000円
定員/10人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※同公園にはきれいなチョウが多く、特に羽表が美しい緑色の「イワカワシジミ」の一大生息地として知られている。
浦添大公園/電話=098・873・0700
【名護城公園】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月15日(土)午前9時30分~同11時
場所/名護城公園
料金/1000円 定員/10人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※名護城公園は、住宅地のそばから山地まで、多様性に富んだ地域で、チョウ類の一大生息地。秋は種類、数とも多くなる季節、公園を散策しながら観察する。
名護城公園/電話=0980・52・7434
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執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1918号・2022年10月7日紙面から掲載