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2022年9月2日更新

【沖縄】[見て食べて楽しむ野草]⑥|今月は「ヨモギ」|汁物やおやつに活躍

文・写真/比嘉正一(沖縄県営中城公園 所長)




今月は「ヨモギ」
汁物やおやつに活躍


【方言名】
方言名/フーチバー
キク科で、各島に分布。多年生草本。路傍、畑のあぜ、荒れ地など、あちこちで普通に見ることができる

県内はニシヨモギ

ヨモギは家庭菜園や畑などで栽培されています。県内で見られるニシヨモギは、本土に分布するヨモギに比べて草丈が低く、香りも弱いです。プランターに植えてもよく育つので、ベランダ栽培にも向いています。

最近、スーパーの野菜売り場やファーマーズなどでも見かける機会が増えていて、もはや葉野菜と同じ扱いです。価格も手ごろで栄養も豊富なので、日常的に食べている人も多いと思います。

沖縄では、中身汁やヒージャー汁にフーチバーを入れるのが定番で、夏の暑さにも負けない体力づくりに貢献します。また、沖縄そばや、ジューシーなどいろいろな料理の彩りや臭み消しなどとして使われています。おやつの定番、ヒラヤーチーに入れても香ばしくておいしいですし、てんぷらにするとサクサクで、酒のさかなにも最適です。

子どものころ、夏休みになるとマーチャー(オキナワキノボリトカゲの雄)を捕獲し、戦わせる遊びをしていました。マーチャーを段ボールに捕獲。そこにフーチバーをいれてにおいをかがせ、興奮させて戦わせました。

食事だけでなく遊びにも活用するほど、フーチバーがとっても身近にあったのです。
 


ヒージャー汁定食にフーチバーは欠かせない。独特の香りがあり、臭み消しや薬味として利用される


おやつの定番、ヒラヤーチーにたっぷりフーチバーを入れた。味のアクセントになり、彩りにも最適


ほろ苦いフーチバーは、天ぷらにもぴったり

 

 フーチバー団子 


【材料】
フーチバーの新葉、白玉粉、黒糖蜜

【作り方】
1.
フーチバーの新葉と少量の水をミキサーにかけて汁状にする。
2.ボウルに白玉粉と1を入れ、耳たぶぐらいの固さになるまでこねて丸める。
3.煮沸した湯に2を入れゆでる。団子が浮かび上がったらゆで上がり。黒糖蜜をかけて食べる。



9月の公園情報


【中城公園】
樹木自然観察会

日時/9月3日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/中城公園「台グスク」駐車場
講師/比嘉正一氏(学芸員)
料金/1000円 定員/10人(対象大人)
※自然が残る「台グスク」の樹木を中心に解説。散策路沿いに育つ樹木は、沖縄島南部を代表するものばかり。方言名、利用のされ方などさまざまなエピソードを解説する。
中城公園/電話=098・935・2666


【浦添大公園】
アダン根の筆づくり

日時/9月10日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/浦添大公園 南エントランス多目的室
講師/岩田亜久梨氏(デザイナー)
定員/10組 料金/1500円(資料込み)
※アダン根をトンカチでたたいて繊維をほぐし、オリジナル筆を作り、半紙に書道や絵を描きます。自分で作ったアダン筆は、世界に一つ。繰り返し使え、記念の作品となる。
浦添大公園/電話=098・873・0700


【コザ運動公園】
樹木自然観察会

日時/9月17日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/コザ運動公園 陸上競技場駐車場
講師/比嘉正一氏(学芸員)
料金/1000円 定員/10人(対象大人)
※公園は市内のすぐ近くに位置し、緑が残されていることから元の自然を知ることができる。樹木を観察し、関係する自然知識を得て両得の観察会。
コザ運動公園/098・932・0777




執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
 
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1913号・2022年9月2日紙面から掲載

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