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2022年4月29日更新
[建築系学科がある工業高校]南部工業(八重瀬町)
南部工業(建築設備科 建築デザインコース)は
◆建築を学ぶ「建築デザインコース」と設備を学ぶ「設備工学コース」が一つのクラスになっていて、交流授業もある。
◆全校生徒で220人と県内の工業高校の中では少人数な方。
◆就職志向が強く、昨年度の就職と進学希望者の割合は8対2。
南部工業(八重瀬町)
※定員は20人、オープンキャンパスの時期は9月もしくは11月。
過去3年間の進路状況/就職先は、㈱ワイテック福岡、金城キク建設、南成建設など。進学先は久留米工業大学(福岡県)、東海工業専門学校(愛知県)、沖縄職業能力開発大学校など。
建築と設備同一学級で
南部工業高校の「建築設備科」は、建築を学ぶ「建築デザインコース(20人)」と、配線や配管などの設備について学ぶ「設備工学コース(20人)」が一つのクラスになっている。
ホームルームや普通科目は一緒に受けるほか「1年生のときには、互いの授業を交換するなど取り組みもしている。建築を学びながら、設備の分野にも少し触れることができる」と同科の友利輝則先生は説明する。
少人数で顔が分かる
「建築設備科」は2017年度に新設された。以前は「電気設備科」という科があり、電気技術コース20人、設備工学コース20人という構成だったが、人気があった電気技術コースが独立して定員40人になり、設備工学コースに建築デザインコースを加えて「建築設備科」となった。
5年前に学科は増えたものの、「県内の工業高校としてはかなり少人数な方。1学年で定員40人の3クラス(建築設備科、電気科、機械科)で、全校生徒で220人程度だから、生徒も先生もだいたい顔が分かる」と話す。
測量の授業。教室でやり方を学んだ後、校外に出て実際に測量を行う
昨年の就職と進学希望者の割合は8対2と、就職志向が強い。取材時、何人かの生徒に話を聞いたが「県外で就職したい」という声が多かった。「小規模だけに、先輩とのつながりで就職する生徒もいる。やはり建築や土木の仕事に就く生徒が多い。そういった業界に入りたいなら、工業高校で早いうちから知識と技を磨いておくのも良いと思う」と友利先生は話した。
わが校のここがイイ!
建築デザインコース3年(左から)丸山博繁さん、上原琉唯さん、久家憂人さん
◆南部工業の建築デザインコースを選んだ理由
(丸山)オープンキャンパスで来たときに、設備が整っていると感じた。あと授業が楽しそうだった。
(久家)友達に誘われて調べてみると、面白そうな学校だった。小さいときから木を切ったりするのが好きだったし、僕に合っていると思った。
◆大変なこと、良かったこと
(上原)クラスメートと協力してものづくりができること。一人で作るのとは違った達成感がある。また、作って終わりではなく、建築大工などの資格が取れるのもメリットだと思う
(久家)見たこともない機械に触れることができる。危険な機械も多いけど、学生のうちに危なさを知ることができるのも貴重な経験。
(丸山)女子が少ないことを覚悟しておかないと入学後、ショックを受ける(笑)。
◆将来の夢
(上原)県外で大工になりたい。そのためにも、在学中に大工系の資格をたくさん取りたい。
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撮影・取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1895号・2022年4月29日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。