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2022年7月29日更新

[沖縄]建築系学科がある工業高校|高い就職率 資格取得にも力

建築を学べる学校は専門・専修学校だけではない。ここでは今年4月29日発行の本紙の特集(建築系学科がある工業高校)をもとに、県内の工業高校建築科の特徴などを紹介する。

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県内で建築系学科のある工業高校は5校。いずれも建設や建築に関わる専門知識・技術を学ぶことができ、授業内容に大きな違いはない。例えば座学では、英語や数学などのほか、工業技術の基礎や建築法規などを学習。実習では、木材加工、製図、左官、測量、溶接、鉄筋・型枠などの技術習得を目指す。プロの職人が講師として教えることもある。

卒業後、建設に関する知識や技術を持つ若い人材ということで、大手を含めた建設会社からの求人があり就職率は高い。また、進学を選ぶ人にとっても、普通科に比べて大学推薦枠が通りやすい傾向にあるという。


建設業協会の支援も

工業高校では資格取得に力を入れている。取得可能な資格の一例として、2級建築施工管理技士補、建築CAD検定、建築大工技能士などがある。

県建設業協会からも支援がある。例えば、資格取得予備校と連携し、2級建築施工管理技士補のアカデミック版講座について受講料の一部を同協会が負担。学生や保護者の負担軽減につなげている。

同協会はほかにも、建設現場の見学会を実施するなど、将来の沖縄の技術者育成に向けてサポートしている。


◇      ◇      ◇


美里工業高校(建築科)

◆ほとんどが県内就職志向の中部出身者。目的がはっきりしているので、自主性がある。

◆バレーボール部をはじめ、運動部の強豪校でもあるため、部活も頑張っている人が多い。

※定員は40人。オープンスクールは9月22日(木)に予定。12月10日(土)と11日(日)には工業祭も予定している。

過去3年間の進路状況/就職先は、㈱太名嘉組、㈱國場組、金秀建設㈱、大勝建設㈱、㈱九電工など。進学先は、琉球大学、沖縄職業能力開発大学校、久留米工業大学など。



浦添工業高校(インテリア科)

◆県内唯一の学科で、インテリアや福祉についての授業もある。
◆家具・建具製作にも力を入れていて、大型木工機械が充実。
◆女性徒が多く、工業高校には珍しく男女比率は6対4。
◆2023年度には定員が半分になり、建築科が新設される。

※来年度の定員は、インテリア科40人、建築科40人、オープンスクールは10月22日(土)、23日(日)の工業祭と合わせて実施する予定。

過去3年間の進路状況/就職先は、金秀建設㈱、㈱太名嘉組、㈱屋部土建、㈱藤田建築設計事務所、㈱天童木工(山形県)など。進学先は琉球大学、県職業能力開発大学校、沖縄国際大学、福岡大学など。



沖縄工業高校(建築科)

◆建築業界で活躍する卒業生が多く、ブランド力がある。県内外の大手企業からの求人もある。
◆現場で必要な資格取得に積極的。琉球大学工学部など外部とのつながりも多い。

※定員は40人。10月15日(土)と16日(日)に沖工祭を予定している。

過去3年間の進路状況/就職先は、清水建設㈱、青木あすなろ建設㈱、㈱東恩納組、㈱大城組、沖縄総合事務局、沖縄県職員(土木職)など。進学先は金沢工業大学、神奈川大学など。



南部工業高校(建築設備科)

◆建築を学ぶ「建築デザインコース」と設備を学ぶ「設備工学コ ース」が一つのクラスになっていて、交流授業もある。
◆全校生徒が220人と県内の工業高校の中では少人数な方。
◆就職志向が強く、昨年度の就職と進学希望者の割合は8対2。

※定員は20人、オープンスクールは9月13日(火)の予定。

過去3年間の進路状況/就職先は、㈱ワイテック福岡、㈱金城キク建設、㈱南成建設など。進学先は久留米工業大学(福岡県)、東海工業専門学校(愛知県)、沖縄職業能力開発大学校など。



名護商工高校(建築科)
  
◆従来の「電建システム科」の建築技術コースが独立する形で本 年度から新設。今まで20人だった定員が、40人になった。
◆北部地域在住の生徒が多い。また、地元の建築会社から求人が あったりと、地域とのつながりが強い。

※オープンスクールは9月9日(金)の予定。

過去3年間の進路状況(建築技術コース時代)/就職先は、㈱照正組、㈱東恩納組、㈱太名嘉組、㈱AMS設計など。進学先は名桜大学、沖縄国際大学、沖縄職業能力開発大学校、日本文理大学など。



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取材/東江菜穂・出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1908号・2022年7月29日紙面から掲載

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