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2019年9月20日更新

[不動産の日特集|実家を生かす]③店舗兼住居

地価や建築費の高騰から住宅や店舗など新たに不動産を取得するのが難しくなっている昨今、見直したいのが「実家の活用」だ。9月23日の不動産の日にちなみ、2世帯取得に役立つサイトや、店舗への改装事例、行事の際は帰省し普段は宿泊施設にすることで維持活用につなげた3手法を紹介。中古住宅の不動産動向も取り上げる。




 Case3 店舗に ​

現状のまま開店 今も昔も集う場


DAIKEIの店内。一番座と二番座をそのまま飲食スペースにした。写真左側には、棚だけが残った仏壇の跡や床の間がある


沖縄市の中華料理店「DAIKEI」(ダイケイ)

「おじぃの家みたい」
沖縄市宮里の住宅街。その一角に、髙谷雅宏さん(63)とゆかりさん(56)夫婦が営む中華料理店「DAIKEI」はある。「手頃な価格でボリューム満点のおいしい中華が食べられる」と地元でも人気の店だ。

コンクリートブロック造平屋建ての店舗は、一見すると普通の住宅のよう。これは、築51年になるゆかりさんの実家を、そのままの形で店舗として活用しているためだ。

店内もそのまま。昔ながらの間取りで、玄関を入るとすぐに畳間の一番座と二番座が並び、奥に裏座という配置。客が飲食するのは一番座と二番座の表座で、裏座は現在もこの家で暮らす夫婦が居住スペースとして使っている。

床の間や、トートーメー(仏壇)の名残、木製の窓枠から見える花ブロック越しの庭、星型模様の入った型板ガラスの窓などがレトロな印象を与える。家庭的な雰囲気で、「おじぃやおばぁの家に来たみたい」とリラックスする客も多いという。


花ブロック。ゆかりさんの父が「女姉妹が多いから」と防犯のため、設計に取り入れた



DAIKEIを営む髙谷ゆかりさん(左)と雅宏さん


家族の協力のもとに
建物ができたのは1968年。ここに、ゆかりさんと祖父母、両親、兄、5人の姉の11人で暮らしていた。ゆかりさんは「いつも人がいて、にぎやかな家だった」。

県外で結婚、出産し、家族3人で沖縄に帰ってからはアパートで暮らした。しばらくして、実家に住んでいた兄が2世帯住宅を建てて両親とともに引っ越し。そこで父から「愛着のあるこの家に住んでほしい」と、髙谷さん家族が実家を譲り受けることになった。

2007年、娘が成長して家を出たのを機に、表座を店としてオープン。「立地の面でお客さんが来てくれるか不安だったので、コストをかけたくなかった」と夫婦。そのため改装はせず、天井や柱は親戚らとニスを塗った。駐車場用地は叔母が貸してくれた。髙谷さんは「表座と裏座のある昔ながらの間取りだったから現状のまま店にできた。今風の家だと難しかったと思う」。

また、夫婦は「家賃がないおかげで、今の値段と量が成り立つ」「親やきょうだいの知り合いが模合で使うなど、地域とのつながりが密」など、実家を店舗にする利点を話す。

月に一度、親せきとの食事会が開かれ「帰る場所」としての役割も持つこの家は、客や親せきたちで今も昔もにぎわっている。


▲店舗にする前
1987年の一番座。髙谷さん夫婦の結納の様子



店内から外を見る。木製の窓枠があたたかい印象。花ブロックは外からの日差しをほどよく遮っている


玄関。床の玉石タイルがレトロ感を感じさせる

他関連記事
Case01:2世帯リノベサイト
Case02:宿泊施設
Case03:店舗兼住居
中古住宅の動向

 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1759号・2019年9月20日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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