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2025年7月4日更新
【創刊40周年特集④】木造、建築費が安くて高性能
県内で根強い人気のある鉄筋コンクリート造と、急激に需要を伸ばしている木造。それぞれの長短所を各組合に聞いた。

鉄筋コンクリート(RC)造、木造 どっちもいい!②
木造の三大長所
①建築費用が比較的安価
②低コストで高性能住宅を実現できる
③GX志向型住宅で160万円の補助(補助金や減税制度を受けやすい)


鉄 筋コンクリート(RC)造が主流の沖縄県だが、昨今は木造住宅がかなり増えている。その最大の理由は「建築費用が安い。RCはセメント・水・骨材・鉄筋など使用する資材が多いが、木造は比較的少ないことが価格に反映されている。さらに工期が短いので人件費も抑えられる」と沖縄木造住宅協同組合の代表理事、玉城順一さんは説明する。「RC造の3割くらい低コストになる印象。ただし、注文住宅(自由設計)なのか建売住宅なのかだったり、使用する木材でも価格は大きく変わる」と話す。
需要の高まりに伴って「住宅ローンにおいては木造住宅も35年の長期借り入れもできるようになり、RC住宅と同等に評価されている」。だからこそ、より長い目で〝木の住まい〟を考えなければならない。「さまざまな木造業者が参入している中で、満足度の高い家を建てるには価格だけにとらわれず、沖縄の気候特性に合わせた住宅性能を実現でき、最新の補助金や減税制度にも対応できる会社を選ぶことを薦める」とアドバイスする。
低コストで省エネ性能UP
最新の補助金事業では、すべての世帯を対象に「ZEH水準を大きく上回る住宅(GX志向型住宅)」へ160万円が補助される。「木造住宅は、もともとの断熱性が高いためRC造より低コストでGX志向型住宅の基準をクリアすることができる」と玉城さんは説明する。補助の対象となるのは、同事業の登録事業者による建築で、申請もその登録事業者が行う。「登録事業者を選ぶのはもちろん、申請までしっかりやってくれる会社に依頼することが大切」。GX志向型住宅に対応することで補助金を得られるだけでなく「今後の光熱費を大幅に削減でき、住宅の資産価値の向上も見込める。経済的負担が継続的に軽くなる」と力を込める。
優しい質感で癒やし効果も

木をふんだんに使い温かみを感じるキッチン
自然素材ならではの優しい質感も木造の長所。玉城さんは「天然無垢の木材を使った家は、木の香りによるリラックス効果がある。感触もよく、他の構造に比べて癒やしの効果はダントツで高い」と話す。木には調湿効果もあるため「高温多湿の沖縄に適した住まいと言える」。
昔は、「木造は沖縄に向いていない」という声もあった。しかし今は、「各社が競争の中で、耐風性を高め厳重にシロアリ対策をした〝沖縄仕様の木造住宅〟がたくさん出ている。ただ、業者が増えている分、技術や完成度はピンキリ。施主側も任せきりでなく、知識を持って家づくりをすることが重要となってくる」と玉城さんは話した。

玉城順一さん
沖縄木造住宅協同組合 代表理事
沖縄木造住宅協同組合 代表理事
沖縄木造住宅協同組合
電話=098・869・8923
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第2061号・2025年07月04日紙面から掲載