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2015年11月20日更新

2世帯で庭を共有 家事、暮らし楽に|(株)東設計工房

那覇市に暮らすTさん姉妹の住まいは、鉄筋コンクリート造2階建て。庭は隣接する弟の家と共有する。木の風合いが感じられるシンプルな造りは掃除も楽で、「植物や小物、どこに何を飾ろうか考えるのが楽しい」と姉妹は目を細める。

飾って楽し眺めて癒やし

Tさん宅(家族2人 自由設計 RC造)


ナチュラルな雰囲気にまとめられた1階のLDK。2階へ続く鉄骨フレームの階段が空間のアクセントに。正面の対面式キッチンは手元を隠し、ダイニングから見えないようにした

静かな住宅街に建つ2階建ての住宅。弟宅の敷地の一角を分筆し、庭を共有する形で新築した。「行事のときも行き来しやすいし、何かと安心」とTさんはにこやかに話す。
家を建てるにあたり希望したのは、「掃除がしやすいよう、広過ぎずシンプルな間取り」。1階にLDKと和室、水回り、2階に姉妹の寝室等を配した室内は、淡いベージュを基調に木製の家具や建具を合わせたナチュラルな雰囲気。
「木造の家で育ったので、木の優しい風合いを家に取り込みたかったんです」
鉄骨フレームの階段が空間のアクセントになっているリビング・ダイニングの西側には、「県外で暮らす姉が帰省したとき泊まれるように」と設けた和室が続く。その先には芝庭が広がり、サクラやサルスベリが伸びやかに育つ。
窓を開け放つと庭から吹き込む風が心地よい。西日対策を担う雪見障子も風情を誘う。「サクラの花が咲くとすごくきれい。月明かりもいい雰囲気で、和室を造って本当に良かった」とほほ笑む。

生活のエネルギーに
市内にあった築49年になる木造2階建ての実家で暮らしていたTさん姉妹。道路拡張で立ち退きになるのを機に、家を建てることにした。「老朽化で瓦の落下や雨漏りもあった。窓も開け閉めしづらく、面倒が多かった」と振り返る。
設計は、高校からの友人である建築士に依頼した。
「手掛けた物件は見ていたし、何より相談しやすく、お互い遠慮なく意見を言い合える関係なので心強かったです」。室内のインテリア等は、建築士のアドバイスも踏まえて姉妹で選んだ。
住み始めて約10カ月。「収納も多く、普段の生活が快適になりました。住む家が充実すると、いろいろなことにエネルギーが向けられます」と姉。これまで集めてしまい込んでいたガラスや陶器を、家のあちらこちらに飾って楽しむ。Tさんも、「家に飾る植物を探しに行くのが休日の日課になりました」とにっこり。
夏場には、緑のカーテン作りにも挑戦。「これから野菜づくりもしてみたい」と楽しみは膨らむ。


1階キッチン側からリビング・ダイニング、和室、庭を望む。掃き出し窓から心地良い風が吹き込み、緑に癒やされる


外観。敷地と道路とは約50センチの高低差があるが、将来を見据え、階段ではなくゆるやかにカーブを描くスロープを設けた。2階の花ブロックで囲われた部分が物干し場。植栽も周囲からの視線を遮るのに一役買っている


ここがポイント
西に開き程よい距離感

Tさん宅は弟の住まいの庭を分筆した、南側の一角に建つ。一級建築士の久高多美子さんは設計にあたり、「互いのプライバシーを保ちつつ、気配は感じられる程よい距離感を保つこと」を重視。塀などは設けず、既存の庭を両家で共有するプランを提案した。
庭を広くとれるよう、Tさん宅を道路のある東側に寄せて配置。「各住居の採光や通風も考慮して、建物同士の距離や窓の配置を決めました」。
庭を生かしたことで西側に向けて大きく開く間取りとなったTさん宅では、西日への対策もポイントとなった。2階西面のバルコニーや和室の掃き出し窓に配した雪見障子が西日を和らげる役割を果たす。小障子を上げ、足元から眺める庭は情緒もたっぷりだ。
室内は、家事が機能的にこなせることと、空間の広がりに配慮した。リビング・ダイニングで目を引く階段は、蹴込み板を抜いた鉄骨フレームにしたことで視線が抜け、空間の広がりを損なうことなくインテリアのアクセントになっている。
道路に面した2階の物干し場は、周囲からの視線は遮りながら風は取り込めるよう花ブロックで囲った。「屋根にはポリカーボネイトを用いた天窓を設け、適度な日差しが差し込むようにしました」と久高さん。Tさんは「天気を気にせず洗濯物が干せて助かってます」と、使い勝手の良さを実感している。


リビング・ダイニングと続き間になっている1階の和室。庭(写真左手)に面した掃き出し窓には雪見障子を設置し、西日を和らげる。今夏、西日対策にと緑のカーテンを作った際は、「障子に葉の影が映って、とてもいい雰囲気でした」とTさん。小障子を上げ、足元から庭の緑を眺めるのも楽しい


2階のトイレは、スギ板張りの乾式。Tさんのお気に入りで、「木の香りがほのかにして癒やされます。お掃除も楽ですよ」とにっこり


花ブロックで外から目隠ししつつ、光と風が通る物干し場。ポリカーボネイトを使った天窓からも光が注ぎ、天気を気にせず干せる


2階の階段脇は、ディスプレースペース。姉が集めたガラス製品などが飾られ、彩りを添える


住宅の西側にある庭。弟の家(写真右側)と共有する

[DATA]
家族構成:姉妹
敷地面積:136.10㎡(約41.17坪)
1階床面積:61.83㎡(約18.7坪) 2階床面積:62.48㎡(約18.9坪)
建ぺい率:50.96%(許容60%) 容積率:91.34%(許容176.8%)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造ラーメン 構造
設計・構造:(株)東設計工房  久高多美子、町田光
施工・電気・水道:(株)国興建設
キッチン:タカラスタンダード

[設計・問い合わせ先]
(株)東設計工房 
098・917・5000
http://www.azumas.com/
写 真/高野生優・フォトアートたかの撮影
編 集/比嘉千賀子

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1559号・2015年11月20日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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