お住まい拝見+
2025年1月24日更新
[お住まい拝見+]茶室 沖縄の材・技で整え|㈱建築意思
「お住まい拝見」「こだわリノベ」で掲載しきれなかった設計の工夫や施主のこだわり、記者がおもしろいと感じたポイントなどを紹介する。
茶室 沖縄の材・技で整え

4畳半の茶室は職人技でしつらえた。障子・襖は木工職人の知念兼秀さんが製作し、障子紙・腰張りに使った芭蕉紙は坂奈津子さんが手がけた
1月17日号「木の構造美 天高く現す」西大さん宅
㈱建築意思
琉球料理研究家の西大八重子さん宅の茶室は建築士・山口博之さんらが史料を基に、県内の材と技で茶室の壁や天井、建具をしつらえた。床の間の柱にクチナシ、床框にイタジイなど本島北部に自生する木を使い、㈱建築意思の棟梁・山城正志さんが造り付け。炉壇は赤土、茶室の土壁はクチャ(粘土質で灰色の土)で仕上げたほか、竹編みの天井、給仕口の障子や襖、障子に張る芭蕉紙などは県内の職人が製作した。太陽光の入り方は現場で微調整し、茶の湯の空間は静ひつな雰囲気が漂う。
リビングは対照的に開放的。木の構造材があらわになり、ゆとりのあるキッチンや建具も木で同社が造作し、取り付けた。

壁はクチャの土壁で仕上げ、茶室には芭蕉紙の窓から柔らかい光がこぼれる。招待された客人は写真左の躙口(にじりぐち)から茶室に入る

玄関を抜けると、大空間のリビングがお出迎え。構造体の木が高い所で約5.4メートルの天井いっぱいに整然と組まれ、北側の大開口から周囲の山々へ視線が抜ける

茶室を外から見る。窓の格子も北部の森から調達した竹を使っている
撮影/比嘉秀明 取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2038号・2025年01月24日紙面「今月の表紙から・2025年1月」より掲載
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2038号・2025年01月24日紙面「今月の表紙から・2025年1月」より掲載