お住まい拝見+
2023年6月30日更新
[お住まい拝見+]シーンで変化する部屋|(株)一級建築士事務所 斎
「お住まい拝見」で掲載しきれなかった設計の工夫や施主のこだわり、記者がおもしろいと感じたポイントなどを紹介する。(紙面連載「今月の表紙から・2023年6月」より転載)
シーンで変化する部屋
2階部。収納棚はウオークインクローゼットや洗面所まで延びる廊下に設けた。「棚には鍵や仕事用のかばんなどを置いているので、身支度がスムーズ」とOさん。マグネットシートを設置した壁の向こう側はキッチン(下写真)
6月16日号「借景で密集地でも開放的」/Oさん宅/㈱一級建築士事務所 斎
住宅密集地に建ち、2階にLDKがあるOさん宅。自然光を北側から取り込んだLDK は向かいの公園に視界が開けているので、より開放感にあふれている=左下写真。
そんな室内は将来を見据えた機能的な空間にもなっている。例えば、1階の家族4人の寝室はエントランスホールと連なり、空間を広く使える。来客時などにはつり下げ式の引き戸を閉めれば個室となり、プライバシーは確保される=右上写真。その個室は中央に仕切り壁が取り付けられ、さらに二つの子ども部屋として使える。建築士の玉那覇昇一さんは「用途を限定せず、子どもの成長など家族の必要なシーンにあった部屋の使い方ができる」と話す。
ほかにも、収納棚をウオークインクローゼットまで延びる廊下に沿って設け、効率よく身支度を行えるようにした。
1階の家族4人の寝室。つり下げ式の引き戸を開ければ、廊下やエントランスホールまで連続し、広々空間になる
取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1956号・2023年6月30日紙面「今月の表紙から・2023年6月」より掲載