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2025年7月25日更新

人も愛犬も顔見え安心|築35年のマンション購入してフルリノベ|こだわリノベ

森川応樹さん・悠里さん夫妻は、コストや立地の面から中古マンションを購入しリノベーション。読書や料理などそれぞれの趣味時間を尊重しつつ「顔が見える造り」と、念願のペットを迎え「安心・安全に過ごせる空間」を要望。室内窓が空間をつなぐ住まいで、新たな家族との暮らしを楽しむ。

半壁付けだったL字キッチンから、対面式のキッチン変更。リビングの一角(右側)は塩ビタイル張りのインナーテラスにして愛犬・かふうの寝床にした。右奥の寝室は、かふうの様子が見えるよう室内窓を設置

リノベーション前


 中古マンションを 
こだわリノベ
 築35年    RC造    夫婦+愛犬 


 改修前の希望 
和室や押し入れは不要。愛犬を含め家族の顔が見える安心・安全な空間にしたい


読書や料理 趣味も満喫

「以前のアパートも、立地や間取りは気に入っていた」と応樹さん。それでもマイホーム購入を決めたのは「この先80歳まで家賃を払い続けた場合と、中古物件を購入してリノベーションする費用を試算したら、あまり変わらなかった。だったら、私たちが使いやすい間取り・好みのデザインを反映した新居で、念願だったワンちゃんもお迎えして暮らしたい! と思った」と妻の悠里さん。

早速、リノベーション会社を回り「物件探しからサポートしてくれる会社に依頼。私たちの希望をくみ取りながら、予算とのバランスの取れた提案をしてくれた」と話す。

ペットとの暮らしを考え、庭付き一戸建ての購入を考えていたが、物件が少なく予算も合わなかった。「条件次第ではマンションでもペットと快適に暮らせる」とアドバイスされ路線変更。その後すぐ、希望の立地でペット可、広いバルコニーがある角部屋の中古マンションを購入した。
 
リノベーション前

以前はLDKのそばに和室があり建具で区切られ、そのほかの個室も壁で分断されていた。リノベでは和室を取り払ってリビングを広げ、個室とLDKの間には室内壁を設けて「顔が見える造り」にした。個室の出入り口の位置も変えた
 

ペットも安心安全

リノベ前は3LDKだったが和室を取り払い、リビングを広く取った。二つの個室は趣味室と寝室にし、押し入れを無くした分、空間を広くした。また「身支度もできる広いウオークインクローゼット」や「玄関から直通のパントリーを。そこからキッチンへ抜けられる造りにしたい」という希望もかなえた。

趣味室とLDKは室内窓でつながり、互いの気配を感じながら料理や読書、書き物などに没頭できる。趣味室の隅にある本棚と一体化した読書スペースは悠里さんのお気に入りだ。

念願だったペットを迎えるにあたっては、リビングの一部を塩ビタイルにして寝床を設けたほか、常に様子が見えるよう寝室とリビングの間にも室内窓を設置。さらに「コンセントの位置は床から60センチと高めにしてもらった」。

応樹さんは、お迎えした愛犬・かふうを抱っこしながら「この子との出合いは運命。一緒に楽しく暮らしていきたい」と笑顔で話した。
 
キッチン奥にあるパントリーの壁は、悠里さんが好きなワインカラーに。玄関からもパントリーに入ることができる​
 
趣味室の一角にある本棚と一体化した読書スペース。新居で一番のお気に入りの場所だ
 
趣味室はLDKと室内窓でつながっている。読書や物書きに没頭しながらも家族の気配を感じられる(写真提供/リノベース)


 改修のポイント 
叶えたい暮らしを深掘りし、「一戸建て」から「マンション」へシフトチェンジ。もともとの個室は生かし室内窓で空間をつなげた


室内窓で家族をつなぐ

「犬をお迎えしたいから」と、庭付き一戸建ての中古物件を探していた森川さん夫妻。しかし、リノベースの営業担当の比嘉秀一郎さんが詳しく聞き取りしたところ「室内で飼うことを想定されていた。また、旦那さんはジョギングを日課としており、日々の散歩も問題なさそうだった。それならば庭はなくても良いのでは、とアドバイスした」と話す。

夫妻の優先順位は「立地」と「ペット可」が高く、「広さ」はさほど重視していなかったことから、希望の立地19坪の中古マンションを提案。「角部屋でバルコニーが広く、下階は駐車場で住人がいないこともポイントだった。おかげで物件の購入費を抑えられ、リノベーションに予算を割くことができた」と話す。


キッチンからリビング・趣味室を見る。リビングの端(左側)は塩ビタイル張りのインナーテラス。愛犬・かふうの寝床(リノベース提供)


設計を担当した同社の山城優さんは「リノベ前は3LDKだったが、和室を無くして2LDKにし、リビングや収納に面積を割いた」と説明する。もともとあった二つの個室は趣味室と寝室に。それぞれ押し入れを無くし、空間を広げた。「ご夫妻は『家族の顔が見える造り』を要望されていたので、室内窓を採用。二つの個室とLDKを室内窓でつなぐことで、互いの気配が感じられ、自然にコミュニケーションが生まれるようにした」。室内窓から視線が抜けることで、壁の圧迫感も軽減され床面積以上の広がりも感じさせている。


愛犬のために柵やフロアマットを設置しながら「お互いに心地よい空間を試行錯誤中」


また、コンパクトな空間を有効に使うために「単なる通路は設けないようにした」。ウオークインクローゼット(WIC)から洗面脱衣室への通路はランドリールーム(室内干し場)も兼ねるほか、玄関からパントリーを通りキッチンへ移動できる。

先の廊下を兼ねるパントリーだけでなく、WICはそこで身支度もでき、本棚はベンチも兼ねる。「使うものは使う場所に収納するのが鉄則。それを間取りに落とし込み、効率良く快適に暮らせるよう配慮した」と話した。
 
玄関を入ると、ネイビーの壁とダークブラウンの壁掛け収納が映える。照明も悠里さんがこだわって選んだ
 
浴室はシャワーのみ。その代わり洗面台にこだわり、鏡部と下部はそれぞれ別のメーカーのものをミックス。「鏡の途中に線が入っているのが好きじゃないので、1枚鏡にした。下部は隠せる収納がたっぷりあるのが気に入った」


[DATA]
家族構成:夫妻+愛犬一匹
床面積:61.53平方メートル(約18.61坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:約35年
設 計:(株)リノベース 山城優
営 業:(株)リノベース 比嘉秀一郎
施 工:(株)リノベース


[問い合わせ先]
(株)リノベース
電話=098・917・4205
https://campage.jp/fukuchigumi/renove_lp
撮影/比嘉秀明 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2064号・2025年7月25日紙面から掲載

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