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お住まい拝見

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2023年6月9日更新

開放と安心が笑顔の源|間+impression[お住まい拝見]

[テラスでバスケ 1.5階に子ども室]
屋根付きのテラスにバスケットリングを設置した大城邸。「公式通りの高さにしたい」と天井高を4.5メートルに。住居部も平均4メートルあり開放的。縦空間を生かして1.5階に設けた子ども室は1階LDKからも目が届く。

大城邸のダイニングとキッチン。写真左側、6枚引きの大開口は屋根付きのテラスへ続く。LDKの斜め上に子ども室があり、その下は大容量の「蔵」
大城邸のダイニングとキッチン。写真左側、6枚引きの大開口は屋根付きのテラスへ続く。LDKの斜め上に子ども室があり、その下は大容量の「倉」


シュート練習が日課

大城さん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

リビングの斜め上にある、ロフトのような子ども室。とはいえ、天井高は2・1メートルあり普通の居室となんら変わらない。

そこから駆け降りてきた小学4年生の長男と1年生の次男は、バスケットリングのあるテラスに直行する。「特に次男は、朝から晩まで練習しています」と妻(40)。屋根付きのテラスは、天気を問わず活躍する。

バスケットボールが好きな夫(38)は、「リングを公式通りの高さに付けたいって、建築士さんに冗談半分で言ったら実現してくれた」とうれしそうに話す。

リングの公式高3・05メートルを踏まえ、テラスの天井高を4・5メートルに。そこから住居部へ向かって低くなっていく勾配天井だが、LDKも平均4メートルある。「明るくて開放的なLDKにしてほしい、という希望通り」

高さを生かして1・5階に子ども室を設け、その下に大容量の「倉」を造ってもらった。子ども室は二つ。息子2人で使っている部屋と、1歳の長女のために準備している部屋だ。

子ども室と倉を重ねた造りは、手掛けた建築士の自邸と同じ。「新聞で見て、いいなと思ってお願いした。購入した土地もすぐに見にいってくれたし、対応の良さも決め手だった」

1. 5階の子ども室からLDKを見下ろす。テラスへ続く6枚引きの掃き出し窓と高窓の連なりで抜群の開放感
1. 5階の子ども室からLDKを見下ろす。テラスへ続く6枚引きの掃き出し窓と高窓の連なりで抜群の開放感
 

屋根付きのテラスにバスケットリングを設置。夫の希望で公式の高さに取りつけている

屋根付きのテラスにバスケットリングを設置。夫の希望で公式の高さに取りつけている


脱衣所内にもトイレ

水回りも「お気に入り」。コンクリートの造作キッチンは「さっぱりした造りで使いやすい。建築士さんの提案で、換気扇を下引きにしてもらった。吸引力が心配だったけど問題ない」と妻。

トイレは「絶対に二つ欲しかった」。寝室に隣接する脱衣所内にも「エマージェンシー(緊急用)トイレ」=3面に写真=を設置した。「家族しか通らない場所だから扉無しでも平気。特に子どもたちが、切羽詰まっているときに重宝している」

裏も表もにぎやか。「新しい家で、よりうるさくなった」と笑った。

1.5階には二つの子ども室がある。室内窓を開ければLDKからも目が届く。その下は蔵。天井高が1.4メートル以下のため、大容量ながら床面積に算入されない
1.5階には二つの子ども室がある。室内窓を開ければLDKからも目が届く。その下は倉。天井高が1.4メートル以下のため、大容量ながら床面積に算入されない

息子2人の部屋は床高の上がったロフトの分、少し広い。「下にある和室の天井を下げてロフトを作った」と建築士。2人でも窮屈にならずに使えるよう面積を確保した息子2人の部屋は床高の上がったロフトの分、少し広い。「下にある和室の天井を下げてロフトを作った」と建築士。2人でも窮屈にならずに使えるよう面積を確保した
 

寝室と浴室をつなぐ脱衣所内にもトイレがある。寝室からすぐに行け、入浴中や身支度の途中などにも使えて重宝

寝室と浴室をつなぐ脱衣所内にもトイレがある。寝室からすぐに行け、入浴中や身支度の途中などにも使えて重宝


普段使いしているトイレは「換気扇があれば窓は要らない」と割り切って、採光用の天窓のみ
普段使いしているトイレは「換気扇があれば窓は要らない」と割り切って、採光用の天窓のみ


ここがポイント
潔いトイレ&キッチン

大きな収納部「倉」の上に個室を設けるのが、間+インプレッションの儀間徹さんが手掛ける住宅の特徴。大城邸もそれを踏襲しつつ、水回りは他にない潔い造りになっている。

まずは寝室の隣にある、扉のないトイレ。「寝室の近くにもトイレが欲しいと言われたので、隣接する脱衣所内に“エマージェンシー(緊急用)”トイレを設置した」。あえて個室にせず、脱衣所内に設置することで「トイレであり、脱衣所であり、寝室から浴室への通路でもある」。今だけでなく、老後にも役立ちそうだ。

もう一つのトイレは、水回りが集約する西側の真ん中にある。側面に窓がないのは、四方を居室に囲まれていることと、施主の「乾式トイレだし、換気扇があれば窓は不要」という割り切った考えから。儀間さんは「採光用の天窓は付けた。初めてのケースだったが、側面に窓が不要なら、アクセスしやすい場所に配置できる」と話す。

キッチンは造作。防水性がありひび割れしにくく、意匠的にも優れたモルタル風の左官材で造った。「LDKの開放感を損なわないよう下引き換気扇を提案したが、既製のシステムキッチンには少ないので造作した」と、設計を手掛けた儀間達紀さん。

造作キッチンは建築士が設計するため、内装に合わせたデザインやムダのない寸法にできる。デメリットは、システムキッチンのように多機能にすると高額になることと、完成度が職人の腕に左右されること。「シンプルな造りにして価格を抑えた。経験豊富な左官職人の協力で施主にも喜んでいただける仕上がりになった」と話した。

下引き換気扇の造作キッチン。収めるものに合わせて収納などを作っている

下引き換気扇の造作キッチン。収めるものに合わせて収納などを作っている


おしゃれな外観



[DATA]
家族構成:夫婦、子3人
敷地面積:183.66平方メートル(約55.55坪)
1階床面積:85.66平方メートル(約25.91坪)
建ぺい率:52.27%(許容60%)
容積率:49.34%(許容200%)
用途地域:第一種中高層住居専用、第二種中高層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリートラーメン構造
設計:間+impression 儀間徹、儀間達紀
構造:建築設計庵 長間大輔
施工:(有)仲間組 宮城正和、仲真敏幸、佐久田朝瑛
電気:丸森電化電設 川満龍次
水道:(有)島設備 島袋恭太
キッチン:(有)ファイン 比嘉美奈子
左官(キッチン):(株)玉栄左官業 玉栄健吾、池原輝

問い合わせ
間+impression
電話=098・892・3635
http://ma-impression.com/


撮影/泉公(ララフィルム) 文・東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1953号・2023年6月9日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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