集いと趣味を楽しむ｜（株）朝日ホーム21

豊かな緑と眺めを満喫

Ｃさん宅
RC造／自由設計／家族４人

緑豊かな公園に隣接する高台の住宅地に建つ、洋風の３階建て住宅。屋上からは、首里城から新都心、慶良間諸島、西海岸まで見渡せる。その眺めの良さが、Ｃさんの一番のお気に入り。「花火の季節が待ち通しい。子どもや孫たち、友人を呼んで、屋上でバーベキューやプール遊びを楽しめるよう、器具をしまう倉庫も設けましたよ」と話す。

１階にＬＤＫと和室、両親の寝室、水回りを配置し、２階には、多目的室と夫婦の寝室、書斎が設けられている。Ｃさんが一番力を入れたのは防音仕様の多目的室。オヤジバンドを組んでいるＣさんは、「ビールとつまみを持ち込んで、気兼ねなくベースを練習できるのがうれしい」とニッコリ。夫婦や家族で映画やカラオケを楽しむことも多く、「家に帰ってくる楽しみが増えました」。

子どものころから、森の中の家に住むのが夢だったという夫人は、隣接する公園の緑や鳥の鳴き声に日々癒やされているという。「空気もきれいで、森林浴をしている気分。庭に植えたハーブや果物を料理に使うのも楽しいし、これからは庭で季節の花や植物も育てたいです」。楽しみは膨らむ。


庭からＬＤＫをみる。来客が多いため、和室を隣接させて広く使えるようにした

バーベキューが楽しめるように設けた屋上。隣接する公園をはじめ、首里城や慶良間諸島まで見渡せる
 

ＬＤＫに隣接する和室。仏壇脇の戸袋にふすまがぴったり収まり、ＬＤＫと一体的に使える

長寿の支えに

８５歳を超えて病気がちになった両親を気遣い、眺望に魅了されて購入した土地に、両親と一緒に暮らすための家を建てた。建築は、信頼のおける建築会社に依頼。「人が集まる家にしたい」と、各階に家族や親戚、友人がいつでも、どこでも集える造りにこだわった。

「いま入院中の母が、病院では歩くのもやっとという感じなのに、家に外泊するとしっかり歩くので驚きます。ひ孫たちがしょっちゅう遊びに来るので、気持ちが元気になるのでしょうね」と、ほほ笑む夫人。楽しい集いが、長寿を育む。
 

外観。条例で使用が決められていた赤瓦をのせて、大好きな洋風のたたずまいを演出。駐車場は、スタンプコンクリートで石敷き風に仕上げた

ここがポイント
道路との接地に工夫

Ｃさん宅の敷地は公道に面しておらず、住宅を建てるにあたり位置指定道路（都市計画などで公に整備されたものではない私道）の整備が必要な土地だった。県や浦添市に相談・申請し、土地の売主や隣家など権利関係者全員の押印を得て指定を受け、建築基準法の要件を満たす幅４メートル以上の道路を確保した。また、「道路と接する庭部分に出入り口を設けることで、建築基準法の接道義務を満たし、境界線から建物を後退させる造りを実現できた」と、建築を手掛けた朝日ホーム２１の前川朝計社長は説明する。

建物は１階と２階で公私の空間を分け、自然を感じながら集い、くつろぐスペースを各階に充実させた。１階は南側の庭に面してテラスを設けたほか、北側に公園を望む両親の寝室には縁側を用意。眺望を楽しむため屋上も、１０メートルの高さ制限の範囲内で設けた。

建物は南に開き、採光通風は良好だが、土地がら湿気が多いため、床下と天井裏に強制換気システムを設置した。前川社長は「ダニやカビ、シロアリを防いで、健康的で快適な室内環境を作り出すと同時に、基礎構造部の腐朽も防いで建物を長持ちさせる」と説明した。


１階は、両親と一緒にくつろげるようにと、庭に面してタイル張りのテラスを設けた。テラスの奥は和室になっている


２階の寝室。掃き出し窓の外には、夫婦でくつろげるようにテラスを設けた


防音仕様になっている２階の多目的室。窓もドアも壁もしっかり防音仕様になっているから大きな音を出しても全く外に聞こえない
 

［DATA］
家族構成：夫婦、両親
敷地面積：228.00㎡（68.97坪）
１階床面積：95.09㎡（28.76坪）
２階床面積：60.58㎡（18.32坪）
３階床面積：13.40㎡（4.05坪）
建ぺい率：53.70％（許容60％）
容積率：74.15％（許容100％）
用途地域：第一種低層住居専用地域
躯体構造：鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設計：築・建築計画設計事務所　下地秀喜
構造：安城建設
施工：（株）朝日ホーム21
電気：久貝電気設備
水道：連進工業
木工事：㈲赤嶺光一材木
キッチン：タカラスタンダード


［問い合わせ先］
（株）朝日ホーム21
098-877-3286
http://www.asahihome21.co.jp

撮影／矢嶋健吾　取材／比嘉千賀子（ライター）
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1786号・2020年3月27日紙面から掲載