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2021年6月4日更新

[沖縄・お住まい拝見]18畳の土間が主役!|(株)琉球住樂

[吹き抜け、大空間の木造]
夫婦憧れの「土間」のある木造2階建ての住宅を建てたIさん(64)。庭に面した18畳のサンルームは開放的で、「アウトドアで求めていた癒やしが、家の中にある」と喜ぶ。

1階のサンルームとLDK。土間の中央に置いた、テーブルセットで庭の緑を眺めながら、食事やお茶をするのが楽しみ。一番奥には、Iさんのワークスペースもある
1階のサンルームとLDK。土間の中央に置いた、テーブルセットで庭の緑を眺めながら、食事やお茶をするのが楽しみ。一番奥には、Iさんのワークスペースもある


家でアウトドア満喫

Iさん宅
 木造/自由設計/家族6人 

緑に彩られたポーチを抜け、玄関のサッシを開けると、広い土間空間に圧倒される。吹き抜けになったLDKの天井が一層、開放感を高める。

「昔ながらの沖縄の家が好きで、土間のある家が理想でした。夫婦共きょうだいが多く、子どもも部活をしているので、人が集える家にしたかった」と夫人(50)。サンルームに置いたテーブルで、庭を眺めながら家族で食事を楽しみ、一角に設けたワークペースで、Iさんは仕事に励む。まさに土間が暮らしの中心だ。

2階には4人の子どもたちの部屋があるが、「みんな部屋にこもらず、土間やリビングで過ごしている。集える場があるからこそ」とIさん。

屋根のある駐車スペースから出入りできる勝手口が、家族用の玄関。キッチンに近く、LDKの裏手にまとめられた水回りと寝室へのアクセスもスムーズ。「裏玄関がすごく便利。シューズクロークも大きくて、助かっています。干し場もたくさん作ってもらったので、天気を気にせず洗濯も楽にできます」と夫人。

リビングからキッチンとサンルームを見る。掃き出し窓の外に見える庭の緑、吹き抜けになった大空間を支える太い柱と、厚みのある太鼓梁(たいこばり)が印象的。キッチンとリビングを仕切るカウンターは、オリジナルで造作してもらった。床材には杉板を使用。足ざわりが良く心地いい
リビングからキッチンとサンルームを見る。掃き出し窓の外に見える庭の緑、吹き抜けになった大空間を支える太い柱と、厚みのある太鼓梁(たいこばり)が印象的。キッチンとリビングを仕切るカウンターは、オリジナルで造作してもらった。床材には杉板を使用。足ざわりが良く心地いい
 

和室。天井が高く、開放的。雪見障子を開ければ、緑も楽しめる

和室。天井が高く、開放的。雪見障子を開ければ、緑も楽しめる


手をかけ楽しむ

自己所有のアパートで暮らしていたが、きょうだい名義の隣地と、他町に所有していたIさん名義の土地を交換できたことから、新築を決めた。

木造建築を手がける会社を回る中、住宅展示会で理想の土間のある家を提案する会社に出合い、設計を依頼した。

「毎朝晩、作業を見せてもらっていたので、大工さんとも親しくなって。くぎ打ちや、外壁用の杉を焼く作業にも子どもたちと参加しました」

外出自粛期間中には、Iさんと子どもたちで塀や庭造りを楽しんだ。「アウトドアが好きで、天気が良ければすぐに出かけていたけど、今は外に求めていた癒やしが家にある」とうれしそうに笑った。

木の扉でナチュラルな雰囲気のオリジナルキッチン。コンロはラジエントヒーターでオール電化。アーチで柔らかさを出した仕切り壁の奥に、裏玄関のホールと水回りがある
木の扉でナチュラルな雰囲気のオリジナルキッチン。コンロはラジエントヒーターでオール電化。アーチで柔らかさを出した仕切り壁の奥に、裏玄関のホールと水回りがある

落ち着いた雰囲気の寝室。ポーチから見た時、L字に向き合う和室との統一感を重視し、掃き出し窓には雪見障子を付けた
落ち着いた雰囲気の寝室。ポーチから見た時、L字に向き合う和室との統一感を重視し、掃き出し窓には雪見障子を付けた

2階の子ども室。将来2世帯で暮らすことも考慮し、一部屋は引き戸で仕切るオープンな造りにして、自由度を高めた
2階の子ども室。将来2世帯で暮らすことも考慮し、一部屋は引き戸で仕切るオープンな造りにして、自由度を高めた

北側の外観。敷地に対して角度をつけて建物を配置したことでできた空間を生かし、緑と石積みが美しいアプローチに
北側の外観。敷地に対して角度をつけて建物を配置したことでできた空間を生かし、緑と石積みが美しいアプローチに



ここがポイント
45度の角度で建物配置

Iさん宅の快適さのカギは、敷地に対する建物配置にある。

敷地は南北に長く、北側に交通量の多い前面道路があり、東側に隣家、南側にはアパートが近接する。設計を手がけた伊良皆盛栄さんは、敷地に対して45度の角度をつけて、建物を配置するプランを提案。4隅に生まれるスペースを利用して、東西南北すべてに緑が見えるよう計画した。

「南東側には建物がなく視線が抜けるため、南東にメインの庭、大きな開口部と土間を設けることで、光と風を取り込みながら開放感も感じられる造りになっています」と伊良皆さん。北西の角に設けた駐車スペースは、道路から斜めに出入りする形になるため、見通しが良く、安全かつ、スムーズに車を出し入れできる。

人がたくさん集える家という要望を踏まえ、住宅への動線も家族と来客、親族の3パターンを想定。利便性も考慮して、「来客は東側の玄関から、家族は駐車スペースを通って勝手口から、そして、親戚や親しい友人は、庭側からも出入りできるように考慮ました」

室内のポイントはやはり、18畳のサンルーム。その先に延びるアマハジ空間は2・7メートルの深いひさしが心地よい日陰をもたらす。「空調の効いたサンルームとアマハジを使い分けることで、いつでも快適に、屋外を感じながらくつろぐ時間を楽しむことができます」

来客時も気兼ねなく過ごせることや将来の介護も見据えて、1階の寝室と水回りはLDKの奥にまとめ、廊下と階段まわりを利用して回遊できる造りにした。

室内はLDKが吹き抜けになったオープンな空間。光熱費を抑えながら快適な室温を保てるよう、屋根、壁、基礎で外断熱し、気密性が高い樹脂サッシを用いて、太陽光発電と蓄電池も導入。年間1次エネルギー消費量がおおむねゼロになるZEH仕様にした。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども4人
敷地面積:422.77平方メートル(127.89坪)
1階床面積:173.17平方メートル(52.38坪)
 ※駐車スペース含む
2階床面積:55.48平方メートル(16.78坪)
建ぺい率:47.12%(許容60%)
容積率:49.97%(許容200%)
用途地域:第1種中高層住居専用地域
躯体構造:木造
設計:(株)琉球住樂一級建築士事務所伊良皆盛栄
施工:(株)琉球住樂
大工:内部・真内装(棟梁・伊佐真二)
   外部・金城工業(棟梁・金城清正)
屋根:(有)八萬瓦工場
電気:(有)山城商工
水道:(有)海西工業
キッチン・洗面台:(株)琉球住樂 嶺井
外構:金勢造園

問い合わせ
 (株)琉球住樂
  電話098・852・6936
  http://10raku.co.jp/


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1848号・2021年6月4日紙面から掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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