築30年3LDKマンションを2LDKに広々リノベ|team DREAM|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

こだわリノベ

2020年6月19日更新

築30年3LDKマンションを2LDKに広々リノベ|team DREAM

[こだわリノベ]|「人が集まり、広々使えるようにしたい」。Kさん(64)自身の退職や娘たちの独立を機に、築30年のマンションをリノベーション。個室を減らし、大きな納戸を設けたことで室内はすっきり。広く使えるLDKには離れて暮らす孫たちが集まる。

ムダなく有効活用
Kさん宅
 全面改修/築30年/マンション/SRC造 


ダイニングキッチンを見る。キッチン後ろの個室、玄関にあった壁も取り払ってLDKを広くした。天井を高く、壁を白に統一することで広がりのある空間を演出。写真左側にある玄関は、鏡やダイニングテーブル左手にあるガラススクリーンを使うことですっきり広く感じられるようにした



リノベーション前
 

 改修前のお悩み 「細切れの部屋で狭く、家事動線も悪い。人が集まり、広く使えるようにしてほしい」


娘・孫も集いやすく
11階建てマンションの中層階にあるKさん宅。Kさんの退職・娘たちの独立を機に、洋室2室、和室1室の3LDKだった間取りを、広々とした2LDKにリノベーションした。「娘たちや親戚に見てもらった時は『名残があるのはテラスだけ』と驚かれた」ほど、内装はもちろん、使い勝手もがらりと変わった。

玄関から入ると、ガラスのスクリーン越しにダイニングが広がる。白のペンキ塗り仕上げの壁はテラスから入る光を反射し、室内を明るく、すっきり広く感じさせてくれる。「以前は部屋が区切られていて光が届かず、物もあふれて室内は暗く、狭かった。今はとても明るくて広々」と夫人(58)もうれしそうに話す。

L字型の壁付けだった台所は、リビングダイニングに向くアイランドキッチンに変えた。「部屋が見渡せるキッチンは司令塔。今では娘たちも立ちたがる。住んでいた頃はそんなことなかったのに」と、Kさんは皮肉交じりに笑う。

キッチン裏側には使わなくなった洋室があったが、細長い納戸に改修した。「部屋全部をきれいに保つのは難しい。大きな収納のおかげで物が隠せて、人が集まる部屋をすっきりさせられる」とKさん。「LDKが広くなったし、家事動線もスムーズになった」と夫人も満足そう。



ダイニングから玄関方向を見る。玄関ホールの壁(下リノベーション前写真)をなくして広さを確保。6人がゆったり座れるダイニングテーブルはリノベを機に新調したもの。オーダーメードの琉球ガラス製ペンダントライトが卓上を照らす。キッチンの調理台はダイニング側にも収納があるものを取り入れた


リノベーション前



洗濯機置き場からキッチン裏側の納戸を見る。写真正面は物干し場で、洗濯時の動線は一直線でスムーズに


リノベーション前の台所は物があふれ、収納棚などで空間が分断されて狭かった


リノベ機に整理も
「夫は退職後、田舎に住むことも考えていたけれど、孫たちが来やすいアクセス性のいい立地は捨てがたかった」と夫人。Kさん夫婦は約30年前に新築でこの部屋を購入。住み続けるには、「部屋が広く使えず、家事もしにくく使い勝手が悪かった」。Kさんは仕事で関わりがあった建築士に全面改修を依頼。「要望は人が集まり、広く使えるようにと話したくらいだった」

共働きで断捨離する暇がなく、たまった荷物の量も問題だった。工事1カ月前から整理をはじめ、今では納戸に収まるほどに。「リノベは物を整理する良いきっかけになった」と夫婦は話す。

工事完了後はマンション住民向けに内覧会を開いた。「工事で迷惑をかけたこともあったけれど、内覧会や日々のあいさつなどを通して、いい関係が保てていると思う」とKさん。「リノベ後は娘たち家族がたびたび訪れ、勝手に“孫会”を開く。元同僚たちが十数人遊びに来ることもある」と、広くなった空間に人が集うのを喜ぶように夫婦はほほ笑えんだ。


Kさん夫婦がリノベを選んだ理由

退職後は田舎でのんびり暮らすことも考えたが、今の家はアクセス性が良く孫たちも来やすいので、リノベしてそのまま住み続けることを決めた。今まで共働きで物を整理する余裕がなかったが、リノベは整理する良いきっかけになった。



リビング。LDKが広がったことで、一番明るい開口部のコーナーにソファが置けるようになった。唯一名残があるテラスではKさんが植栽を手入れしている


Kさん宅リノベのカギ
間取りや色使いをシンプルにすることで広さを確保
手入れ・維持しやすい仕上げや設備も提案


間取り・色シンプルに広く
Kさん宅のリノベを手掛けたチームドリームの具志好規さんは、「家族構成の変化に合わせて、部屋数を少なくして大きく使える間取りに変更した」と話す。「リノベ前は壁クロスの汚れが目立ち、配管は老朽化していた。部屋は細切れで、天井も低く全体が狭く感じられた。そのため、工事は壁や床、天井といった内装を取り払い、躯体だけの状態に戻してから全て作り直した」

LDKの広さを確保するため、デッドスペースを省くことに。キッチン裏側の使わなくなった洋室、壁に囲まれた玄関ホールを取り払い、洗面室などの水回りもコンパクトにまとめた。玄関からの視線は、目隠しフィルムを貼ったガラススクリーンで遮っている。

以前は壁や大きな食器棚などで空間が分断されたキッチンは、対面式にすることで部屋全体が見渡せ、「調理しながら家族とだんらんできるようにした」。キッチン裏側には納戸を新設。家事動線を考えて出入り口を二つ設けたことで、納戸とキッチンを回遊でき、洗面室や寝室との行き来もスムーズになっている。

「10階建て以上の古いマンションに多い」という鉄骨鉄筋コンクリート造は柱や梁が太く、天井は梁を隠すために低くなっていた。「天井を取り払い、梁を見せて天井高さを確保することで空間にゆとりを出した」

壁は手入れや維持のしやすさを考え、クロスではなくペンキ塗り仕上げにした。「剥がれなどの心配がなく、メンテナンスがしやすい」。オール電化にして火災の心配も軽減された。

具志さんは「間取りや色使いなどをシンプルにすることで広く住みやすい空間になる。マンションでもライフステージに合わせたリノベは可能」と話した。




和室。壁はLDKと統一感が出るよう白と淡いグレーのペンキ塗り仕上げに。床の間は収納に変え、大人数が集まった時用の座卓などを収めている


リノベーション前



解体時の様子。天井などの内装材、壁を全て取り壊し、給排水管や電気配線も改修した

もっと知りたい!この記事の「お住まい拝見+」へ

[DATA]
家族構成:夫婦、愛猫
躯体構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
築  年  数:30年
床  面  積:88.02㎡(約27坪)
工  期:約3カ月
設  計:team DREAM 福村俊治・具志好規
施  工:㈲太輪(照屋眞一郎)
電  気:㈲朝電気
水  道:㈲春水工業

[問い合わせ先]
 team DREAM 
 ☎=098 - 943 - 4881

 


撮影/比嘉秀明 取材/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1798号・2020年6月19日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
川本莉菜子

これまでに書いた記事:52

編集者
好奇心が行動源。まち歩きで面白いことを発見した時に興奮し、脇目振らずに追いかけて迷子になること多し。人が住む・暮らす場所にある歴史、知恵、繋がりの面白さを見つけて発信していきたいです。よく県外出身かと聞かれますが、生粋のウチナーンチュです。

TOPへ戻る