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2019年3月1日更新

「筆界」の特定について|すまいのQ&A

住まいや土地に関するトラブルの対処法をQ&A方式で説明する当連載。今回は、土地の境界について土地家屋調査士に説明してもらいます。境界と認識していた場所と公法上の境界とが異なる場合、トラブルが起きやすいそうです。筆界を特定する制度などを紹介します。

住宅の建築や土地の売買などをするため「境界確認」を行いますが、測量をしてみると、境界と認識していたところと公法上の境界(筆界)が異なっている場合があります。隣地との筆界が現況(ブロック塀など)と一致していなかったり、不明だと筆界をめぐってトラブルになる場合があります。

今回は、筆界のトラブルを解決する「筆界特定制度」について説明します。

 

「筆界」や「所有権界」とは

Q.土地の売却を考えています。買い主から境界確認を求められ、測量をしてもらったところ、隣接ブロック塀が境界ではないということでした。どういうことですか?

A.土地の境界には2種類あります。
一般に土地の境界というと、隣接する土地との境をいいますが、この境界には「公法上の境界」と「私法上の境界」の2種類あります。

まず公法上の境界とは、法務局に登記されることによって地番が付され、一筆ごとに区画されている土地の境界のことで、「筆界」といいます。

私法上の境界とは、「所有権界」、「占有界」などといい、所有権等の私権の及ぶ範囲の境界です。

本来、筆界と所有権界は一致するはずですが、隣接する土地の所有者との間で土地の一部を交換したのにも関わらず登記をしていなかったり、ブロック塀を造る際に境界を誤ってしまったなどの場合には、一致しないことになります。

また、所有権界は土地の所有者同士の合意によって変更できますが、筆界は当事者の合意によって変更することはできません。
 

「筆界特定制度」の活用

Q.隣接の土地所有者であるAさんと境界確認を行いましたが、ブロック塀と一致していなかったため、Aさんに認めてもらえませんでした。どうしたらいいですか?

A.「筆界特定制度」の活用をおすすめします。

筆界特定制度とは、土地所有者の申請に基づいて、法務局の筆界特定登記官が、民間の専門家(土地家屋調査士や弁護士など)である筆界調査員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。

土地の筆界をめぐるトラブルは、裁判(境界確定訴訟)による解決方法もありますが、判決までに長い期間かかることや人間関係が悪化するケースもあります。

筆界特定制度を活用することで隣人と裁判することなく、土地の筆界を明らかにすることができ、筆界をめぐる問題の解決やトラブルを防止することができます。

また、筆界特定までの処理期間も、那覇地方法務局では6か月を目標に手続きが進められています。

 

境界標識の設置について

Q.筆界が特定されると、現地に境界標識は設置されますか?

A.筆界が特定されても、境界標識の設置を義務付ける規定はなく、当然に設置されるわけでわありません。

しかし、境界標識はお互いの土地の筆界を明確に示すことができ、将来的にも筆界をめぐるトラブルを防止することができますので、隣接の土地所有者へ理解と協力を求め、永続性のある境界標識を設置することが望ましいです



◆筆界が明らかになっても、所有権界の争いになる場合もあります。その際には、土地家屋調査士会ADR(境界問題相談センター)または、裁判(所有権確認訴訟)で解決を図ることになります。

土地家屋調査士会が運営する境界問題相談センターでは、境界に関わる民事紛争の早期解決のために、土地家屋調査士と弁護士が調停人として当事者間の話し合いのお手伝いをします。

また、調停の合意内容に基づき、境界標識の埋設および登記手続を行うなど、境界に関わる全ての紛争解決を目指しています。
 

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県土地家屋調査士会と沖縄弁護士会では合同で、「おきなわ境界問題相談センター」(那覇市泉崎2-1-4・大建ハーバービューマンション401)を開設し、境界についての相談に無料で応じている。相談は事前に電話予約が必要。相談日は第2・4水曜日の午前10時~午後4時
098-836-6767(電話予約の受け付けは平日の午前9時~午後5時)


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1730・2019年3月1日紙面から掲載

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