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2018年9月21日更新
家族の成長を感じる家事|家族でおそうじ大作戦[6]
ライフステージに合わせてプロも一員に
文・比嘉理絵(暮らしかたらぼ・おうちみがきトレーナー)
まず自分から意識を変えて
「家族でおそうじ大作戦」のコラムも今回で最後となりました。おかげさまで多くの方から反響を頂きました。仕事・家事・育児に追われるお母さん方からは、「掃除や片付けをお願いしても動いてくれない家族に、つい怒ってしまう」、「無理だと分かっていても、ひとりで頑張り過ぎてしまい、いざわが子が家庭を持った時に家事ができるか心配!」という声がありました。お父さん方からは「手伝っているつもりなのに、妻から仕上がりが違うなどと言われ、やってもやらなくても結局は文句を言われる」という苦い話も…。
私も皆さんと同じだったからこそ、家事をひとりで頑張る個人プレーから、家族を巻き込んだチームプレーに変えるために改革を始めたのです。初めに私自身が意識したのは、①役割を明確に伝える②個別に褒める③明るく弱音を吐くという、家族を掃除に巻き込むための3カ条。夫に対して「言わなくても分かるはず」という意識を改め、分かりやすく具体的に掃除の役割分担を伝え、仕上がりにも多少は目をつぶり、任せることを心がけました。また、子どもたちを継続的に掃除に巻き込み、家の事、つまり「家事」を身に付けさせるため、一人一人の年齢や性格に合わせて掃除のレベルを作り、簡単な家事からステップアップしていきました。
寛大な気持ちで継続が大切
家族だけでなく、家事代行やお掃除屋さんなど、プロをチームプレーに巻き込むことも一つの手だと思います。以前、ある70代後半のご夫婦にお会いし、お二人が家庭を持ち始めた頃の話を聞かせていただきました。
共働きで2人目を出産した際、子育てと仕事の両立は難しいと考え、奥さまが「仕事をやめる」と旦那さまに伝えたそう。それに対して、今後子どもが増え、その子たちのやりたいことをやらせてあげるためにも、2人の給料が必要と考えた旦那さまは、「子どもたちが少し大きくなるまでは家政婦さんにお願いしよう」と答えたそうです。
その後、子どもたちは4人になり、ある程度大きくなったら「家族のチームプレーで家事をこなして乗り切ったよ」と、お二人は笑顔で話してくれました。
今までの習慣をすぐに変えることは難しいですが、山あり谷ありも長い目で見て、コツコツと続けていくことが大切かと思います。掃除を通して家族の成長を感じ、笑顔がたくさん増えることを願っています。小さなことから始めてみてくださいね。
<家族でおそうじ大作戦>
vol.6 家族の成長を感じる家事
vol.5 細分化し簡単な家事から
vol.4 任せて褒めて夫も巻き込む
vol.3 ゲーム感覚で楽しくが1番
vol.2 家事に巻き込む3カ条
vol.1 家族で「一緒に」が合言葉
執筆者:比嘉理絵(ひが・りえ)
合同会社暮らしかたらぼ。おうちみがきトレーナーとして同社のおうちみがきマイスターの指導にも当たる。4世代家族の中で、20歳から5歳までの1男3女の母。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1707号・2018年9月21日紙面から掲載