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2018年5月18日更新
家事に巻き込む3カ条|家族でおそうじ大作戦[2]
明確な分担、褒めて、弱音も
文・比嘉理絵(暮らしかたらぼ・おうちみがきトレーナー)
妻と夫で違う家事負担の意識
家族が増えるにつれ、家事の負担と不満が増え、ついに爆発した私。夫に家事参加してもらうことに対して申し訳ないと思う一方で、先に帰宅してテレビを見ている夫に対して「自分だけ疲れていると思わないでよ」と不満が募りイライラ。そんな私の殺気を感じてか、夫が「何か手伝おうか?」と聞いてくる。「あなたは何も手伝ってくれない。いつも私ばかり!」と言い返した私に対して、夫がつぶやいたひとこと。「僕は手伝っているつもりだけどな…」。それはまるで、パンパンに膨らんだ風船に針を刺すかのようでした。その後の展開はご想像にお任せします(笑)。
冷静になって考えると、私と夫の負担の意識がそれぞれ違うのだと気付きました。2009年度に内閣府が行った意識調査によると「夫婦の家事・育児の負担割合」に関して、男女で回答に違いがみられます。例えば、家事・育児の負担割合が「夫0割、妻10割」と回答した男性は5.8%、女性は13.4%=下グラフ。その差は8ポイント以上。つまり、妻は「全て自分が負担している」、夫は「自分は少しは負担している」と思っているのです。
グラフ 夫婦の家事・育児の負担割合
2009年度 内閣府「インターネット等による少子化対策の点検・評価のための利用者意向調査」参照
ダメ出しはNG
意識の違いに問題を感じた私は、やってほしいことを含めて、役割を明確に伝えることにしました。例えば「先に帰ったら洗濯物を取り込んで、畳んで、収めてね」や「私が食事の用意をするから、あなたは子どもをお風呂に入れてね」など、明確かつ具体的に役割を伝えると、家事分担がしやすくなりました。
伝えた役割はもちろん、それ以外にも夫がやってくれたことに対して「ありがとう」と感謝+褒める。やってもらったけれど「そうじゃない」と感じることも。「食器洗ったついでに生ごみも捨ててほしかったなぁ」と思っても、ダメ出しをするのはNGです。
また、自分ができない時は、明るく弱音を吐くこと。「私、体調が良くないから、代わりに子どものお迎えをお願い」など、できない理由を素直に伝えましょう。
そして完成したのが「おそうじ大作戦3カ条」。その1、「役割を明確に伝える」。その2、子どもの年代(もちろん夫も)、性格、性別に合わせて「個別に褒める」。その3、「明るく弱音を吐く」。この三つを意識することで、私も夫も、みんなの意識が変わり、家事参加してもらいやすくなりました。こうして「家族でおそうじ大作戦」が始動! 次回は「子どもの巻き込み方」です。
<家族でおそうじ大作戦>
vol.6 家族の成長を感じる家事
vol.5 細分化し簡単な家事から
vol.4 任せて褒めて夫も巻き込む
vol.3 ゲーム感覚で楽しくが1番
vol.2 家事に巻き込む3カ条
vol.1 家族で「一緒に」が合言葉
執筆者(ひが・りえ)
合同会社暮らしかたらぼ、おうちみがきトレーナーとして同社のおうちみがきマイスターの指導にも当たる。4世代家族の中で、20歳から5歳までの1男3女の母。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1689号・2018年5月18日紙面から掲載