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2024年7月26日更新

【人物紹介】業界団体連携し発展目指す|(一社)沖縄県建築士事務所協会会長の池間守さん[ひと]

6月に(一社)沖縄県建築士事務所協会の会長に就任した(株)エー・アール・ジーの池間守さん(58)。「業界団体と各事務所は車の両輪。それぞれの発展のために、山積する課題を一つ一つ片づけていく」と意気込みを語る。

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安定経営や消費者保護のサポートも



(一社)沖縄県建築士事務所協会
会長 池間 守さん


〈プロフィル〉いけま・まもる/1966年、浦添市出身、一級建築士。95年、(株)エー・アール・ジーに入社。10年、同社代表取締役社長に就任。24年6月、沖縄県建築士事務所協会の会長に就任した。座右の銘は凡事徹底。趣味はスポーツ、社会貢献活動

◆(一社)沖縄県建築士事務所協会 浦添市西原1-4-26 電話=098・879・1311


-協会の役割と活動は

県内の建築士事務所の代表者(開設者)で構成する協会で、事務所業務の適性な運営と健全な発展、建築主の利益の保護を目的としています。

現在180社の正会員がいますが、県内の建築士事務所の約14%しか所属していません。

本協会の会員事務所であれば、消費者から設計および工事監理に関して苦情があった場合、正当な理由なしでは対応を拒むことはできません。一方で非会員事務所にはその応答義務はありません。会員であることは信頼性の証しです。

消費者保護の観点からも、県内の建築士事務所は当協会に所属していただきたいです。

-会長就任の抱負は

私は当協会の理事を5年、副会長を8年、計13年役員として関わり、会員の声を聞いてきました。特に昨今は、建築資材の高騰や人手不足などから、厳しい状況を肌で感じています。

各設計事務所と業界団体は車の両輪で、事務所の発展なくして業界団体の発展はありません。その逆もしかりです。山積する課題を一つ一つ丁寧に解決して、全体を活性化させたい。

その最重要課題として取り組んでいるのが、公共事業工事などの入札で設けられている「最低制限価格」の引き上げです。この最低制限価格は、ダンピング(採算を度外視して安値に設定すること)対策に設けられているのですが、かなり低く設定されており、各事務所は仕事を得るために赤字覚悟で応札せざるを得ないなど、不利益を被っているケースもあります。正当な利益を確保し、各事務所の安定経営につなげるため、最低制限価格の引き上げについて行政に具申していきます。

業務連携への対応策としては、会員同士で人材を融通する「業務支援プラットフォーム」の構築を進めています。人手が足りないときは他の事務所の力を借りられる交流サイトを立ち上げて、会員間での協力体制を整えていきたいです。
 
沖縄県建築士事務所協会の活動内容は同協会のホームページ(https://www.oaa.or.jp/)で確認できる

-人材確保、若手育成も急務

建築業界の将来を考えると、当協会だけでなく県建築士会、日本建築家協会沖縄支部、構造設計者で構成する日本建築構造技術者協会・沖縄地区会、設備設計に携わる事務所で構成する県設備設計事務所協会との連携は欠かせません。各団体と意見交換会を実施し、一丸となって人材確保と若手育成に努めたい。

当協会単独でも県内の小中高校に出向いて職業講話を行うなどキャリア教育活動も進めています=上記。

協会活動を通し、それぞれの会員事務所の発展と、業界の末永い繁栄に貢献できればと考えています。そして、さらなる建築士の社会的地位向上にも力を入れたい。社会から認められ、必要とされる団体を目指します。
 

キャリア教育にも注力
工業高校で出前講座
沖縄県建築士事務所協会は、キャリア教育にも力を入れており、県内の工業高校などで職業講座も行っている。上写真は今年2月に沖縄工業高校で行った「1年生向け職業理解講座」。建築士の仕事や建築の面白さを紹介した。2022年には同校で女子高生と女性技術者の交流会を行った。

また、子どもたちに建築の仕事などを体験してもらう「おきなわ建設フェスタ」にも出展し、模型作り教室などを実施している。池間会長は「業界の将来を考えると、若年層の育成は必須。今後も積極的に取り組んでいく」と力を込めた。

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2012号・2024年07月26日紙面から掲載

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