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2023年6月16日更新

施設選びのポイント(3)|看取りを考えたら?[介護を支える 住まいの工夫㉓]

種類が多く、違いも分かりにくい高齢者施設。前回に続き、介護支援専門員の新城和三さんが、要介護者の状態に合わせた施設選びのポイントについて、アドバイスする。3回目は「看取(みと)りを考えたときの施設選びについて」。

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介護を支える住まいの工夫 ㉓

施設選びのポイント(3)
看取りを考えたら?

人生の最期は病院で迎えることが一般的だったが、「近年は、看取りを提供する施設の種類が多様化している」と新城さん。終末期を過ごす人の身体的、精神的な苦痛を緩和しながら寄り添う「看取り」や、医療的なケアを伴う「ターミナルケア」は、高齢者施設においては、国が定める条件を満たしていることが必要となっている。

看取りに対応している主な施設には、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、グループホームなどがある。民間の有料老人ホームなどでも、訪問医療・看護と連携して看取りに対応している施設がある。いずれも医師の指示のもと、適切なケアを提供しながら、その人が自分らしく尊厳を保ち、安心して過ごせるよう、日常生活をサポートする。

また、要介護高齢者の長期療養・生活のための新しい介護保険施設として2018年に新設された「介護医療院」は、日常生活で必要な医療処置や介護に、充実した看取りを実施する体制が整えられているのが特徴。超高齢化社会を迎える2025年に向け、慢性期の医療ニーズに対応する新たな選択肢として期待が寄せられている。しかし、「県内には5カ所しかなく、周知も進んでいない」と指摘する新城さん。「自分らしい最期を迎えるために、どのような医療、介護やケアを受けたいか、それによって、過ごす場所を変える必要が出てくる場合もある。胃ろう造設や人工呼吸器など、望む医療、望まない医療を含めて、終末のあり方を前もって考え、本人、家族、医療や介護のチームで話し合う『人生会議』を繰り返し持ち、共有しておこう」と話す。


在宅医療で看取り増加

昨今は訪問診療医や訪問看護ステーションの増加に伴い、「在宅医療看護のサポートを受けながら、住み慣れた家で最期まで過ごす人が増えてきている」と話す新城さん。「自宅での看取りは心理的な安定や支えにつながり、家族の絆も強まる。まずは在宅でできないか検討してみて。家族の介護負担が大きいなどの場合は無理せず、ケアマネジャーや病院の相談員などにも相談しながら、施設選びをした方がいい。気持ちや状況に変化があったときも柔軟に対応することが大切」と話した。


 

「看取り」で選ぶ いろいろな高齢者施設

看取りを考えた場合の施設選びは、担当のケアマネジャーや病院の相談員に相談を。入居できる施設は、以下の他にもある。



寝たきりや認知症などにより日常的な介護が必要で、在宅介護が困難な高齢者が利用する施設。食事や入浴など日常生活の介護や健康管理が受けられる。介護スタッフが多いことが特徴。医療的ケアの内容や頻度が多い場合は入居できない可能性がある。看取りも可能で、他施設と比べて比較的低額。待機者が多い。



長期にわたり介護と医療が必要な人を対象とした、介護保険サービスで利用できる公共施設。日常的な医学管理やターミナルケア・看取りの機能を持ち、利用者の生活を支える。来年、廃止が予定されている「介護療養型医療施設」の転換先。県内には5カ所(浦添市、那覇市、今帰仁村、糸満市、嘉手納町)あり、全体でも294床(令和4年4月1日現在)とまだ少ない。



介護が必要な人を対象に在宅復帰を目指し、機能維持に重点を置いた、介護保険が適用される公的な施設。介護士のほか、医師、看護師、理学療法士や作業療法士など医療スタッフが多く、日常生活の介護サービスに加え、医学的な管理のもと、リハビリや医療ケア、看取りケアも提供される。



主に民間事業者が経営。医療機関や訪問看護事業所、ヘルパー事業所などと連携し、施設外の医療サービス、訪問診療、訪問看護、訪問介護などを受け入れサポートしてもらいながら看取りケアも提供される。



新城和三さん|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]
あらしろ・かずみ/(一社)沖縄県介護支援専門員協会副会長。(同)Off-JTおきなわ代表社員。介護福祉士・社会福祉士、主任介護支援専門員


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1954号・2023年6月16日紙面から掲載

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