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2023年5月19日更新

施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]

高齢者施設は種類が多く、違いも分かりにくい。前回に続き、介護支援専門員の新城和三さんが、要介護者の状態に合わせた施設選びのポイントについてアドバイスする。今回は「医療ケアが必要な人の施設選びについて」。

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介護を支える住まいの工夫 ㉒

施設選びのポイント(2)
医療ケアが必要なら?

自宅での生活が困難になるほど医療が必要な状態になると、医療を受けられる施設で療養することが考えられる。高齢者によくある医療ケアとして挙げられるのが「喀痰吸引(かくたんきゅういん)」と「経管栄養(けいかんえいよう)」だ。

喀痰吸引とは、たんが詰まって窒息することを防ぐために、専用の吸引器でたんを排出すること。経管栄養とは、口から食事を取ることが難しくなった人に、胃や腸、鼻からつなげた管を使い、直接栄養を注入する方法。いずれも医療行為であり、医師や看護師の他、特別な研修を受けた介護職員でないと行うことができない。

つまり、これらの医療ケアが必要な場合、その施設に対応できる人がいて、必要なときに対応してもらえるかが問題となる。新城さんは「資格のある人が夜間は不在であるとか、いたとしてもこれ以上は受け入れできないと断られるなど、ケアそのものより頻度で難しくなることが多い」と話す。

「介護医療院」は、医療ニーズの高い要介護者の長期療養と生活支援を目的とする施設だ。医師の配置が義務付けられており、看護師も24時間配置。医療ケアと介護(日常生活上の世話)が受けられる。2018年4月に新設されたもので、2024年3月末に廃止が予定されている「介護療養型医療施設」の転換先となっている。「創設されて日が浅いのと、県内には少ないため、周知が進んでいない」と新城さんは指摘する。

入院先の相談員に相談
在宅介護と併せて検討


もし、要介護者が入院中で、退院後も医療ケアが必要と分かったなら、「まずは入院先の相談員と、施設と併せて在宅介護の方向性も検討してほしい」と話す。

病気の症状が急に現れた時期に治療を受ける急性期病院は、長期入院が難しいこともあり、「豊富な施設情報を持っている。病院の相談員に聞けば、いろいろな情報が得られるはず」と新城さん。また、家族の誰かが離職したり、介護の負担を一人で抱えたりせず、「さまざまなサポートを受けながら、住み慣れた家、地域で在宅介護することも可能となっている」と助言。ケアマネジャーやソーシャルワーカーなどに相談してほしいと呼び掛けた。




「医療ケア」で選ぶ いろいろな高齢者施設|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]

医療ケアが必要な人のための施設選びは、病院の相談員か担当のケアマネジャーと相談を。入居できる施設は、以下で紹介した施設以外にもある。


介護医療院|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]
長期にわたり療養が必要な人を対象とする施設。医療と介護が一体的に受けられる。来年、廃止が予定されている「介護療養型医療施設」の転換先。介護保険サービスで利用できる公共施設で民間施設より比較的低額でⅠ型とⅡ型がある。Ⅰ型の方が、Ⅱ型に比べてより重度の疾患がある要介護者のための施設となっており、人員配置も手厚くなっている。県内には5カ所(浦添市、那覇市、今帰仁村、糸満氏、嘉手納町)あり、全体でも294床(令和4年4月1日現在)とまだ少ない。


住宅型有料老人ホーム|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]
主に民間事業者が経営。医療機関や訪問看護事業所、ヘルパー事業所などと連携しており、施設外の医療サービス、訪問診療、訪問看護、訪問介護などを受け入れ、サポートしてもらいながら生活することができる。


介護老人保健施設(老健)|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]
介護が必要な人を対象に、在宅復帰を目指し、機能訓練に重点を置いた、介護保険が適用される公的な施設。介護士のほか、医師、看護師、理学療法士や作業療法士などがいて、日常生活の介護サービスに加え、医学的な管理のもとで、リハビリや医療ケアも受けられる。



新城和三さん|施設選びのポイント(2)[介護を支える 住まいの工夫㉒]
あらしろ・かずみ/(一社)沖縄県介護支援専門員協会副会長。(同)Off-JTおきなわ代表社員。介護福祉士・社会福祉士、主任介護支援専門員


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1950号・2023年5月19日紙面から掲載

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