企業・ひとの取り組み
2023年5月26日更新
食べて遊んで成長する家|神谷繭美さん/オーガニック給食のソテリアフリースクール代表、ヴィーガン活動家
ことし4月、八重瀬町の民家で「オーガニック給食のソテリアフリースクール」を開校した神谷繭美(まゆみ)さん(48)。さまざまな体験と食の大切さを伝えながら、子どもたちが安心して過ごせる居場所にしたいと語ります。
食べて遊んで成長する家
かみや・まゆみ/1975年生まれ、東京都出身。飲食店経営など28年前から料理の分野に携わる。4男1女の母。およそ15年前、家族で沖縄に移住。育児から食の大切さや環境問題、ヴィーガンに関心を深め、ヴィーガン専門卸業を開業。子どもの不登校をきっかけに教育や格差、食育などにも着目。2023年、八重瀬町にフリースクールを開校■明るく開放的で、一戸建てならではのぬくもりを感じるフリースクールですね。
(美恵)ありがとうございます。近年のドライフラワーは色や種類も豊富で、店内を見て驚かれる人も多いですよ。自宅用はもちろん、ウエディングブーケや贈り物などにも人気があります。
2020年に独立し、21年にお店を開いて拠点ができたことで、夫や友人の作品も展示できるし、ワークショップの開催や新規事業の計画などワクワクすることがたくさん起きるので楽しいです。
■神谷さんがフリースクールを開校した理由は?
私の子は5人のうち4人が不登校を経験しました。下の子は沖縄市のフリースクールに通っています。保護者の奉仕活動として週1回、オーガニック給食を手作りしていますが、食の大切さを伝えることに大きなやりがいと使命を感じてきました。
県内には、学校に通えない子がたくさんいます。学校と家庭だけでない、第三の居場所の必要性が高まる中、その居場所を作り、心と体を豊かに育む食を提供していきたいと考えました。
■子どもたちの様子は?
いろいろな子がいて、外の広場でサッカーをしたり走り回っている子、和室でくつろぐ子、ピアノなどの楽器を楽しむ子、個室で休んでいる子もいます。それぞれの気持ちを尊重することを大事にしているので、無理に同じ勉強をさせたり、一緒に過ごすことを強要していません。
給食は提携農家の無農薬野菜を使って手作りしています。その農家さんのご厚意で、今後は農作業や収穫体験もできそうです。その他にも教育関係者からアドバイスを受けながら運営しています。
リノベされた民家でスクール
オーナーがリノベーションをして一棟貸しを始めた民家で、週2回のフリースクールと週1回のカフェを開いている。「広いので、子どもたちも過ごしやすいみたい」と神谷さん。
■今後の目標は?
子どもたちには、それぞれのペースでそれぞれの居場所をつくってほしい。そのために動いていきたい。
そして食の大切さ、沖縄の野菜の素晴らしさも広く伝えていきたい。金曜日は、ここで「おきなわ薬草薬膳カフェ」も開いているんです。老若男女、誰でもみんながホッとできる空間を提供していけたらと思っています。
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ホッと空間
キッチン&ダイニング
キッチン&ダイニング
「みんなのことを考えながら料理をしているキッチンと、その料理をおいしいと食べてくれるダイニングが好き」と笑顔で話す神谷さん。昼は、無農薬野菜を使った神谷さんの手作りのオーガニック給食を皿に自分で盛り付けていただく。
プライベートはこんな顔
食に携わり28年。動物性食品を取らないライフスタイルを送るヴィーガン料理家として、メニューの考案をしたり、オーガニック給食コーディネーターや沖縄薬草と世界のスパイスマイスター、(一社)日本ヴィーガン協会沖縄エリア相談役などを務めており、フリースクールではオーガニック給食を手作りしています。
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第1951号・2023年5月26日紙面から掲載