企業・ひとの取り組み
2016年12月30日更新
住まいがつなぐ縁 人と人との『イイ関係』
建築や不動産業など、住まいに関するプロ6人。それぞれの立場で、人と人とを『イイ関係』でつなぐため、心掛けていること、大切にしていることなどを聞きました。
株式会社浜里不動産 代表取締役 浜里 文章(はまざと ふみあき)さん
1986年、宜野湾市生まれ。琉球大学で経営学を専攻し、卒業後、県内の旅行会社に勤務。2012年に父・毅氏が経営する(株)浜里不動産に入社。賃貸部門を中心に営業担当を務めた。16年6月、毅氏の後を継ぎ代表取締役に就任。
30年間培った信頼をより深く
社長に就任して半年余。父が会社を立ち上げたのが私の生まれた年 と同じ1986年。30周年の節目を迎え、父が定年し、会社を受け継ぎ身の引き締まる思いです。当社は宜野湾市の本店と西原店があり、アパートやビルの賃貸、管理、土地建物の売買、仲介が主な業務。管理物件では創業以来、お付き合いが続く家主の方が多く、お客さまからの要望や情報を踏まえた家主さんへの提案も大切です。具体的には空き室対策として、周辺環境に応じた短期的な貸し出しも含め、家主さんや入居者のプラスになるようなものにしたいと考えています。そのためにも、2017年、18年はファイナンシャルプランナーや建築士の資格取得にもチャレンジします。
創業から30年間、会長である父や社員が築き上げた「浜里不動産」の看板に負けず、より信頼を深めていけるよう笑顔を心掛けながら社員と手を取り合って頑張っていきます。
有限会社ラムハウジング 2級建築士 川上 晃奈(かわかみ あきな)さん
1983年、読谷村生まれ。県内の専門学校のオフィスビジネス科を卒業後、服飾関係の会社に就職。2007年から父・優さんが経営する(有)ラムハウジングに勤務。2級建築士や施工管理技士、福祉住環境コーディネーターの資格を取得。1男1女の母。
「十人十色」の要望に全力かけて
最近、お客さまの関心が高いのは「健康に暮らせる住まい」と木造住宅 です。私たちが提案しているのが、自然素材を使った「空気がうまい家『ゆがふ家』」と、高齢者や障がい者の方に向けた「ケアリフォーム」。ゆがふ家は、木の特性を最大限に生かした音響熟成木材、空気を清浄化する「幻の漆喰」、竹炭が入った「清活畳」を使い、2017年1月には家の骨格部分も含めたすべてにこれらの素材を使った戸建て住宅が完成予定です。これまでリフォーム中心でしたが、戸建てのように新たな提案をしながら多くの方とつながりを広げることが新年の目標です。
ケアリフォームでは排せつ行為の改善、快適さに重点を置き、自分の持てる力を生かせるよう、お客さまと一緒に考える姿勢を大切にしています。住まいに関する要望は多種多様で「十人十色」。それに応えるため、仕事を通じて広がった多くの出会いと縁に感謝し、全力をかけて取り組みます。
株式会社朝日ホーム21 代表取締役 前川 朝計(まえかわ ちょうけい)さん
1958年浦添市生まれ。県内の高校を卒業後、本土で不動産関係の企業に就職。1992年に帰沖。建設業等の営業を経て2006年、浦添市安波茶に朝日ホーム21を起業。総合建設業および不動産業として、提案型の自由設計の住宅建築を進める。友人らとロックバンドを結成し、ベースを担当する。
HAPPYな笑顔を目指して
お客さまの笑顔を見たいという思いを常に持ち、「ありがとう」の言 葉を励みに仕事をしています。そのために大切にしていることは、契約前の入念な打ち合わせ。自分の家を建てたいと願うお客さまにとって、どうしても夢はふくらむもの。ただ、予算のこともあるので、資金計画をきちんとして、適正価格を提示します。そこで互いに納得した上で着工しないと、その後のトラブルにもつながりかねません。金銭面での合意がお客さまとの信頼関係の重要な第一歩ともいえます。
営業や建築現場で働くスタッフもお客さまとのコミュニケーションを密にしており、家が完成するとまるで自分のファミリーが増えたように思えるほどです。当社のキャッチフレーズでもある「お客さまの良きパートナー HAPPY HOUSE」のように、すべての人がハッピーな笑顔になれることを常に願い、その実現を目指します。
シンケンハウス株式会社 代表取締役社長 新里 紹太(しんざと しょうた)さん
1979年、具志川市(現うるま市)生まれ。2004年、鉄骨造を専門に手掛ける新里総業(株)入社。営業、アフターサービス班を経て、11年に代表取締役社長に就任。同時に社名を現在のシンケンハウス(株)に変更する。座右の銘は「敬天愛人(天を敬い、人を愛する)」。
誇り持ち 長く住み続ける家に
鉄骨造の可能性を追求するハウスメーカーとして、父・紹栄が興した 会社を引き継ぎ、5年が過ぎました。大切にしていることは、長くて暑い沖縄の夏を涼しく過ごせるという快適さと、子や孫まで住み続けることができる誇りの持てる家造り。住み続けるためには、家族構成の変化によって間仕切りを増減できるといった鉄骨造ならではの特徴が生きてくると思います。建物は「物」ですが、人が住み、コミュニケーションを深めてつながることによって「血が通う」住まいに変わります。それは私が幼いころから感じてきた、家族みんながほっとできる家。将来的にはそんな家が集まったスマートタウンのような街を作りたいという夢もあります。
いつも心にあるのは苦しい時、友人や知人を紹介して支えてくれたお客さまとの縁。いい住まいに長く住みたいというお客さまの要望に応えられるよう、人材育成を進めながら、家造りをしていきます。
有限会社武一建設 2級建築士/ステンドグラス制作 末松 渚(すえまつなぎさ)さん
1977年、うるま市石川生まれ。同志社大学卒業後、大阪でジュエリー関連の仕事に従事。大阪工業技術専門学校卒業後、帰沖。2004年、武一建設に入社。設計部を立ち上げる。自然素材にこだわり、無垢の床材やスペイン直輸入の漆喰を使用した、住む人にやさしい家づくりを提案。
施主の立場で住まいづくり
曲線を生かし自然素材にこだわった、住む人にやさしい空間を提案し
ています。住まいづくりで大切にしているのは、お施主さんの気持ち、立場になって考えること。例えば、施工が進んでイメージがカタチになってきた際、「ここに○○をプラスしたら、もっと使いやすくなりそう!」と感じたら、さらにひと手間加えることもあるんです。そうした変更に、社長も職人さんも柔軟に対応してくれる。駆け引きなしに「お施主さんの喜ぶ顔がみたいから」なんですよね。建築士として一緒に設計や現場を見てくれる弟も、心強い存在です。また、色一つ決めるにしても、お施主さんには本当に求める物を納得して選んでほしいから、相手がたくさん話したくなるような、聞き出し上手な存在でいられるようにも心掛けています。今、家具作りや感性を磨くのに役立ちそうなワンストロークペイントを勉強中。私たちだからこその空間づくりを目指し、進化し続けていきたいです。
株式会社大知建設 代表取締役 宮城 裕一(みやぎ ひろかず)さん
1974年、宜野湾市生まれ。高校で設備工業を学び、卒業後、不動産や建設関連の企業で営業として勤務。2011年に(株)大知建設を創業し、総合建設業を中心に事業展開。野球チーム「大知建設」は職域野球大会に出場している。
周囲の支えに感謝を込め家造り
日ごろ、心掛けているのは「社員との共通認識の共有」です。そのために、 「なぜ失敗したのか」「なぜ成功したのか」を社内で共有するように徹底しています。私たちが提案するのは、快適に過ごせる遮熱材を使った住まいや、予算を最大限に生かしたコンパクトな家造り。お客さまに喜んでいただくため、営業、設計、コーディネーターらスタッフはお客さまと接しながら信頼関係を築き、共に楽しみながら家造りのお手伝いに取り組んでいます。
最も大切にしていることは人とのつながり。お客さまや協力会社といい関係を結び、楽しく家を造っています。中でも生まれ育った宜野湾市の地元の方々には、いろいろな方との縁を導いていただいたり、人材確保の面などで協力してもらっています。活動している野球チームも多くの縁を生んでいます。人と人がつながることで情報の幅が広がり、楽しさも増します。周りの支えに感謝の気持ちを込め、家造りのお手伝いをしていきたいです。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号 第二集 第1617号・2016年12月30日紙面から掲載