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2022年7月1日更新

沖縄|【ひと】「人材」は「人財」|総合資格学院沖縄校|資格指導課課長|高橋 彰 さん

2021年度の1級建築士試験において、沖縄県の合格者占有率トップを誇る総合資格学院沖縄校。資格指導課課長の高橋彰さん(57)は、「コロナ禍で疲弊する業界のために、新たな企画で一助となりたい」と力を込める。

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企業の有資格者増進を支援



高橋 彰さん
総合資格学院沖縄校|資格指導課課長


-資格指導課の業務とは?
建築業界の企業と学生をつなぐはしご役で、基軸は企業の有資格者増進や人材育成。

どの業界も人手不足が課題で人材確保に目が行きがちですが、社員一人一人が仕事をつくりこなせるような、個人のスキルアップも大事です。建築士や施工管理技士などの資格取得は個々に任せる昔ながらの企業体質から、「人材」は「人財」と捉え、社内の人材育成に取り組む企業も近年増えてきました。

しかし、担当者の負担が増え、新たな取り組みが表面的な内容になっているところも少なくありません。私たちは企業と連携して支援に入り、担当者の業務軽減と、計画的で確実な有資格者増進を行っています。


-沖縄の現状について

企業内の有資格者の年齢層が高く、あと5~10年で管理建築士や管理技術者が不足する状況になると危惧しています。

建築士法や施工管理法の改定により、全国的に若年層受験者は増えていますが、学習や挑戦のために時間を確保するなど、職場環境を整えることは大切です。有資格者増進業務では、各企業の社風を取り入れ、提案していきたいと考えています。

-心掛けていることは?

「ゆいまーる」の精神を大切にしています。沖縄の「ゆいまーる」はいろいろな意味で知恵や力が増幅していく、とても大事な考え方だと感じています。

今年1月、3年ぶりに沖縄へ戻りましたが、コロナ禍で打撃を受け、閑散とした様子に心が痛みました。建設業は数年先までプロジェクトが進んでおり、今は大きな痛手を受けている様子はないものの、長い自粛に皆が疲れているように思えます。

全てにおいて二の足を踏む現状ですが、ワークスタイルの見直しや、本当に必要で大事なものの再確認を経て、新たな企画を生み、実行していけるのが沖縄の底力。私たちも、新たなウチナーの企画、イベントを建設業界の皆で作り、沖縄の発展の一助になりたいと考えています。


-今後の目標は?

「縁の下の力持ち」で1番を目指す。建設業界の未来を担う若者を応援し、築き上げてきたネットワークを生かして建設業界の発展に貢献していきたい。

また個人的には、沖縄の風土に合わない建造物が増えていることに疑問や不安を感じていて、昔からのものを大事にする沖縄の良さが失われてほしくないと思います。沖縄の古民家再生をテーマに現場見学を行うなど、生徒の記憶に残るようなこともやっていきたいです。


1級建築士合格率で7年連続県内トップとなり、喜ぶ同校スタッフ。前列右が高橋さん

琉球大学の建築研究紹介
自社媒体で全国に発信

7月8日に発行予定の「Architekton okinawa」


琉球大学工学部工学科建築学コースの研究室や研究内容、メンバーを日本全国に発信しようと、総合資格学院から「Architekton okinawa(アルキテクトンオキナワ)」=上画像=が、7月8日に発行される。

同冊子は、琉球大学および他大学の学生へ情報共有される他、高校生へも配布が予定されている。高橋さんは、「沖縄の建築設計は、歴史、文化、気候を背景に、生活の理にかなった工夫が施されており、本土に比べて異なる部分が多く、本土では学べないことも多い。全国の建築学生にぜひ見てもらいたい」と胸を張る。

今後は、沖縄の専門学校や工業高校も企画していきたいと意欲を見せる高橋さん。冊子は総合資格学院沖縄校で入手可能。問い合わせは同校まで。(電話=098・866・8311)。

〈プロフィル〉たかはし・あきら/1965年、北海道出身。2002年、(株)総合資格に入社。14年、総合資格学院沖縄校の立ち上げに携わる。企業の人材と有資格者増進業務を基軸に、技術系大学、専門、高校の学生へ就職セミナー開催。企業と学校のはしご役に従事。趣味はサーフィン。好きな食べ物は沖縄そば。
◆総合資格学院沖縄校 那覇市久茂地1-3-1-6F  電話098・866・8311



第1904号・2022年7月1日紙面から掲載
取材/赤嶺初美(ライター)

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