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2022年6月3日更新

沖縄|【ひと】相続診断士の連携に注力 |崎原 敏子さん|沖縄県相続診断士会 会長

崎原敏子さん(64)は、不動産業に携わり20年。2020年には沖縄県相続診断士会の会長に就任し、県内の相続診断士の連携や周知に力を注ぐ。「相続問題のより良い解決のためには、専門家との連携が大切」と力を込める。

沖縄特有の事情に精通



崎原 敏子 さん
沖縄県相続診断士会 会長


-相続診断士とは?
相続の基本的な知識を身につけ、お客さまの相続について問題点がないかを診断できる資格。相続を円滑に進めるためのサポートを行います。(一社)相続診断協会が認定しており、全国に4万4千人の会員がいます(4月末現在)。

私は長年、北谷町で不動産業を営んできましたが、相続問題には必ずと言っていいほど不動産の問題が絡んでおり、相談を受けることが多かったんです。より良いアドバイスで支援できるようになりたいと、相続診断士の資格を取得し、相続専門の事務所も開設しました。

全国的に相続問題で裁判になる事例が増えていることもあり、争いが起きる前に相続について気軽に相談できる相続診断士の必要性がますます高まっているように感じます。


-沖縄の相続問題の特徴は?
沖縄にはトートーメーの継承など、地域に根差した習慣やしきたりがあり、県外の情報をうのみにすると失敗することがあります。遺産は多いからもめるのではありません。相続税と関係ない遺産分割でも争い事となり、悲しい事件にまで発展することもあります。

相談にくる人には「親から子へ最後のラブレター」のつもりで、エンディングノートや遺言を作成するよう推奨しています。家族一人一人に、少しずつ思いを言葉にして残しておく。それが円滑な相続への一歩となるのです。

-県相続診断士会について

2016年、沖縄の相続診断士が集い、情報交換や勉強会などによる自己研さんを目的に発足しました。相続診断協会からは独立した形で自主運営をしており、メンバーは約50人。毎月の定例会などを開いています。

沖縄には、約500人の相続診断士がいるとされますが、個人情報保護の関係から、誰が資格を持っているのか把握するのが難しく、会員同士の連携が取りづらいという課題があります。2年前、同会会長に就任しましたが、まずは、県内の相続診断士の連携と周知に力を注ぎたいと思っています。

-今後の目標は?

沖縄で相続問題に悩む人たちと相続診断士をつなげ、解決を支援できる体制を強化したい。

相続は法律、税金、不動産、保険など多くの分野が関係します。私の事務所では弁護士や税理士、司法書士、行政書士など各専門家と連携をとり、問題解決に向けたコーディネートをしているのが強みです。連携の力で、各地域に活躍する相続診断士が増えたらと願っています。

県相続診断士会のメンバー。崎原さん(前列左から4人目)は「仲間が励み」と語る

毎月の勉強会で研さん
法改正や具体例から学ぶ
定例会の様子。4月は税理士・社労士から税制改正について学んだ

沖縄県相続診断士会では、毎月定例会を開き、専門家を招いた講習会や情報交換を行って積極的に学び合い、相続診断士の研さんを積んでいる。

4月は税理士・社労士を招き「令和4年度税制改正」について勉強会を行った=写真。住宅ローン控除制度や贈与税の非課税措置の見直しなど、改正の背景や具体例を示した解説が「分かりやすい」と好評だった。

同会会長の崎原さんは「法改正などがあれば専門家を講師に招いた勉強会を開いているので、適時、知識のブラッシュアップができる」と語る。

6月の定例会では司法書士を講師に招いた「自筆証書遺言書保管制度」の勉強会を開催する予定。「相続診断士として知っておくべき制度の概要、メリット、デメリットを再確認できる」として参加を呼びかける。


〈プロフィル〉さきはら・としこ/1957年、嘉手納町出身。86年、宅地建物取引主任者資格取得、2002年「不動産崎原」開業。12年「(同)不動産崎原」設立、代表就任。16年「相続診断士」資格取得。20年「沖縄県相続診断士会」会長就任。21年「相続サポートくくる沖縄」設立、代表就任。
◆沖縄県相続診断士会 北谷町字吉原978  電話090・7980・9199


第1900号・2022年6月3日紙面から掲載
取材/赤嶺初美(ライター)

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