企業・ひとの取り組み
2022年3月18日更新
沖縄|【ひと】大学生には分かりやすい言葉で|松代 貴志さん|(一社)日本損害保険協会 沖縄支部 事務局長
(一社)日本損害保険協会沖縄支部の事務局長を務める松代貴志さん(53)。損害保険の普及啓発などをしながら、本紙でも「知っていますか? 住まいの保険」を執筆してきた。「沖縄の方々の経済的な備えに対する意識を高めていきたい」と話す。
保険で経済的な備え啓発
松代 貴志 さん
(一社)日本損害保険協会
沖縄支部 事務局長
-事業内容は?
火災保険や地震保険、自動車保険といった損害保険の普及啓発をはじめ、契約者からの相談対応、防災・減災の促進などさまざま。中でも、沖縄支部では交通安全意識の啓発に力を入れています。
沖縄は車社会でありながら、任意の自動車保険・自動車共済の加入率は78・5%と全国最下位。飲酒絡みの交通人身事故や死亡事故の割合もワーストです。自分だけでなく、相手への補償という面でも大切な保険や、飲酒運転の根絶などをポスターなどで呼び掛けています=下写真。
-心掛けていることは?
分かりやすい言葉で伝えること。保険には堅苦しい言葉がたくさんあります。琉球大学で担当している講義などでは、少しでも記憶に残るように、難しい言葉を言い換えたり、説明を加えたりします。
だから生徒から「自動車保険のことを知ることができてよかった」などと反応があった時はうれしいですね。
タイムス住宅新聞で「保険金が使えると言って勧誘する修理業者とのトラブル」を紹介した時には、「同じ状況だったがコラムを読んで助かった」という読者の声も届き、役に立てたと実感しました。
-今後の目標は?
保険の大切さを地道に訴え続けていきたい。沖縄は台風対策はできている人が多い一方、地震保険の付帯率は58・4%で全国で下から2番目など、経済的な備えへの意識を高めていく必要があります。
いろいろなリスクと、それに対する保険があることを知っておくことは大切です。少しでも意識を変えていけたらいいですね。
交通安全ポスターを作成
交差点事故に注意促す
交通事故多発交差点のポスター
日本損害保険協会沖縄支部では、飲酒運転の根絶や交通安全などを目的に、県警察と協力してポスターやチラシを毎年作成し、配布している。
例えば、交差点での事故に注意を促すものとして、県内で交通事故件数の多い交差点ワースト5をまとめてポスター化。古島インター、砂辺南、北谷、上之屋、泊ふ頭入口の五つの交差点について、各警察署を訪問して聞き取った事故状況や、それを分かりやすく説明するイラスト、予防策なども掲載している。
松代さんは「普段の運転中はもちろんですが、これらの交差点を通るときなどはより慎重になって運転してほしい」と呼びかけた。
〈プロフィル〉まつしろ・たかし/1969年、埼玉県出身。91年、立教大学法学部を卒業し、(一社)日本損害保険協会に入社。東京本部で勤務した後、2015年11月から北関東支部。17年からは沖縄支部の事務局長を務める。琉球大学客員教授。趣味は沖縄で始めたゴルフ。◆(一社)日本損害保険協会沖縄支部 那覇市久米2-2-20 大同火災久米ビル9階 電話098・862・8363
第1889号・2022年3月17日紙面から掲載