企業・ひとの取り組み
2020年9月4日更新
【ひと】「木造」なら何でも作る|新垣太志さん ㈱新垣工務店 代表取締役
設計から施工まで、木造住宅やリフォームなどを手がける(株)新垣工務店。家具や建具も自社で請け負う。自身も大工として現場に立つ、新垣太志代表取締役(40)は「木で作れるものは何でもつくり、お客さんに喜んでもらいたい」と話す。
住宅から家具・建具まで
-会社設立の経緯は?
もともと大工になりたかったのですが、同級生の紹介で入った会社が家具・建具屋さんでした。そのまま家具作りを学んだあと、内装業の会社で修行し、独立。
鉄筋コンクリート造の内装の仕事が主だったのですが、初めて木造の現場に手伝いとして入ったとき、躯体から組み上げていくのがとても楽しく、苦労して建てた骨組みの上から見る景色も最高でした。それから、木造にどハマりしました。
県内でも木造が増え、いくつも木造の現場をこなす中で、「自分ならこうしたい」という考えも出てきました。建築士の資格も取得し、設計から施工まで手がける工務店を設立しました。
-心掛けていることは?
何よりもお客さんに喜んでもらうこと。グレードの高い断熱材や、無垢(むく)材・しっくいなどの自然素材の内装材で、木造の心地よさを感じてもらえるようにしています。
プランナーと作り手が同じなのも、「施主の思いが職人に直接伝わる」と喜ばれます。何度も顔を合わせて話し合ったおかげで、引き渡した後も関係が続き、台風前に雨戸を点検しに行ったりもします。
また、木で作れるものなら何でも作るので、家具や建具をオリジナルのデザインで作ったり、余った木材で棚などを追加するのも好評です。
-今後の目標は?
狭小住宅に興味があります。限られた空間の中でできることを数パターン作り、パッケージ化された安価なものを作りたい。そして他の会社とは違う、うちならではの特色を出していきたいです。
木造小屋を実験中
10平方メートル以下の「モノオ木」
(株)新垣工務店では、駐車場1台分程度のスペースに置ける、木造の小屋「モノオ木」を実証実験している。躯体や外壁、内装だけでなく、屋根の表面まで木材をふんだんに使っているのが特徴。物置として使えるのはもちろん、住宅並みの断熱性能があるため、店舗や、住宅の離れ、趣味小屋などとしても使える。タイヤを付ければ移動することも可能だ。
現在、実験しているのは4畳タイプ=写真。新垣さんは「10平方メートル(約6畳)以下なら確認申請も不要なので、庭などにも置きやすい。仕事の方法がテレワークになった際などにも活用できる」と話す。詳しくは同社(電話=098-945-5747)。
「モノオ木」の試作品
あらかき・たいし/1980年、与那原町生まれ。家具・建具店や内装業の会社を経て、2010年に内装会社「新建装」を設立。17年、(株)新垣工務店を設立し、代表取締役に。二級建築士、一級建築大工技能士。趣味はサーフィン、オートバイ。
◆(株)新垣工務店 与那原町与那原571-2 電話=098-945-5747
取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1809号・2020年9月4日紙面から掲載
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- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。