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2025年11月7日更新

事故が頻発「リチウムイオン電池」 取り扱いや捨て方の注意点は アウトドアグッズにも多用|アウトドア×減災㉛

那覇市にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害による被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回はアウトドアグッズでもよく使用されている「リチウムイオン電池」の火災事故について。最近、同電池による火災が頻発していることから11月は「リチウムイオン電池による火災防止月間」と定められました。

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リチウムイオン電池
増加する火災事故

 リチウムイオン電池が使われている身近な製品 
リチウムイオン電池は、ハンディファンや小型の懐中電灯などアウトドアでも身近なものに使われている。またスマートウオッチやワイヤレスイヤホン、ノートパソコンなど普段の生活に欠かせないものにも多く使用されている

今月は「防止月間」

先日、こんなニュースが飛び込んできました。

「10月9日午前11時過ぎ、那覇発羽田行きの全日空994便ボーイング787(乗客乗員356人)で『機内から煙が発生した』と那覇空港の管制官に通報があった。那覇空港事務所や全日空によると、離陸直後に乗客のモバイルバッテリーから発煙し、間もなく消し止められた。(10月10日付沖縄タイムス)」

幸いにもけが人はいなかったようですが、モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使用されていることが多く、同電池による火災事故が最近、頻繁に起こっています。 

環境省は、今年9月~12月の4カ月間を「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」の期間と定めました。そして特に11月を「リチウムイオン電池による火災防止月間」とし、周知啓発を図っています。
 
環境省は9月~12月を「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」とし、特に11月を「リチウムイオン電池による火災防止月間」として、周知・啓発などに力を入れている


衝撃や高温などに注意

リチウムイオン電池は、モバイルバッテリーをはじめ、ハンディファンや加熱式たばこ、ノートパソコンやタブレット、スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、デジカメやコードレス家電(充電式掃除機)などさまざまなものに使われています。環境省の資料(2023年度実績)によると、モバイルバッテリーの事故が最も多いようです。次いで加熱式たばこ、コードレス掃除機、スマートフォン、電気カミソリなどの順で事故が発生しています。

とても便利なリチウムイオン電池ですが、取り扱いを誤ると事故につながる危険性があります。そのため、以下の点に注意しましょう。

①強い衝撃や圧力を加えないようにしましょう
②高温になる場所では使用・保管しないようにしましょう
③充電は安全な場所で、なるべく起きている時間に行いましょう
④異常を感じたらすぐに使用を中止しましょう
⑤発火した際はまず安全を確保し、できれば大量の水で消火しましょう
⑥現在使用している製品の情報、リコール情報を確認しましょう
⑦公共交通機関では「持ち込みルール」を守りましょう

(消費者庁のホームページから転載)

捨て方にも注意

ごみ収集車や処理施設でも、リチウムイオン電池に起因する火災事故が起きています。ワイヤレスイヤホンなどの小型な機器でも、大きな火災に発展する事があるので廃棄時は注意しましょう。

捨て方はお住まいの地域によってルールが異なります。「○○市 リチウム電池 捨て方」と検索して確認し、適切な対応を心がけましょう。私が住む地域では「販売店などのリサイクルBOX」に廃棄するか「役場内の窓口」で回収しているとホームページに記載がありました。

身の回りのリチウムイオン電池を使用している製品や捨て方を、いま一度チェックしてみてはいかがでしょうか?


※当連載の過去記事をすべて見ることができます。これまでの記事はこちらから。

執筆者プロフィル
文・写真/與那嶺康貴
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。
那覇市曙1-8-10
電話=098・866・5365
https://sites.google.com/view/tomoshibito/
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2079号・2025年11月7日紙面から掲載

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