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2025年4月11日更新
食材としてもおなじみ|カラシナ、マメグンバイナズナ|身近で見られる帰化植物㉕
文・写真/比嘉正一 沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はアブラナ科の「カラシナ」と「マメグンバイナズナ」を紹介します。両方とも食べることができ、特にカラシナは塩漬けにしたものを「チキナー」と呼び、県民にはおなじみの食材です。
食材としてもおなじみ
「カラシナ」「マメグンバイナズナ」


塩漬けはチキナー
カラシナは、ユーラシア原産の1年生草本で、方言名はシマナーです。
高さ40センチから150センチに成長し、畑の周辺、路傍、林縁などに生育します。日本中に帰化していますが、県内への来歴は不明です。
直径1センチほどの黄色の小花を春に咲かせます。棒状の莢(さや)の中に小さな種子が入っています。
葉は広いヘラ形で長さ10~40センチ、野菜として食べられるため人気があります。塩漬けにしたものは「チキナー」と呼ばれ、チャンプルーなどにも使われていて、県民にはなじみ深い食材です。
畑で栽培されると巨大になることがあります。
マメグンバイナズナ(北米原産)
白い小花を咲かせる
マメグンバイナズナの草姿
軍配のような莢
アブラナ科のマメグンバイナズナは北米原産で、高さ10センチ~50センチに成長する1年生草本です。
日本には明治中期に帰化したようですが、沖縄へいつごろ入ってきたかは不明です。日本全土に帰化していて、道端、公園、畑のあぜ道などで普通に見られます。
花は白くて小さく、葉は細長い形をしています。花序の出る前の葉は柔らかく食べることができます。カラシナと同じくピリッとした辛味があり、癖になるおいしさです。
莢は、その名の通り軍配のような形をしています。ナズナと似ていますが、ナズナは莢がハート形になるので区別できます。

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4月~5月の公園情報
【名護城公園(名護市)】
◆春のチョウ類自然観察会
日時/4月19日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※新緑の美しさや香りを五感で味わいながら、美しいチョウの飛び交う様子を観察します。
電話=0980-52-7434
【県民の森(恩納村)】
◆樹木自然観察会
日時/4月26日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※樹木の新芽や花が咲くこの季節、森林の精気(フィトンチット)をたっぷり浴びながら観察する。
電話=098-967-8092
【コザ運動公園(沖縄市)】
◆チョウの自然観察会
日時/5月10日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内を散策しながら、この時期にどんな種類のチョウが見つかるか、観察する。目標は15種類!
電話=098-932-0777
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。

執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問に。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
第2049号・2025年04月11日紙面から掲載