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2025年3月14日更新
鮮やかな花咲かせる2種|メキシコサワギク、ニトベギク|身近で見られる帰化植物㉔
文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はキク科の「メキシコサワギク」と「ニトベギク」を紹介します。オレンジや黄色のかわいらしい花を咲かせることから、比嘉さんは「景観づくりに生かせないか」と話します。
鮮やかな花咲かせる2種
「メキシコサワギク」「ニトベギク」
メキシコサワギク(メキシコ原産)

メキシコサワギクの花

メキシコサワギクが群れ咲きする庭
海洋博頃に導入
メキシコサワギクは、その名の通りメキシコ原産です。沖縄には1975年に開かれた「沖縄国際海洋博覧会」のころに導入されたようです。
つる性植物で、長さ1.5~4メートルに成長します。花は鮮やかなオレンジ色から赤色です。大きさは直径3~5センチ程度で、群れ咲くのは美しいです。葉は細長い卵型で、縁にギザギサがあります。
挿し木で簡単に増やすことができ、特に梅雨の時期は最適です。水やりの必要はありません。
時々道ばたや、原野などで満開になっているところを見ることがありますが、もう少し有効に景観づくりに使えないのかと思ってしまいます。
ニトベギク(中米~メキシコ原産)
ニトベギクの花
道路沿いを彩るニトベギク
葉は健康茶に
ニトベギクは中米からメキシコ原産で、日本には新渡戸稲造によって明治の末ごろに導入されたようです。沖縄への渡来年は不明です。
高さは2~4メートルに成長する多年草で、花はヒマワリを小型にした感じです。夏から晩秋にかけて群れ咲きし、特に晩秋は花数が多くなります。畑のわきや、道端、道路沿い空き地などで野生化しているのをよく見かけます。
沖縄では葉を健康茶として利用しているようです。その葉をかじると、かなり苦いです。

野生化したニトベギク
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3月~4月の公園情報
【コザ運動公園(沖縄市)】
◆食べられる野草の自然観察会
日 時/3月15日(土)午前9時30分~同11時
料 金/1000円
定 員/定員15人(小学生以上対象)
講 師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内を散策しながら食べられる春の野草、毒植物を観察する。沖縄で昔から食べられてきた野草の継承、公園の自然や環境、魅力を体感できる。
電 話=098-932-0777
【中城公園(中城村)】
◆盆景作り体験
日 時/3月22日(土)午後1時30分~同3時
料 金/2000円
定 員/定員10人(大人対象)
講 師/仲田実氏(沖縄有用植物研究会理事)
※流木にコケをはり、小さな植物を植え、自然を造形し、緑のある盆景を作ります。眺めるだけで、癒やされ生活に潤いをもたらす。
電 話=098-935-2666
【浦添大公園(浦添市)】
◆春のチョウ類自然観察会
日 時/4月5日(土)午前9時30分~同11時
料 金/1000円
定 員/10人(小学生以上対象)
講 師/比嘉正一氏(学芸員)
※公園内で見られるチョウ類は多種多様で、本島中南部では「一番」と言われているほど。春の時期は多種類の幼虫を観察できる機会が多いのも魅力。
電 話=098-873-0700
【中城公園(中城村)】
◆春のチョウ類自然観察会
日 時/4月12日(土)午前9時30分~同11時
料 金/1000円
定 員/10名(小学生以上対象)
講 師/比嘉正一氏(学芸員)
※中城公園のエリアの一つ「台グスク」は高台にあり、低地で発生したチョウ類が風に運ばれて集まってくる。高台から中城湾が一望でき、景観もよいので“一石二蝶”だ。
電 話=098-935-2666
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
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執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て中城公園(北中城村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2045号・2025年03月14日紙面から掲載
第2045号・2025年03月14日紙面から掲載