地域情報(街・人・文化)
2025年5月9日更新
アブラナ科特有の辛み|カラクサナズナ、コタネツケバナ|身近で見られる帰化植物㉖
文・写真/比嘉正一 沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はアブラナ科の「カラクサナズナ」と「コタネツケバナ」を紹介します。どちらも葉をかじるとアブラナ科特有の辛みがあります。
アブラナ科特有の辛み
「カラクサナズナ」「コタネツケバナ」
カラクサナズナ(ヨーロッパ原産)

カラクサナズナの花はとても小さい

カラクサナズナ生育の様子
独特の匂いあり
カラクサナズナは、ヨーロッパ原産のアブラナ科の植物で高さ10センチ~20センチに成長します。葉には深い切れ込みがあり、付け根に、ごく小さな花を咲かせます。
葉をちぎると独特の匂いがします。かじると辛味があり、それなりに食べられます。アブラナ科の植物は辛味があるものが多いです。
日本には1900年ごろに入ってきたとされ、その後沖縄でも繁殖していったと思われますが、年代は定かではありません。今では畑、路傍、公園、荒れ地などで普通に見られます。
コタネツケバナ(ヨーロッパ原産)

白くて小さな花を咲かせるコタネツケバナ

コタネツケバナの草姿
湿った場所好む
コタネツケバナもアブラナ科でヨーロッパ原産の植物です。その名の通り「タネツケバナ」の小型種で、成長しても高さは5センチ~20センチほどです。
基部から分枝し、複数の株に見えます。葉は羽状で深く切れ込みがあり、花は白くて小さいです。日本には1950年代に入ったとされており、その後、沖縄にも入ってきたと思われますが年代は不明です。
畑、路傍、荒れ地、側溝、鉢などに見られることが多いです。湿った場所を好み、川べりなどでもよく見られます。
葉をかじると辛味がありますが、こちらは思いのほかおいしいです。

コタネツケバナは湿った場所を好み、水場付近でも見かける
**********************************
5月~6月の公園情報
【平和創造の森公園(糸満市)】
◆初夏のチョウ類自然観察会
日時/5月17日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※沖縄本島最南端に位置する同公園には、20種類余りのチョウ類が生息する。散策しながら、この時期に観察できる種類、幼虫について解説する。
電話=098-852-4033
【県民の森(恩納村)】
◆初夏のチョウ類自然観察会
日時/5月24日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円(材料費込み)
定員/15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※沖縄本島の真ん中に位置する同公園には、30種類余りのチョウ類が生息する。園内を散策しながら、この時期に観察できる種類、幼虫を解説する。
電話=098-967-8092
【中城公園(中城村)】
◆身近な植物観察会
日時/6月7日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※同公園内には多種多様の植物が生育している。日頃から見慣れている樹木、花木をはじめ公園内に生育するさまざまな植物を観察する。
電話=098-935-2666
【名護城公園(名護市)】
◆帰化植物観察会
日時/6月14日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※名護城公園内には多種多様の帰化植物が生育している。今回はナス科植物を中心に園内を散策しながら観察する。
電話=0980-52-7434
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
**********************************

執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問に。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2053号・2025年5月9日紙面から掲載