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2025年2月14日更新

繁殖力高い 特定外来生物|ツルヒヨドリ、ハヤシギク|身近で見られる帰化植物㉓

文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はキク科の「ツルヒヨドリ」と「ハヤシギク」を紹介。ツルヒヨドリは驚異的な繁殖力により在来の植物などに影響を与える可能性があるとして「特定外来生物」に指定されています。

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繁殖力高い 特定外来生物
「ツルヒヨドリ」「ハヤシギク」

ツルヒヨドリ(熱帯アメリカ原産)
ツルヒヨドリの花
 
群生し他の木を覆いつくすツルヒヨドリ
 

取り扱いに注意

ツルヒヨドリは熱帯アメリカ原産のつる性植物です。

1984年にうるま市で見つかり、その後急速に生育地を拡大、本島だけでなく石垣、西表島にも帰化しています。畑の周囲や道端、林などに群生し、ノアサガオと同じように森を覆いつくすほど生育します。在来の植物や生態系に大きな影響を与える懸念から「特定外来生物」に指定されており、栽培や運搬などの取り扱いが規制されています。

葉はハート形で、縁に鋸歯(きょし)があります。花は秋に咲き、ものすごい数の種子が綿毛とともに散布されます。さらに繁殖は種子だけでなく、茎の節一つからでも芽を出して成長します。そのため、駆除するときには、抜き取るだけでなくその後の処分もしっかり行う必要があります。
 

ツルヒヨドリの葉。縁に鋸歯がある

 

ハヤシギク(南米原産)


ハヤシギクの花と葉

 


ハヤシギクの生育の様子

タワダギク似

ハヤシギクは南米原産で高さが2~5メートルに成長する常緑低木です。これまでタワダギクと混同されていましたが、最近は区別されハヤシギクの名前が使われています。沖縄への来歴は不明ですが、タワダギクが1968年頃とされているので同じころかもしれません。

葉はだ円形で、こちらも縁に鋸歯があります。花は白色で小さく、冬から初夏に咲きます。熱帯地域では枝葉を食用、もしくは発熱などの薬用として利用しているようです。
 


 

2月~3月の公園情報


【名護城公園(名護市)】
◆食べられる野草の観察と野草料理の試食会

日時/2月22日(土)午後1時30分~同4時
集合場所/名護城公園 管理事務所2F
料金/2000円
定員/15人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員) 
※園内を散策しながら「食べられる」春の野草、「食べられない」毒植物の観察を行う。
 観察会終了後は、野草料理の試食もあり!
電話=0980-52-7434


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆帰化植物自然観察会

日時/3月1日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/管理事務所前
料金/1000円
定員/定員15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員) 
※園内を散策しながらナス科を中心とした帰化植物の様子や特徴、そのほかのエピソードを紹介する。
電話=098-852-4033


【県民の森(恩納村)】
◆シダ植物自然観察会

日時/3月8日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/県民の森「総合案内棟」
料金/1000円
定員/定員15人
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※県民の森には多種多様な種子植物・シダ植物が生育している。
 登山路を散策しながら、県民の森ならではの種類や魅力的なシダ葉を観察する。
電話=098-967-8092

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。


比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て中城公園(北中城村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2041号・2025年02月14日紙面から掲載

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