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2023年7月7日更新

引火しやすい消毒用アルコール|アウトドア×減災④

那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害によって被る被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は、バーベキュー時の火の取り扱いについて注意喚起いたします。

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引火しやすい消毒用アルコール

那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害によって被る被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は、バーベキュー時の火の取り扱いについて注意喚起いたします。

消毒用アルコールは火の近くに置いたり、使用したりしない!


BBQ中の事故

今年5月、福岡県の専門学校でバーベキューの火が学生に燃え移り、4人が死傷するという痛ましい事故がありました。

原因は、炭の火に消毒用のアルコールを吹きかけたことによる爆発と、周りにいた人の衣服への引火です。揮発性の高いアルコールが気化して一瞬にして火柱が上がり、事故を引き起こしました。

この事故を教訓に、改めて消毒用アルコールへの取り扱いについて注意喚起したいと思います。

可燃性蒸気に注意

コロナ禍で、身近かつ無造作に置かれるようになった消毒用アルコールですが、引火しやすいという特徴があります。蒸発もしやすく発生する蒸気は可燃性で、わずかでも火元があると引火する恐れがあります。また、その蒸気は空気より重くて低所に滞留しやすいです。

そのため、(1)消毒用アルコールは火気の近くで使用しない(2)容器の詰め替えの際は換気に十分注意し、密閉した場所で大量に噴霧するのは避ける(3)保管・設置は直射日光が当たらない場所、高温にならない場所にする、を徹底しましょう。(沖縄県東部消防組合予防課ヒアリングおよび総務省消防庁のリーフレットより)。

直接、火を足さない

バーベキューで使用する炭(バーナーなども)は昼間、周りが明るい場所だと炎が見えないので「消えている」と勘違いしてしまうこともあります。ですが、炎は見えないだけで、高温になっています。そこに、着火剤であっても追加で継ぎ足し投入することは大変危険です。

消えかけた炭には、火の付いてない炭をくべたり、別で着火して熾火(芯が赤くなった状態)になった炭を補充するなどで対応してください。

前述の事故は、消火用の水を用意していなかったことも大事故につながったようです。バーベキューだけでなく、花火などの火を取り扱う際にも水は必ず用意しましょう。

最後に、夏場のアウトドアということで消毒用アルコール以外にも、制汗スプレーや虫よけスプレーなどを使うこともあるでしょうが、スプレー缶も注意が必要です。火を使う調理場の近くで使用するのは危険です。

これから夏本番。いま一度、火の取り扱いに注意して、安心安全にバーベキューや夏キャンプを楽しんでほしいです。


消毒用アルコールや虫よけスプレーには、「火気や高温に注意」の文言が書かれています。きちんと説明書きも読みましょう!


文・写真/與那嶺康貴
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。店舗は那覇市曙1-8-10、電話098・867・3359

https://sites.google.com/view/tomoshibito/
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1957号・2023年 7月7日紙面から掲載

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