【第3回沖縄建築賞】奨励賞 住宅建築部門/「polyhedron -多面体-」(南城市)/大嶺亮氏(53)/ファイブディメンジョン|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

沖縄建築賞

2017年5月26日更新

【第3回沖縄建築賞】奨励賞 住宅建築部門/「polyhedron -多面体-」(南城市)/大嶺亮氏(53)/ファイブディメンジョン

第3回沖縄建築賞の受賞作品を特集する。ここでは奨励賞を受賞した3作品を紹介。北大東島村の福祉施設のほか、ユニークな形のアトリエ兼住宅や分棟の二世帯住宅が選ばれた。

沖縄建築賞

タグから記事を探す

コンクリート造ならでは 上に広がるユニークな形

奨励賞・住宅建築部門
「polyhedron -多面体-」(南城市)


平行面なく音響に効果
ユニークな外観が印象的な「polyhedron(ポリへドロン)-多面体-」は、鉄筋コンクリート造地下1階、地上2階建てのアトリエ兼住宅。高台の、高低差がある敷地に建つ。
水回りや資料室がある地下1階、リビングやキッチンがある1階、アトリエがある2階と、階を上がるにつれ床面積が広くなる。大嶺亮氏は「予算に合わせて部屋数とボリュームを決め、機能性や『広くて眺めの良いアトリエ』という施主の要望などを踏まえながら、素直に平面を積み重ねた。その結果として、個性的な形が生まれた」と話す。
音楽家の施主が仕事をする2階アトリエは、天井高が最大約3.6メートルで開放的。傾斜して平行面のない壁や天井が音の反響を防ぎ、天井近くまである棚の本が音を吸収するため残響もない。
そのほか、窓は最小限の数と大きさにして、台風対策の手間を省きつつ被害を防いでいる。
審査員からは「造形自由度の高さという、コンクリートの特性を生かした欠点のない作品」と高い評価。42坪の狭い敷地でありながら圧迫感を感じさせない手法や、適切な音響効果を生み出す内部の壁の構成などもポイントとなった。


個性的な外観の「polyhedron」。敷地の傾斜を生かし、一番低い部分は地下1階玄関、高い部分は1階リビングの縁側とつながる

天井と壁面が傾斜し、適切な音響効果を実感できる2階アトリエ。窓の外には中城湾や知念半島を望める



大嶺亮氏(53)
ファイブディメンジョン


 

審査講評 奨励賞 住宅建築部門

「ポリヘドロン-多面体-」

多面体の住宅である。竣工した時の近所の皆さんは、さぞびっくりしたと思います。
宇宙人が引っ越してくると、心配したのでは?
コンクリートの特性を見事に活かした欠点のない作品でもある。
42坪と狭まい敷地で周辺に圧迫感を感じさせない設計手法は、見事である。
アトリエで音楽家である建築主にピアノを披露してもらった。残響もなく、内部の壁の構成も見事である。
斜めの外壁は、半永久的に汚れる心配はないと推測される。
気になった事をあえて述べると、コンクリートの打継目地がないので、10年後のひび割れが懸念される。また、アトリエの天井に化粧合板を使用したのは、気になるところである。
また、次回の作品に期待し、楽しみにしたいです。



 

関連記事:【第3回沖縄建築賞】住宅建築部門 正賞「中村家住宅」
     【第3回沖縄建築賞】一般建築部門 正賞「クニンダテラス」
     【第3回沖縄建築賞】タイムス住宅新聞社賞「アーケードリゾートオキナワ」
     【第3回沖縄建築賞】奨励賞 住宅建築部門「南城の二世帯住宅」
     【第3回沖縄建築賞】奨励賞 一般建築部門「北大東村複合型福祉施設」
     【第3回沖縄建築賞】新人賞「浦添大公園南エントランス管理事務所」
     【第3回沖縄建築賞】古市徹雄審査委員長から総評


第3回沖縄建築賞 入賞作決定!

沖縄建築賞

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る