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2019年9月6日更新

早めの対策・避難で命守る|みんなの防災計画[6]

文・長堂政美
実際に災害が起こった時、どのような行動を取ればいいのか、数回に分けて説明する。今回は台風や高潮の場合。台風対策は慣れている人も多いかもしれないが、いま一度、自分の備えを確認してみよう。


2018年9月29日、台風24号襲来時の沖縄市泡瀬の様子(左)。高潮により40センチほど浸水している。下は平常時


■災害が起こったら①(台風・高潮編)

台風時、低地帯は高潮にも注意

雨靴での避難は△

沖縄県に暮らす私たちが防災・減災を常に意識しなければならないのが台風災害です。毎年、台風は沖縄付近を通過しますが、最大瞬間風速80メートル以上のスーパー台風など、これまでにはなかったような台風が襲来する可能性もあります。

事前の備えとしては、台風情報の収集、暴風対策の実施、非常食・飲料水の確保、避難所の確認などが必要になります=下

猛烈な台風は極度に気圧が低くなるため、低地帯では高潮にも注意を。暴風特別警報の基準となる910ヘクトパスカル以下の台風の場合、数十年に一度と言われるような甚大な被害に及ぶことも予想されます。

このような事態となれば、高潮特別警報の発表も考えられます。平屋が水面下に沈んでしまうような最大約4メートルの高潮も想定されています。2階建て以上でも、辺り一面が浸水し、孤立することになるので安心はできません。早期避難が大切です。

万が一、周囲が浸水し、避難しなければならないと感じた時は、側溝などに落ちないよう足元に注意しながら避難してください。

その際、意外と注意しなければならないのは雨靴。膝の高さまで浸水している時、雨靴に水が入ると排出されず、余計に避難の妨げとなります。このようなときは運動靴が良いでしょう。

いずれの場合も早め早めの避難が命を守る行動となります。自力避難が困難な障がい者、高齢者などと声を掛け合って避難しましょう。


台風時の対応 ※準備は原則として暴風域に入る24時間前までに
①台風の進路と強さなど気象情報を確認する

②非常持ち出し品の準備(例:医薬品、枕と毛布、着替え、靴下、スムー ジーなど経口栄養剤)⇒内容品は避難が短期か長期かによって異なる

③カセットボンベ、ラジオ、カップ麺など非常食の準備

④自宅周囲の植木鉢、木材、トタンなど暴風 で飛散しそうなものを片付ける。プレハブ はロープなどで固定。自分でできないとき は地元の自主防災組織にお願いする=下写真


⑤トタンや看板などが飛んできて窓ガラスに 衝突する恐れもあるため、窓ガラスに粘着 テープなどを貼って、ガラスが飛び散らないよう対策。万が一、窓 ガラスが破損したら、畳などを窓に当てながら、冷蔵庫などで押さ え、自分は暴風の当たらない部屋に避難する
 
⑥瞬間最大風速60メートル/秒以上(暴風特別警報級)の猛烈な台風襲 来が予想されるとき、特別警報を待たずに早めに避難。行政からエ リアメールなどで避難所が通知されるが、事前に把握しておく

⑦大雨による冠水や建物浸水に注意する。海岸地域などの低地帯では、 最大4メートルの高潮による浸水リスクもある

⑧仮に避難が遅れた場合、猛烈な暴風下の外出は危険な場所に身を投 じる結果につながるため、絶対に外出しない。車での外出も危険。 扉の開け閉めのときも、暴風で転倒したり、手指を挟まれないよう 注意する。自宅内では、窓がない部屋や風下側の部屋に避難する

高潮・大雨・洪水・土砂災害への対応
①非常持ち出し品を準備する

②浸水時に水ぬれしないよう家電、家具など貴重なものはできるだけ 高いところに移動しておく。車も冠水しない場所に移動しておく

③事前に行政が指定する避難所を把握しておく

④行き場を失った水は一気に増水するため、特別警報を待たずに早め に避難する

⑤地下室は最も危険。地下室には避難しない

⑥冠水時、どうしても避難しなければならないとき、泥水で足元が確 認できず、川や側溝、マンホールなどに落ちることが考えられる。2 人以上で避難し、長い棒や傘で足元を確認しながら避難する

⑦浮き袋の代わりとして、空の2リットルペットボ トルを衣服の中に入れ(胸2個、背中2個)、ひも 等で腹部を縛って避難開始=下写真。ひざ程度でも流 れがある場合は危険なので、流れを避けて避難する


⑧雨靴を履いて避難するのは危険、雨靴に水が入っ たら、かえって避難の支障となる

⑨避難所にたどり着けないと判断したら、近くの頑 丈な2階以上の建物に一時避難する

⑩30センチ程度の冠水で車のエンジンは止まる。さらに車のドア近く まで冠水するとドアを開けにくくなるので、車を置いて避難する

⑪既に周囲が浸水し、避難できないと判断したとき、地すべり・土石 流・崖くずれ危険のおそれのある地域は、自らの身を守るため、崖 側の反対側の部屋(2階であれば2階に垂直避難)に避難する

停電に備える
①電池、懐中電灯、ロウソク、ライター、マッチを事前に備える

②サラダ油、シーチキンL缶をロウソクの代わりとして使用でき る。芯はキッチンペーパーをねじって作る。ただし、浅い金属 製、陶器製の皿などの中で使用し、火災防止に努める

断水に備える
①生活用水(トイレの水を流すなど)を浴槽にためる

②飲料水(一人当たり3リットル)を確保する

③シャワーを浴びることができない。体ふきシートなどを用意し て、体を清潔に保てるようにする

④長時間断水時の応急トイレ用として、45リットルのゴミ袋(黒) と新聞紙、消臭剤を準備する。段ボールトイレの作製の仕方も 事前に練習しておくとより良い



ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長 098-923-4442

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1757号・2019年9月6日紙面から掲載

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