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2023年12月29日更新

[集合住宅・商業ビル 再生③]築33年の飲食ビルを再生 |人の流れつくり街ごと元気に|(株)福地組

かつてはスナックやバーなどが軒を連ね、にぎわっていた那覇市東町のビル。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、上層階に空きテナントが目立つようになった。福地組は、この築古ビルの再生プロジェクトを始動させた。

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【ビフォー】那覇市東町に建つ6階建てのビル。スナックや居酒屋、バーなどが入居していたが、上層階は空きテナントが増えていた
     
築33年の飲食ビルを福地組がリノベーションし、ことし9月に複合施設「HAVE A GOOD DAY」としてオープンした


職場や店舗をシェア

かつてはスナックやバーなどが軒を連ね、にぎわっていた那覇市東町のビル。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、上層階に空きテナントが目立つようになった。福地組は、この築古ビルの再生プロジェクトを始動させた。

「ゆいレール旭橋駅から徒歩5分という好立地で、もともとあったお店にも求心力がある。そこに新しいコンテンツを加えることで、これまでとは違う人の流れを生み出せるのではないかと考えた」と同社経営企画課の堀川大さんは話す。

世の流れをくみ、新しいコンテンツとして付加したのは「ワーク(仕事)」と「シェア(共有)」スペースだ。

同ビルの6階をコワーキングスペースと、レンタルオフィスにリノベーション。多様な使い方を考えて、リラックスできるソファ席、仕事に集中できる一人用の個室、話をしながらアイデアを促すカウンター席などを設けている。

5階には、一つのテナントを昼夜二つの事業者でシェアする区画を設けた。「本土ではこうした〝店舗シェア〟が増えている。家賃や光熱費が折半でき、低コストで営業できるなどメリットがたくさんある」。

現在その一区画は、昼はカフェ、夜はバーとして営業している。カフェのスタッフ・髙橋知晃さんは「費用面のメリットはもちろん、夜のお客さんが昼にも来てくれるなど、集客にもつながっている」と話す。

(上・下写真)6階のコワーキングオフィス。「実は沖縄はコワーキングオフィスが多い。差別化を図るため、ソファ席や個室、カウンター席などを用意し、多彩な働き方に対応している」

 
内装・家具で洗練空間

同ビルの5・6階は天井・床・壁をすべてはがして内装をすべて刷新した。「躯体は状態が良かった」ことから、既存のコンクリート梁は見せる造りに。むき出しの配管もデザインの一部として生かしている。 

さらに「家具や照明などの調度品にもこだわっている。プロのコーディネーターに厳選してもらい、洗練された空間をつくりあげた」と堀川さん。ソファや椅子、机などはデザイン性だけでなく使い心地も良いものをセレクトしている。

建築会社の新たな挑戦。「造る」と「残す」の相乗効果で「人を呼び、ビルだけでなく地域全体を元気にしたい!」と力を込めた。
 
5階の一室。昼はカフェ、夜はバーとして営業している

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号
第1982号 第1集 2023年12月29日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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