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2023年12月29日更新

[今ある建物を再生]住み継ぎ 活用するには

サステナブルな暮らしが叫ばれる現代。築年数がたった建物も住み継ぎ、活用することが推進されている。そこで今号では「再生」をテーマに特集。修繕に建物診断を生かした事例のほか、間取りを変えられるよう改修したアパート、介護施設を観光施設にしたビル、飲食用を多目的な商業ビルにした事例などを紹介する。

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インスペクションで建物を調査する様子
 

建物の状態を把握する

第三者の立場で建物診断

一般的に建物が完成すると、年月を経るごとに必ず劣化していく。そこで長持ちさせるために、「補修」「修繕」「改修」などを行う。その際にまず必要なのが、現状をしっかり把握することだ。

インスペクション沖縄の下地鉄郎さんは「現状を把握することで、劣化範囲の確認や修繕方法が分かり、予算のかけ方も効率的になる」と話す。

その手段は大きく分けて三つ。一つ目は自分でチェック。「最近はさまざまな本や動画で情報を得ることもできる。ただしその場合は、あくまでも自己責任」と下地さん。

二つ目が各専門業者に見てもらう。劣化や不具合の場所がはっきりしている場合にオススメだ。例えば、屋上や外壁だけを見てもらいたい場合、塗装専門業者に見積もりの相談をすると、その部分の状態を無料で見てもらえることもあり、工事までもスムーズにできる。「ただし、工事を前提とした診断となりがちなため、しっかりした工事対応をしてくれる業者なのかを見極めることが大事」。

三つ目がインスペクション(建物診断)。これは、既存住宅状況調査技術者やホームインスペクターといった資格を持つ専門家が、第三者の立場で建物全体を調査するもの。調査後には報告書をまとめてもらえるため、その後の修繕計画を立てるのにも役立つ。すでに不具合が起きている場所だけでなく、これから起きそうな場所も分かったりするので、建物全体を見てもらいたいという場合にオススメだ。

また、「見積もりの際は調査目的を伝えることがポイント」と下地さん。インスペクション業者によっては、基本的な調査のみか、応用的な調査(修繕のアドバイス、雨漏りの原因解明など)も可能か、できる範囲が異なるためだという。

下地さんは「自分に合った方法できちんと建物の状況を把握し、長持ちさせるために生かしてほしい」と話した。
 

建物の現状把握をする方法


取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号
第1982号 第1集 2023年12月29日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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