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2023年12月29日更新

[高齢になっても快適に③]内階段生かし コスト圧縮|実家を2世帯住宅にリノベ|興産アメニティ

Mさんは築37年になる鉄筋コンクリート造の2階建ての実家を2世帯住宅にリノベーション。高齢の母と弟がもともと暮らしていた住まいにMさん夫婦も一緒に暮らせるようにした。


2百万円余を削減

Mさんは築37年になる鉄筋コンクリート造の2階建ての実家を2世帯住宅にリノベーション。高齢の母と弟がもともと暮らしていた住まいにMさん夫婦も一緒に暮らせるようにした。

ポイントとなったのは「既存の内階段を生かすこと」。外階段を新設すると、間取り以外に構造体まで手を加える必要があるため、約2百万円以上の工事費用が余分にかかってしまうという。設計を手がけた興産アメニティの金城達雄課長は「既存の内階段をそのまま生かして費用を削減。室内の仕上げや住宅設備を充実できるよう提案した」と説明する。

1階は母と弟が暮らす親世帯、2階はMさん夫婦の子世帯に改修。以前は各階ともに部屋が細かく区切られていたため、昼間でも室内は暗かった。そこで間仕切り壁を極力減らし、広々としたLDKにしつつ、光が行き届くようにした。

また、部屋と部屋の間には5㌢ほどの段差があったため、床の高さを下げてフラットに。バリアフリーに対応している。母は「木目調の床タイルは見た目の良さはもちろん、汚れも落ちやすいので掃除がしやすい」と満足げに話す。

世帯間のプライバシーを確保することも欠かせなかった。室内への動線を別々にするため、1階に玄関を新設し、内階段はMさん夫婦だけが利用できるようにした。夫婦は「それぞれの生活を尊重しつつ、いざという時はいつでも対応できるので安心」と話す。


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1階のLDKはMさんの母が愛用している食器棚などに合うよう仕上げている


好みの住設備を導入

Mさんは当初、外階段の設置を検討していたが、「コストを抑えられた分、システムキッチンや浴室など両世帯ともに好みの住宅設備を使うことができました」と話す。

内階段を生かした2世帯住宅のリノベーションについて、金城課長は「高齢のご家族を近くで見守れるだけではなく、ローンの借入額を抑えられるなど経済的なメリットも多い」と話す。将来、階のどちらかを貸し出して、収益化も図れる。「内階段を生かした2世帯づくりは建築費が高騰するなかで、住宅取得の選択肢としてポテンシャルは高い。使い続けられるものを生かして、居心地のいい住まいを提供しています」。


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細切れだった部屋を2階のLDKに。4枚開きの掃き出し窓を設け。開け放てばベランダと合わせて空間が広く使える


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階段はメンテナンスし活用。階段右手に壁を設けて、親世帯と完全に仕切り子世帯専用の玄関にした





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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号
第1982号 第2集・2023年12月29日紙面から掲載

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