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2023年10月13日更新

畑や遊びに活用|ギンネム|身近で見られる帰化植物⑦

文・写真/比嘉正一
県内で見られる帰化植物を紹介。今回は街中や畑、公園、山地など幅広く生えているギンネム。昔は農業や子どもたちの遊びに欠かせない植物でした。

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畑や遊びに活用
「ギンネム」「エダウチクサネム」

 
ギンネム(中米~メキシコ原産)
ギンネムの樹姿。小葉が羽状に並ぶ
ギンネムの樹姿。小葉が羽状に並ぶ

ギンネムの花は白い。そばにあるイボイボ状の物体はつぼみ
ギンネムの花は白い。そばにあるイボイボ状の物体はつぼみ
 

ギンネムのつぼみは竹鉄砲の弾に最適
ギンネムのつぼみは竹鉄砲の弾に最適

莢から種を取り除いてカスタネットに
莢から種を取り除いてカスタネットに


緑化などにも利用

ギンネムは、夜になると葉が閉じることから方言では「ニブイギー(眠る木)」と言われています。中米~メキシコが原産で高さは2~10メートルにもなる常緑小高木です。熱帯・亜熱帯で広く栽培されているほか、野生化しています。成長が早いので、緑化や土壌流失防止に利用されてきました。葉などには毒成分を含んでいます。

私が子どもの頃、ヒージャー(ヤギ)に与えたら、「ヒージャーが死ぬ!」と家族にひどく怒られた記憶があります。それからは与えていません。

ギンネムの細長い幹は野菜などを育てるための棚の支柱に、それが枯れたら薪(まき)にし、葉は畑にすきこみ緑肥に使われていました。

また、子どもの遊びにもよく使われており、イボイボの形をしたつぼみは竹鉄砲の弾、莢(さや)は開いて種を取ってカスタネットに、熟した種は黒くてツヤがあってきれいなので炊いて柔らかくし、糸を通してネックレスを作ったりしていました。

 


 

エダウチクサネム(熱帯アメリカ原産)

エダウチクサネムの葉はオジギソウに似ている。ピンクやだいだい色の花を咲かせる

エダウチクサネムの葉はオジギソウに似ている。ピンクやだいだい色の花を咲かせる

 
最近は少なく

エダウチクサネムは、もともとはアメリカクサネムという名前でしたが、1977年に名前が変わりました。熱帯アメリカ原産で、空き地や荒れ地に見られましたが、最近少なくなっている気がします。

オジギソウに似ていますが小型で、触れると葉が静かに閉じます。花はピンク~だいだい色です。上部には毛が生えています。
 


 

10月~11月の公園情報


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆秋のチョウ類自然観察会    

10月22日(日)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/10人(対象大人)

講師/比嘉正一氏(学芸員) 

※平和創造の森公園では、大型のアゲハ類や日本で一番大きいシロチョウ科のツマベニチョウが観察できる。自然を学び、太平洋を望む絶景を見られる観察会。

電話=098・852・4033



【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆植物自然観察会

10月28日(土)午後1時30分~同3時30分
料金/1000円 定員/15人(対象大人)

講師/林将之氏(植物図鑑作家)

※講師の著書「沖縄の身近な植物図鑑」に掲載されている植物を探しながら特徴やエピソードを解説する。

電話=098・967・8092


【浦添大公園(浦添市)】
◆秋のチョウ類自然観察会

11月4日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円(資料込み)定員/10人(対象/小学生以上)

講師/比嘉正一氏 (学芸員)

※浦添大公園を散策しながら、セミがよく止まる木、チョウの幼虫が食べる植物など多彩なエピソードを解説。自然に触れ、観察することで公園散策の楽しみが広がる。

電話=098・873・0700


【名護城公園(名護市)】
◆秋のチョウ類自然観察会

11月11日(土)午前9時30分~同11時
定員/10人(対象/小学生以上)料金/1000円(資料込み)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

※名護城公園内には、沖縄本島北部を代表するオキナワカラスアゲハ、モンキアゲハやコノハチョウ、フタオチョウなどの美しいチョウが多い。自然を楽しみながら観察する。

電話=0980・52・7434

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1971号・2023年10月13日紙面から掲載

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