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2023年9月8日更新

緑肥・飲用が野生化|キバナツノクサネム、エビスグサ|身近で見られる帰化植物⑥

文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を紹介。今回は、緑肥や飼料、お茶用に栽培されていましたが、今では野生化している「キバナツノクサネム」と「エビスグサ」を紹介します。


緑肥・飲用が野生化
マメ科「キバナツノクサネム」「エビスグサ」

 
 
キバナツノクサネム(オーストラリア原産)
キバナツノクサネムの花

キバナツノクサネムの草姿
キバナツノクサネムの草姿


最近は減少傾向

オーストラリア原産のキバナツノクサネムはマメ科の一年草で、高さは1メートルほどに成長します。

小葉が葉軸の左右に羽状に並び、先端には葉が付かない「偶数羽状複葉」です=下イラスト。ちなみに、先端に葉が付いているものは奇数羽状複葉と言います。

畑の緑肥や家畜の飼料として利用されてきたのが野生化し、今では道ばたや空き地、畑の周辺に帰化しています。以前はどこにでも見られましたが除草や都市化に伴い、最近は減ってきている気がします。

花がきれいなので、妻が道ばたで摘んで玄関に飾っていました。ミナミキチョウの食草です。
 

          


 

エビスグサ(熱帯アメリカ原産)エビスグサの花エビスグサの花


種はお茶などに利用されていた

種はお茶などに利用されていた

 
種をお茶に利用

エビスグサは熱帯アメリカ原産でアフリカ、アジア、オーストラリアなど広く帰化しています。

先のキバナツノクサネムと同様、高さ1メートル前後に成長する1年草で、偶数羽状複葉。花は黄色、莢(さや)が長さ10~18センチで楕円(だえん)形の種がびっしり並んでいます。

少し前までは庭や畑に植えられていて種をお茶用にしたり、葉などは緑肥として栽培されていましたが近年はわざわざ植えなくなり、野生化しています。こちらもミナミキチョウの食草で、ウラナミシロチョウの幼虫も食べるとされていますが、まだ見たことがありません。
 


9月~10月の公園情報


【中城公園(中城村)】
◆園芸教室「ブーゲンビレアの咲かせ方」    

9月16日(土)午後1時30分~同3時
料金/1500円 定員/10人(対象大人)講師/比嘉正一氏(学芸員)

※沖縄の代表的な花、ブーゲンビレアをうまく咲かせる方法を実演。用土や肥料、誘因・せん定時期などを説明する。上手に栽培すれば年に3回は咲かせられる。

電話=098・935・2666


【中城公園(中城村)】
◆秋のチョウ類自然観察会

10月7日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/10人(対象大人)講師/比嘉正一氏(学芸員)

※同公園の台グスクエリアに生息するチョウ類は、本島中南部を代表するものばかり。秋は種類・数とも多くなる季節。自然やチョウを学び、絶景を見て両得の観察会。

電話=098・935・2666


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆園芸教室「ブーゲンビレアの咲かせ方」

9月23日(土)午前9時30分~同11時
料金/1500円 定員/10人(対象大人)講師/比嘉正一氏(学芸員)

※内容は左端中城公園「ブーゲンビレアの咲かせ方」と同じ

電話=098・852・4033


【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆帰化植物自然観察会

10月14日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/15人(対象大人)講師/比嘉正一氏(学芸員)

※県民の森には多種多様の帰化植物が生育しており、入ってきた背景、自生種との関係、勢力拡大の秘密などを探る。今回はキク科を中心に観察と解説を行う。

電話=098・967・8092

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1966号・2023年9月8日紙面から掲載

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