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2021年8月27日更新
目、象形文字、年輪がモチーフ|アートを持ち帰ろう(5)
文/本村ひろみ
目、象形文字、年輪がモチーフ
家族だんらんの場に灯りを夏の夜はふとしたきっかけで懐かしい記憶が思い出される。
例えば虫の音に、夜風にのって聞こえてくる太鼓の音に、月夜に照らされた庭の木々に。縁側でたく蚊取り線香の匂いから「そういえば、子供の頃ね…」と昔話が始まったりする。ノスタルジックな情緒を誘う夏の夜。それも夕暮れから風が涼しくなる“夏の終わり”ならなおさらだ。昼間の暑さから開放されて気分も軽くなるからか話も弾む。そんな、家族で語らう夜に温かい灯(あか)りがあると物語も幻想的になる。
時の経過を入れ込む
美術家・伊江淳氏は家族が集う場を心に描いて作品を作るという。作品に欠かせないモチーフは「目、象形文字、年輪」。古民家の雨戸や廃材から年輪の拓をとり、時の経過を作品に入れ込むことで、過去から未来へ人々をつなげている。
“灯り”は、透過性のある手すきの月桃紙が温かい色味を放ち、描かれた幾何学的な文様(年輪も含む)は宇宙を彷(ほう)彿(ふつ)させる。この灯りを子供たちの部屋に置き、寝そべって天井に映し出される「目」を眺める。あの目は何を見つめているのか、見守っているのか、と話も盛り上がるだろう。そしておしゃべりを楽しんだあと心地よい眠りにつく。
「そうしたら希望の朝が来るんです」作家はそう話してくれた。
中秋の名月には部屋を暗くして灯りだけで過ごしてみたい。
「喜びの光よあれ」
天井に映し出される「目」が幻想的。78cm×30cm 6万円(税込み)。周りにある灯りは「希望の光」大H40cm 中H30cm 小H20cm
作家近況
美術家・伊江淳サイト
https://www.instagram.com/denpa_okinawa/?hl=ja
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1860号・2021年8月27日紙面から掲載
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。