リノベ
2022年5月13日更新
【沖縄】住宅ローン減税はリノベも対象?|今ある家をバージョンアップ[24]
文・森岡瑞穂(リノベーション協議会沖縄支部 会員)
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「税制改正と住宅ローン減税」
今年3月、税制改正関連法案が可決され、住宅ローン減税の適用期限が2025年12月31日までに延長されました。そこで今回は、既存物件を購入してリノベーションした場合と、自宅等をリノベーションした場合の、住宅ローン減税について紹介します。
◆相談&課題中古物件を購入してリノベする予定。住宅ローン減税の対象なのか知りたい。
◆リノベのプロが提案!
中古物件購入費もリノベ費用も対象。要件も緩和されたので、上手に利用を。
住宅ローン減税とは?
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを利用し居住用の住宅を取得する場合に、住宅取得者の負担を軽減するための制度。住宅ローンの借入金額の残高に応じて、一定割合が所得税と住民税から控除されます。
物件購入費だけでなく、住宅ローンを利用したリノベ費用についても、条件を満たせば住宅ローン減税の対象となります。自宅のリノベなど、物件購入を伴わなくてもOKです。
リノベの場合のポイント
◎耐震基準に関わらず、リノベ費用は住宅ローン減税の対象
リノベ費用については適用条件(7)=右上=の「新耐震基準であること」は要件外となり、昭和57年(1982年)1月1日より前に建築された物件のリノベでも住宅ローン減税を受けられます。その場合の借入限度額は2000万円。既存住宅の購入でも住宅ローン減税を受ける場合は、物件購入費とリノベーション費用の合計の上限が2000万円(所定の環境性能に適合した住宅は3000万円)となります。
なお、リノベ費用について住宅ローン減税を受ける場合は、建築士などが発行する「増改築等工事証明書」が必要です。
◎面積は登記簿に記載の面積で確認
(6)の面積要件について、面積の根拠となるのは登記簿に記載の「内法面積」です。一般的に売買で使われる「壁芯面積」より一回り小さい面積となるので、50平方メートル台前半の物件を検討するときは注意が必要。登記面積が50平方メートルを切ると、物件購入費用とリノベ費用の、いずれにも住宅ローン減税は受けられません。
◎中古物件購入における耐震基準要件が緩和
中古物件購入において、今年の改正で「耐火構造(コンクリート造等)の場合で25年以上、および非耐火構造(木造)で築20年以上たっている場合には新耐震基準に適合していることを証明する資料が必要」という築年数要件が廃止されました。その代わり「登記簿上の建築日付が1982年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合しているとみなす」ことになり、これまでハードルが高かった一戸建て住宅でも、住宅ローン減税を受けられる物件が大幅に増えました。
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この記事は国土交通省のホームページなどを参考にしながら、現在の情報をまとめたものです。しかし時間がたつと内容が変わる可能性もあります。住宅ローン減税のほか、税制優遇を受けられるかどうかは、最寄りの税務署でご確認、ご相談ください。正しく理解して、利用できるものは申請できるように準備したいですね。
執筆者
もりおか・みずほ
大阪の堺で育った関西人。立命館大学卒業後、Arts&Craftsへ入社。住宅系資格を有するが資格には頼らない仕事ぶりで、毎日奮闘中。沖縄で嫁入りし、地元精通ももう間近! リノベーションした自宅に住む。
◆Arts&Craftsの強み
1994年設立、日本におけるリノベーションの黎明(れいめい)期から活動。個人住宅のリノベから空室が目立つビルやアパートの再生コンサルティングまで手掛ける。沖縄事務所は老朽化したホテルを再生し運営もするSPICEMOTEL内。北中城村喜舎場1066 電話098-975-8090
https://www.a-crafts.co.jp
■リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1897号・2022年5月13日紙面から掲載