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2018年9月21日更新
[不動産の日特集|活用度高める手法四つ]④コンセプト型賃貸住宅
9月23日の不動産の日にちなみ、イマドキの不動産活用の手法四つをクローズアップ! ターゲットを広げる空間づくりやコンセプトの明確化で差別化を図ったり、用途変更で建物の付加価値を上げたり、家具やインテリアで中古物件をより魅力的に演出する手法を紹介。遊休地活用のための新築や既存建物の再生、住居兼集合住宅など家づくりの選択肢の一つとしても参考にしてみて。
ターゲット絞り差別化
県内各地で次々と進むアパート建築。その中で、借り手のニーズに応える手法の一つとして、「コンセプト型賃貸住宅」がある。立地や周辺環境に合わせてコンセプトを立て、ターゲット層を絞ったアパートだ。
不動産の仲介・売買を行うディ・スペック(株)の古謝淳也代表取締役は「ある人から見れば20点でも、別の人から見ると100点になり得るのが特徴。物件によってコンセプトが異なるため、周囲の競合物件とも単純に比較されず、差別化が図りやすい」と説明する。年数がたってもコンセプトの価値自体は変わらないので、借り手に選ばれやすくなるという。
例えば、同社が手掛けた「ライカムアパートメント」では、大型商業施設や病院が近いため、働く人をターゲットにしつつ、階や部屋によってコンセプトを変えた=下図。駐車場に隣接する1階は2カ所から出入りできるようにして店舗や事務所(SOHO)として利用しやすい一方、3階はメゾネットにして眺望を楽しめるようにするなど、間取りも広さもさまざま。
古謝代表は「相続した土地をどうするか迷う人が多く、選択肢を増やすことが求められている。いろいろな設計事務所と組みながら、展開していけたら」と話した。
ライカムアパートメントの断面図。A~Eまでコンセプトが異なり、間取りは5タイプ。AとBは2カ所から出入りできる造り、Cは2カ所にバルコニー、Dは広々したワンルーム、Eはメゾネットになっている
Dタイプのワンルーム。広さはA~Cタイプと同じ48平方メートルある。2カ所の戸の奥で通路がつながり、玄関に続く。部屋を真ん中で仕切って公私を分けるなど、住み方は自由
Eタイプのメゾネット。エレベーターのないアパートでは、上層階は借り手に避けられがちだが、眺望の良い4階を3階とつなげメゾネットにすることで特別感を演出し、魅力を高めている
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1707号・2018年9月21日紙面から掲載