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2025年6月27日更新

[お住まい拝見+]地・気候に則したプラン|ハンソト

このコーナーでは、巻頭企画「お住まい拝見」「こだわリノベ」で掲載しきれなかった設計の工夫や施主のこだわり、記者がおもしろいと感じたポイントなどを紹介します。

地・気候に則したプラン

LDKの大窓をやんばるの山々が広がる方向に取り付けたため、カーテンがなくても人目が気にならない。日差しがほぼ真上から差す夏場は半屋外の土間・庭に反射して柔らかい陽光が室内を包み込む

6月20日号「大らかな"半外"の家」谷口室生さん宅
ハンソト


自宅兼工房を備えた陶芸家・谷口室生さん宅は、ゆとりのある半屋外空間「ハンソト」が特に魅力。それを際立たせるのは敷地・気候などの前提条件に素直に則したプランだからだ。半屋外は夏になると大きな日陰となるが、冬になると日差しが斜めから差すため温まる土間の面積が広くなる。涼を取るにせよ暖を取るにせよ、窓際やハンソトはおのずと憩いの場となる。


ハンソトは工房(左)から住宅(右)まで約19メートルにもわたる。トタン屋根は軽量のため建物の加わる重さが軽減され、木の屋根組みの間に通気層を形成する


木の柱が土間から浮いているため、日陰の空間が軽やかに見える。高さをつけたことで、雨の影響を最小限にしつつ、取り替えしやすい仕様となっている

また、広がりを生むだけではなく、南側に広がるやんばるの山々と暮らしがグッと近くなる。山々を借景とし、自然の力と住設備を使い分けられる住まいだから幅のある暮らし方ができる。 ほかにも、谷口さん宅では「職」の工房と「住」の居住部の配管などがコンパクトになる間取りにした。限りある予算の中で、施主が手をかけたい部分に費用を捻出できるよう計画されていた。
 
道路側は斜面に施した植物が生長中。木造住宅と思いきや、コンクリートブロックの外側に杉板を貼っているため、頑丈さと意匠が両立している
 
横並びで子どもが勉強できるスペースからも自然が見通せる

撮影/比嘉秀明 取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2060号・2025年06月27日紙面「今月の表紙から・2025年5月、6月」より掲載

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