こだわリノベ
2025年12月12日更新
沖縄移住の夫婦が購入、築50年のマンション 「猫2匹のために」フルリノベーション|こだわリノベ
夫婦と猫2匹のための家。「立地の良さと約80平方メートルある広さが気に入った」と、那覇市首里の中古マンションを購入し、フルリノベーションした。無垢(むく)の木と漆喰(しっくい)壁に包まれた、人にも猫にも優しい住まいを訪ねた。
人と猫のための木と漆喰の家
築50年のマンションを購入して
こだわリノベ
夫妻がくつろぐリビングに、猫の居場所も準備。キャットウオークやステップ、ボックスを設けた。右側のタイル床スペースは「子猫だったときにケージを置いていた」とTさん。左側の書斎とは室内窓でつながる

リノベーション前
改築前の希望
人も猫も伸び伸びと過ごせるオープンな家
家族つなぐ工夫満載
正面の書斎まで一体的なLDK。キッチンは奥側からも出入りできる回遊型の造り。書斎の室内窓やキャットステップなどが空間のアクセントになっている
「昔から沖縄が好きだった」と移住を決めたTさん夫妻。「車は所有していないので、住まいは立地を重視」し、バス停や職場にも近い、那覇市首里の築50年の中古マンションを購入した。「価格の割には、広さが約80平方メートルもあることもポイントだった」。
新居で一番かなえたかったのは「猫を迎えること。だから、“猫リノベ”を得意とする建築会社にお願いした」とTさん。同社が手掛けたリノベ物件を見学した際、キャットウオークがインテリアの一部のように空間になじみ、人も猫も楽しく過ごしている雰囲気が気に入った。
Tさん宅も、人も猫も伸び伸び暮らせる工夫がいっぱい。2匹の猫は、テレビを囲むように設けられたキャットステップやウオークで遊び回り、リビング隅のキャットボックスでひと休み。夜は夫婦と一緒に寝室のキャットボックスで就寝する。
寝室にもキャットウオーク・ボックスがあり、家族そろって就寝。戸を開閉しなくても出入りできるよう専用の「猫穴」も設置
リビング脇のタイル床スペースは「子猫のときは、ここにケージを置いて過ごしていた」。玄関前には、脱走防止のガラス扉を設置。「私が外から帰ると、2匹で扉をカリカリしながらお出迎えしてくれた」と目を細める。
また「漆喰(しっくい)の壁は、消臭効果を実感している」とTさん。
玄関前には、猫の逃走を防ぐためのガラス扉を設けた。閉めつつも、ガラスの面積を大きくして圧迫感を軽減
カビ対策に戸無し収納
もともとは3LDKだったが、壁を取り払って1LDKに。LDKの一角には書斎を設けた。2面の大きな室内窓越しに、家族の顔が見える造りも気に入っている。
書斎は、収納やコンセントを多めに設け「とても使いやすい」とTさん。外窓がないため「納戸(サービスルーム)」扱い。
ほかにも「2人で立てて、動きやすい回遊型キッチン」「収納は扉を付けずオープンに」などのこだわりをかなえた。「沖縄での暮らしで心配だったのはカビ。だから、収納にはあえて扉を付けなかった。漆喰壁や無垢材の調湿効果もあって、梅雨時期も夏も快適だった」とTさん。
夫婦2人で料理をすることから、キッチンは広めに確保。正面にあるのは昇降型の食器乾燥機。冷蔵庫など家電は壁内に収めてすっきり見せる
こだわりが詰まった家だが、諸事情で地元に帰らなければならず、手放すことに。「できれば猫と暮らしている家族に次のオーナーになってもらいたい」と話した。
改修のポイント
カビや暑さ対策に、断熱性の高い窓やドアへ交換。漆喰や無垢材で調湿も。
窓やドア交換「断熱リノベ」
「Tさんは沖縄移住にあたり、高温多湿の環境を気にされていた。人も猫も快適に暮らせるよう、断熱や湿気対策にも気を配った」と、Tさん宅を手掛けた(株)インツリーの佐藤友恵さんは話す。
南向きの掃き出し窓は、「ガラス部分を断熱性の高いペアガラスに交換した。さらに室内側には空気層のある『ハニカムブラインド』を設置して、外からの熱の侵入を防いでいる」と説明する。
玄関ドアも、ポストのないものに替えてエアコンの冷気などが逃げないよう配慮。「ダブルロックのドアにして、防犯面も強化した」。玄関前に設置したガラス戸は猫の逃走防止だけでなく「断熱にも役立っている」。
壁はすべて消臭・調湿効果のある漆喰(しっくい)で、床は無垢(むく)材。佐藤さんの自邸も同じ仕様で、その効果を体感している。「我が家も猫2匹と暮らしているが、臭いもジメジメも気にならない。おまけに爪研ぎにも強く、ちょっと爪跡がついてもすぐ直せる。猫との暮らしは漆喰がベストだな、と感じている」。
ダイニングの壁にもキャットステップがある。小物を飾るニッチも兼ね、空間になじんでいる
また、Tさんの要望から収納も含めオープンな空間に。だが、雑多に見せないよう工夫。ファミリークローゼットは書斎内にも納め、冷蔵庫や食器乾燥機も壁内にぴったり納めた。「収納は多過ぎず、でもギチギチにならないように持ち物をヒアリングし、書斎と洗面所の背面に設けた」。
「リビングのソファ以外の家具や照明、カーテンまでコーディネートさせていただいた。全体的にシンプルにまとめて、漆喰や無垢材のやわらかい雰囲気を生かした」と話した。
オープンなシューズクローゼット。下に寝室への「猫穴」がある
[DATA]
築 年 数 :約50年
専有面積:78.76平方メートル(約24坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
設計・施工:(株)in tree 佐藤康平、佐藤友恵
[問い合わせ先]
(株)in tree
電話:098-960-4680
https://intree.jp/
撮影/比嘉秀明 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2084号・2025年12月12日紙面から掲載
築50年のマンションを購入して
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リノベーション前
改築前の希望
人も猫も伸び伸びと過ごせるオープンな家
家族つなぐ工夫満載
リノベーション前


以前のキッチンは個室になっていた(左側)
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新居で一番かなえたかったのは「猫を迎えること。だから、“猫リノベ”を得意とする建築会社にお願いした」とTさん。同社が手掛けたリノベ物件を見学した際、キャットウオークがインテリアの一部のように空間になじみ、人も猫も楽しく過ごしている雰囲気が気に入った。
Tさん宅も、人も猫も伸び伸び暮らせる工夫がいっぱい。2匹の猫は、テレビを囲むように設けられたキャットステップやウオークで遊び回り、リビング隅のキャットボックスでひと休み。夜は夫婦と一緒に寝室のキャットボックスで就寝する。

リビング脇のタイル床スペースは「子猫のときは、ここにケージを置いて過ごしていた」。玄関前には、脱走防止のガラス扉を設置。「私が外から帰ると、2匹で扉をカリカリしながらお出迎えしてくれた」と目を細める。
また「漆喰(しっくい)の壁は、消臭効果を実感している」とTさん。

カビ対策に戸無し収納
もともとは3LDKだったが、壁を取り払って1LDKに。LDKの一角には書斎を設けた。2面の大きな室内窓越しに、家族の顔が見える造りも気に入っている。


こだわりが詰まった家だが、諸事情で地元に帰らなければならず、手放すことに。「できれば猫と暮らしている家族に次のオーナーになってもらいたい」と話した。
改修のポイント
カビや暑さ対策に、断熱性の高い窓やドアへ交換。漆喰や無垢材で調湿も。
窓やドア交換「断熱リノベ」
「Tさんは沖縄移住にあたり、高温多湿の環境を気にされていた。人も猫も快適に暮らせるよう、断熱や湿気対策にも気を配った」と、Tさん宅を手掛けた(株)インツリーの佐藤友恵さんは話す。
南向きの掃き出し窓は、「ガラス部分を断熱性の高いペアガラスに交換した。さらに室内側には空気層のある『ハニカムブラインド』を設置して、外からの熱の侵入を防いでいる」と説明する。
玄関ドアも、ポストのないものに替えてエアコンの冷気などが逃げないよう配慮。「ダブルロックのドアにして、防犯面も強化した」。玄関前に設置したガラス戸は猫の逃走防止だけでなく「断熱にも役立っている」。
壁はすべて消臭・調湿効果のある漆喰(しっくい)で、床は無垢(むく)材。佐藤さんの自邸も同じ仕様で、その効果を体感している。「我が家も猫2匹と暮らしているが、臭いもジメジメも気にならない。おまけに爪研ぎにも強く、ちょっと爪跡がついてもすぐ直せる。猫との暮らしは漆喰がベストだな、と感じている」。

また、Tさんの要望から収納も含めオープンな空間に。だが、雑多に見せないよう工夫。ファミリークローゼットは書斎内にも納め、冷蔵庫や食器乾燥機も壁内にぴったり納めた。「収納は多過ぎず、でもギチギチにならないように持ち物をヒアリングし、書斎と洗面所の背面に設けた」。
「リビングのソファ以外の家具や照明、カーテンまでコーディネートさせていただいた。全体的にシンプルにまとめて、漆喰や無垢材のやわらかい雰囲気を生かした」と話した。

洗面室は個室にせずオープンに。背面には扉なしのファミリークローゼット

[DATA]
築 年 数 :約50年
専有面積:78.76平方メートル(約24坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
設計・施工:(株)in tree 佐藤康平、佐藤友恵
[問い合わせ先]
(株)in tree
電話:098-960-4680
https://intree.jp/
撮影/比嘉秀明 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2084号・2025年12月12日紙面から掲載









