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2025年12月19日更新

[お住まい拝見]1階はたったの19坪! 建築費高騰の中で建てたRC造2階建て 縦横に視界が抜ける室内、住宅密集地でも開放感|(株)Studio Clamp

[それぞれの趣味満喫]
住宅密集地に建つYさん宅。壁面後退などの制約により建築面積は限られる中でも、室内は縦横に視線が抜けて開放感があふれる。植栽やアクアリウム、念願だったガレージでバイクのメンテナンスなど夫婦それぞれの趣味を満喫する。

1階LDK 土間玄関の上部にあるスケルトン階段が印象的だ。天井高さを変え、大小の開口部を設置。リビングには庭が隣接しているため、縦にも横にも奥行きのある空間となっている

密集地でも縦横広がり

屋上テラス・庭・外空間も活用
Yさん宅
 RC造/自由設計/家族3人 
 
庭を横目に、土間玄関を通ってLDKへ。天井高は高いところで3.6メートルと開放感あふれ、Yさん夫妻の趣味であるアクアリウムや植物が出迎える。Yさん念願だったバイクガレージも併設し、天候に左右されず、愛車のメンテナンスできるように。夫妻は「小さめの土地にも関わらず、多くの要望を詰め込めて大満足」とうれしそうに話す。
 
キッチンからは庭(左)まで見通せ、スケルトン階段が圧迫感をさらに軽減している。右側の壁一面には収納とフリースペースを設けた
 
Yさん念願だったバイクガレージ 壁一面にならぶ工具で大切なバイクをメンテナンスしている。すり戸を開け放つと駐車場と連続するため、大勢の友人と過ごせる居場所にもなる

Yさん宅は1階にLDK、庭、ガレージ、2階に各居室や水回りをまとめ、スケルトン階段が公と私の空間をつなぐ。「リビングの高窓から視線が抜けるし、スケルトン階段からも日差しが降り注ぐので、特に朝が気持ちがいい」と妻。透かし効果だけではなく、黒アイアンで階段を造ったことでインテリアとしての要素もプラスされている。

階段下は収納として利用したほか、ダイニングの一角にフリースペースを設けた。子どもが宿題をしたり、アクアリウムを飾ったり、と時々の必要に応じて使えるようにし、「余すことなく空間を活用できるようにしました」。

費用高騰中の家づくり

土地購入からの家づくりは難航し、「注文住宅を諦める寸前でした」と夫妻は振り返る。偶然、袋小路で交通量が少ない土地を見つけ、以前から気になっていた建築士に相談。「最初のプランで、ガレージも庭も造れることが分かり、建築費が高騰する中でも、自分たちの等身大にあった家が完成しました」と満足げ。

打ち合わせを重ねる中で、設けた屋上テラスもお気に入り。「庭だけではなく、テラスも使える。住宅密集地でも内向的にならず、伸び伸びと過ごせています」と話した。
 
青と白で塗り分けた外観。黒のルーバー、木と琉球石灰岩の目隠しなど個性的なたたずまいが目を引く


ここがポイント
床・天井高さ変え縦に広がり生む
 
奥のキッチンは2.4メートル、ダイニングは2.7メートル、手前のリビングは3.6メートルと天井高さを変え、「単調な空間にならないよう計画しました」と建築士の與儀さん
 
Yさん宅は南側が前面道路に接道し、ほか三方は住宅に囲まれていた。各境界線からの壁面後退などの制約により建築面積は限られた。設計を手がけたStudio Clamp(スタジオ クランプ)の與儀拓也さんは天井と床の高さを変えたり、スケルトン階段を取り付けたりして、開放感を演出。「特に、2階は屋上テラスまでの動線をスキップフロアにすることで、1階リビングの天井高を3.6メートルに。空間の広がりとともに、自然光が高窓から差し込むようにしました」と説明する。

さらにスケルトン階段のため、白壁に反射した陽光が2階から降り注ぎ、「道向かいに住宅が建っても、採光を確保できる。密集地に起こりがちな『閉塞感』を払拭しました」。
 
(左)2階のスキップフロアから (右) 屋上テラスへ。テラスは雨天でも洗濯物を干せたり、子どもが安心して遊べる場となっている

間取りは1階にLDK、要望していたガレージ、庭、2階にYさん一家のプライベートゾーンと水回りをまとめた。子ども室は2部屋に仕切れるようにし、各部屋が狭くならないよう配慮。そのポイントとなったのが通路の造り。「大きなクローゼットを通路中央に配置し、両端を勉強スペースに。不要な機能を省き、子ども室はくつろぐだけの空間となっています」。
 
子ども室は中央を仕切れるよう、構造的に工夫。子どもは園児のため、現在は空き部屋
 
(左)子ども室前面の通路。左側にはボックス状のクローゼットを配置し、左手前と奥がそれぞれ勉強スペース(右)となっている。単に行き来するだけの通路に機能を付け加え、スペースを有効活用している
 
夫妻の寝室 特徴的なヘリンボーン壁の背面には専用の収容スペースを設け、エアコンは目立たないように取り付けた

また、洗濯家事がしやすいよう、水回りも工夫した=今月の表紙から参照

庭はYさん夫妻が育てた植物が際立つよう、目隠しをひと工夫。琉球石灰岩の塀と木で造った目隠しを取り付けることで、「室内から見れば石と植物が一体となった庭、道路側からは奇麗な立面となるようにしました」。
 
深い軒と植物が雨水などをカット。リビングの掃きだし窓を開けると庭まで一体となり、LDKがより伸びやか
 

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども
敷地面積:110.27平方メートル(約33.35坪)
1階床面積:62.10平方メートル(約18.78坪)
2階床面積:56.09平方メートル(約16.96坪)
建ぺい率:59.78%(許容60%)
容積率:88.54%(許容160%)
用途地域:第1種中高層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:(株)Studio Clamp 與儀拓也
構造:建築設計 明
施工:(株)日大建築
電気:新光電設
水道:桑江設備

問い合わせ
(株)Studio Clamp
電話=098・988・9572
https://s-clamp.com

撮影/高野光(フォトアートたかの) 文/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2085号・2025年12月19日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞編集部

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