海の移ろいを満喫|(株)クレールアーキラボ[お住まい拝見]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

第9回こども絵画コンクール

お住まい拝見

お住まい拝見

2023年3月3日更新

海の移ろいを満喫|(株)クレールアーキラボ[お住まい拝見]

眼下に望む海が美しい玉城さん(37)宅は、将来の二世帯居住を見据えた2階建て。シンプルながらも開放感たっぷりのLDKで過ごす時間は、家族と訪れる人の心を和ませる。

パノラマビューで中城湾を一望する1階のLDK。壁を最小限にし、コーナーサッシを用いて開放的に。景色を遮らないよう、テレビを置かずに電動式の大型スクリーンを天井に収めている
パノラマビューで中城湾を一望する1階のLDK。壁を最小限にし、コーナーサッシを用いて開放的に。景色を遮らないよう、テレビを置かずに電動式の大型スクリーンを天井に収めている


絶景を眺め集う

玉城さん宅
 RC造/自由設計/家族4人 

南から西にかけて、中城湾がパノラマで見渡せるうるま市の高台。夫人(35)は「景色を生かすのが一番の希望でした」と話す。将来、子どもとの二世帯居住を想定。プライバシーを重視して、玄関から1、2階別の完全分離型に。1階は玄関を挟んだ両サイドに寝室と子ども室を配置した。

玄関ホールの奥にあるLDKに入ると視界が一気に開ける。大開口の先は鮮やかな青のグラデーション。「朝日からサンセットまで楽しめ、月明かりや夜景もきれい。景色を遮りたくなくて、テレビを置かずに電動式の大型スクリーンを天井に埋め込みました」。海を見ながら調理できるキッチンは夫人の特等席。背後に水回りがまとまっているから家事もスムーズだ。

集いの場として大活躍しているのは、倉庫やトイレ、調理台を備えた屋上。東側に金武湾を望む絶景スペースだ。夫人いわく、「家づくりに関心が薄かった」という玉城さんが一番気に入って、活用している。バーベキューをしたり釣ってきた魚をさばいて調理したり、飲食店を営む友人が腕を振るったり。玉城さんは「人が集える場ができたのが、すごくうれしい」と喜ぶ。

大開口に面し、開放的なダイニングキッチン。耐久性、防水性、デザイン性を高めた左官塗料で仕上げた造作キッチンに、洗練されたデザインのイスがアクセント。キッチンの背後に水回りとランドリースペースがあり、家事も楽
大開口に面し、開放的なダイニングキッチン。耐久性、防水性、デザイン性を高めた左官塗料で仕上げた造作キッチンに、洗練されたデザインのイスがアクセント。キッチンの背後に水回りとランドリースペースがあり、家事も楽

西側の外観。1階、2階ともに大きな窓とテラスが設けられている。屋上からは金武湾も見える(建築士提供)

西側の外観。1階、2階ともに大きな窓とテラスが設けられている。屋上からは金武湾も見える(建築士提供)


家具選びもお任せ

結婚後に暮らしていた夫人の実家の土地を分筆しての家づくり。

SNSで建築士事務所を検索。「すてきな住宅の写真を見つけ、設計をお願いしました」と夫人。悩みがちなインテリアも専門の担当者がサポート。「トータルで提案してもらえたので、フルタイムで働きながら効率的に家づくりが進められた」。家具の一つ一つがお気に入りだ。

仕事柄、県外からの来客もあり、子どもたちが成長するまで2階はゲストフロアとして活用する。玉城さんは、「最高の家ができてありがたい。この家に住んでから、飲食業の友人が増えた。今後は、屋上で食のイベントもやってみたい」と新たな楽しみを膨らませる。
 

浴室も眺めは抜群。夜景を眺めながら、のんびり湯船につかって癒やされる

浴室も眺めは抜群。夜景を眺めながら、のんびり湯船につかって癒やされる


屋上にはコンクリートで調理台を造りつけた。写真左端の塔屋がトイレと倉庫になっている

屋上にはコンクリートで調理台を造りつけた。写真左端の塔屋がトイレと倉庫になっている
 

現在はゲストフロアとして活用する2階のLDK。テーブルやソファなどインテリアも全て建築士事務所が提案
現在はゲストフロアとして活用する2階のLDK。テーブルやソファなどインテリアも全て建築士事務所が提案

コーナーサッシで開放感を高めた2階西側の寝室

コーナーサッシで開放感を高めた2階西側の寝室


津堅島から知念半島まで、中城湾を一望

津堅島から知念半島まで、中城湾を一望



ここがポイント
180度以上の眺望確保

南、西、東、三方に海を望む敷地。建築にあたり課題となったことの一つが、敷地北側に立つ夫人の実家からの眺めを、いかに確保するかだった。建築士の畠山武史さんはまず、実家で最も眺めが重視される1階の和室からの海の見え方を検証。「実家の眺望をできる限り遮らないよう、建物の配置や接道の位置を決めました」と畠山さん。

玉城さん宅は、子どもたちが実家へ行き来する利便性を考え、1階の玄関を北側に配置。眺望を最大限に取り込むため、海を望む南西側にLDKを据え、窓の配置や種類、大きさを工夫した。西側の寝室、リビング、ダイニングキッチンは階段状に連ね、どの部屋からも海が見えるようにした。さらに「部屋の南側の角にはコーナーサッシを用いて180度以上の眺望を確保。視野と景色に広がりを持たせ、開放感を高めています」。

水回りは、家事動線を考慮してキッチンの背後、東側に横並びでまとめ、浴室を南東側の端に置くことで、入浴中も眺めを楽しめるようにした。

人が集って楽しめるよう、屋上には塔屋を設け倉庫やトイレを設置。敷地は第一種低層住居専用地域で高さ制限の厳しい敷地であった。「そこで通常用いられる斜線制限を緩和する天空率(建物と空の比率から建物の高さを割り出す方法)を用い、設計しました」。

高台にあるため台風対策も万全に。南西面のガラスとサッシは厚めを採用。1階の寝室、LDKの窓には猛烈な風雨や飛来物からガラスを守る専用スクリーンを張るための、金具を取り付けた。
 

1階、玄関東側に設けたスタディールーム。背後の引き戸の奥には、長女と長男が使う子ども室がある。寝るだけなのでコンパクトに。将来は2部屋に仕切れるようになっている

1階、玄関東側に設けたスタディールーム。背後の引き戸の奥には、長女と長男が使う子ども室がある。寝るだけなのでコンパクトに。将来は2部屋に仕切れるようになっている


 

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:296.07平方メートル(約89.56坪)
1階床面積:117.62平方メートル(約35.58坪) 
2階床面積:108.73平方メートル(約32.89坪) 
3階床面積:25.30平方メートル(約7.65坪)
建ぺい率:39%(許容50%)
容積率:84.99% (許容100%)
用途地域:第1種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設  計:(株)クレールアーキラボ 畠山武史・宮城真理奈
構造:Lifetect一級建築士事務所
施工:(株)池原建設
電気:(株)明正電設
水道:榮門水道工事社

問い合わせ
(株)クレールアーキラボ
電話=098・955・1823
https://www.clairarchilab.com/


撮影/比嘉秀明 文・比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1939号・2023年3月3日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2233

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る