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2023年2月17日更新

玄関に自転車やフィギュア、お絵描き用の黒板も! 大人も子どもも楽しい家|Saku建築デザイン[お住まい拝見]

「家族が顔を合わせて過ごせる住宅にしたかった」とAさん(33)。土間の玄関では趣味の自転車の手入れやお絵描きができ、開放的なLDKでも家族だんらんを楽しむ。

広さ約4畳の土間の玄関。一家で楽しむサイクリングの自転車を飾りながら収納でき、メンテナンスもできる。壁の一面は黒板になっており、2人の子どもたちはお絵かきを楽しむ
広さ約4畳の土間の玄関。一家で楽しむサイクリングの自転車を飾りながら収納でき、メンテナンスもできる。壁の一面は黒板になっており、2人の子どもたちはお絵かきを楽しむ


親子で自転車手入れ

Aさん宅
 RC造/自由設計/家族4人 

家族でアウトドアを楽しむAさん一家。玄関のドアを開けると、サイクリング用の自転車が飾れるほど広々とした土間空間が広がる。「子どもたちと並びながら、自転車のメンテナンスをするにも十分な広さです」とAさん。

20畳のLDKには木製の家具が置かれ、床とキッチンの天井には無垢(むく)材が使われている。一方で、対照的なコンクリートがリビングの壁1面に使われ、目を引く。「工事中の現場を見たときに気に入った。白く塗装する予定でしたが、そのまま残すことで、オリジナリティーのある空間にしました」と夫人。

そんな室内にはハイサイドライトから自然光が差し込み、温かい雰囲気が広がる。掃き出し窓を開ければ中庭とつながる開放的な空間に。Aさんは「お昼ご飯を中庭で食べることもあります。今後は中庭を囲う壁に映画などを投映し、夜はホームシアターとしても楽しみたい」と話す。

夫婦が「お店で洋服を選んでいるみたいです」と話すファミリークローゼットには、コートからサングラスなどの小物までが奇麗に並ぶ。「出掛けるとき姿見の前で服装を考えるのが楽しい」と笑う。

天井高約3・7メートルのリビング。子どもが宿題や読書ができるよう、写真右手にある机や棚は建築士が造作した
天井高約3・7メートルのリビング。子どもが宿題や読書ができるよう、写真右手にある机や棚は建築士が造作した

外観。周囲には家族で育てるサボテンなどの多肉植物が植えられている。写真右手前の花ブロックを使った高さ約3.6メートルの外壁の内側に中庭がある
外観。周囲には家族で育てるサボテンなどの多肉植物が植えられている。写真右手前の花ブロックを使った高さ約3.6メートルの外壁の内側に中庭がある
 


キッチン。天井と床の無垢材に合わせて、写真右の棚と食器棚は造り付けたもの
 

ハイサイドライトや中庭からの光がLDK全体に広がる

ハイサイドライトや中庭からの光がLDK全体に広がる


友人を招きたい

「家族がそれぞれ個室で過ごすのではなく、できるだけ顔を合わせて過ごせる住宅にしたかった」とAさん。建築士がこれまで手掛けた住宅をチェックしており、「無垢材などを使った住宅が自分たちのイメージにぴったりだった」と依頼した。「やりとりをするうちに、インテリアの好みが合うことが分かり意気投合。県内の木工房を紹介してもらい、ダイニングテーブルを造ってもらいました」。他にも、キッチンの食器棚などは家事がしやすいようにと、建築士がデザインし造作したものだ。

パントリーはキッチンスペースの隣に併設され、食材を買い込んでも収納するには十分な広さ。「ご時勢柄、人を招けなかったが、これからはサイクリングの友人らと食事を楽しみたい」とAさん夫婦は話した。

中庭からLDKを見る。中庭は花ブロックなどで囲まれているため、窓を開けても外部からの視線は気にならない。LDKとつなげることで開放的な憩いの場に
中庭からLDKを見る。中庭は花ブロックなどで囲まれているため、窓を開けても外部からの視線は気にならない。LDKとつなげることで開放的な憩いの場に

家族4人分の洋服などを収納するファミリークローゼット。写真中央のドアの先は洗濯乾燥室となっており、「洗濯後、収納するのがラクです」とAさん
家族4人分の洋服などを収納するファミリークローゼット。写真中央のドアの先は洗濯乾燥室となっており、「洗濯後、収納するのがラクです」とAさん

洗濯乾燥室。室内干しができるように4畳の広さを確保し、壁2面にハンガーラックを設けた。アイロン掛けなどができるようカウンターも造り付けた
洗濯乾燥室。室内干しができるように4畳の広さを確保し、壁2面にハンガーラックを設けた。アイロン掛けなどができるようカウンターも造り付けた
 

上部にトップライトが設けられた洗面所。差し込む光の明るさが時間や季節で異なり、さまざま表情を見せる

上部にトップライトが設けられた洗面所。差し込む光の明るさが時間や季節で異なり、さまざま表情を見せる



ここがポイント
中庭と吹き抜けで開放

住宅街にあるAさん宅は3面を道路に囲まれた角地に建ち、東側の前面道路は特に交通量が多い。設計を手掛けた崎原栄作さんは「外部からの影響を遮断しつつも、閉鎖的にならないように工夫。室内に光と風を取り込むことを意識し、家族だんらんができる空間にしました」と話す。

騒音や周囲からの視線を遮るため、LDKと道路の間に中庭を設け緩衝帯に。中庭は壁で囲み、一部を花ブロックにすることで採光や通風を確保している。さらに、リビングは天井高を約3・7メートルの吹き抜けにして、ハイサイドライトからも室内に光が差し込む。リビングと中庭を一体化させても、「プライバシーが保たれ、くつろげるようになっています」

一方で、寝室や子ども部屋などの天井高は2・3メートルと通常よりも低めに計画。「パブリック空間と高低差をつけることで建設コストを抑えつつ、リビングがより開放的に感じられる効果があります」

子ども部屋は訪れた友だちと黒板まで使って遊べるよう、玄関に隣接。玄関は作業スペースも兼ねているので、ホールの床を土間から30センチ上げて腰掛けられるようにするなど細かい配慮も光る。また、子ども部屋はファミリークローゼットや水回りとあえて離し、「日常の動きの中でLDKを必ず通り、自然と家族が顔を合わすよう計画しました」と崎原さんは話す。

4.1畳の子ども部屋。写真左の壁は取り外し可能で部屋を一つにできる。家族構成の変化にも対応した造りになっている
4.1畳の子ども部屋。写真左の壁は取り外し可能で部屋を一つにできる。家族構成の変化にも対応した造りになっている

 

 

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:207.74平方メートル(約62.8坪)
延べ床面積:106.94平方メートル(約32.35坪)
建ぺい率:52.05%(許容60%)
容積率:51.48%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:Saku建築デザイン 崎原栄作
構造:U+建築設計事務所
施工:(株)ライフコーポレーション
電気:克電気工事(株)
水道:(有)大皓設備


問い合わせ
Saku建築デザイン
電話098・960・6281
https://saku-arcidesign.com/


撮影/比嘉秀明 取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1937号・2023年2月17日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

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