[沖縄・お住まい拝見]集い楽しむ木空間|(株)木の家GreenHouse|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2022年11月4日更新

[沖縄・お住まい拝見]集い楽しむ木空間|(株)木の家GreenHouse

[家族を感じる木造2階建て]うるま市のGさん宅は、「家族一緒に、好きなことをいろいろ楽しめる」ことを重視して建てた木造2階建て。吹き抜けで開放感と家族の気配を感じられるLDKが、集いの中心だ。

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse
スリット階段が印象的な1階のLDK。空間を広く使えるよう、食事は造り付けのキッチンカウンターで。テレビ台背面にはエコカラットを採用。床はヒノキで足触りが心地よい


好きなこと満喫

Gさん宅
木造/自由設計/家族5人

「車に映画、そしてバーベキュー。私が好きで、家族も一緒に楽しめることが気兼ねなくできる。それが家づくりで一番大事にしたことです」とGさん。

吹き抜けになった1階のリビングは、掃き出し窓の外に愛車を収めたガレージが見渡せる。週末恒例の洗車も、リビングで過ごす家族を感じながら楽しむ。

毎日見るという映画を満喫するため、リビングには昇降式の大型スクリーンを設置。「音響設備も整えたので、映画館並みの大音量で迫力満点。子どもたちはゲームをつないで楽しんでいます」

夜空が見渡せる2階のバルコニーは、バーベキュースペースとして活用する。多い時は週2回楽しんでいるが、以前住んでいた一戸建ての賃貸住宅では、近所の目が気になってなかなかバーベキューができなかった。

「だから、視線が届きづらい2階に、専用の場所を作ってほしいとお願いしました。来年の夏はバルコニーに水をため、足だけ水につけて涼みながらやってみたい」と、楽しみは膨らむ。
 

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse

ガレージと住宅の間に、設けた吹き抜け。リビングへ自然光を届ける要に

 

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse

掃き出し窓を活用したホームシアター。カーテン上部に昇降式のスクリーンを取り付け、必要な時に上げ下ろしする
 

両親同居も視野に

父親が畑として使っていた土地を譲り受け、スタートした家づくり。「当初はコンクリート造しか考えていませんでした」とGさん。あちこちの見学会に足を運ぶ中で、「木造っぽくない外観のかっこよさと、外断熱工法がすごく気に入って。これならコンクリート造より心地よく暮らせると、木造に決めました」。

外観は、ネイビーカラーの箱型でモダンな雰囲気に。将来の両親との同居や介護、3人の子どもたちが巣立った後の夫婦の暮らしを見据えて、間取りをリクエストした。1階には寝室を2部屋用意。さらに、メインの水回りに加え、寝室に隣接してシャワーとトイレ、洗面台を設けた。「水回りが2カ所あることで、家族に気兼ねすることなく娘もゆっくり入浴できて、重宝しています」と夫人は喜ぶ。将来を見据えた間取りが、今の暮らしやすさにもつながっている。
 

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse

リビングは天井高5・3メートル。掃き出し窓からガレージへ視線が抜けることで、空間がより広く感じられる



ここがポイント
縦横に視線抜け開放感
家族の交流と自立、将来の両親の同居・介護を見据えて計画したGさん宅。設計を手掛けた座間味修さんは、「コミュニケーションのとりやすさと、将来的に可変しやすいつくりを考慮し、家族が集うLDKを軸に間取りを構成しました」と話す。1階はLDKをコの字に囲むように玄関と水回り、2部屋の寝室を配置。2階の居室は西側にまとめた。

吹き抜けにした玄関ホールとリビングは、高窓から自然光を取り込む。どちらも1階分の高さは壁で仕切っているものの上部はつながっているため、空気の流れが生まれ、気配も伝わる。「リビングは、前面道路に面して東側に設けたガレージとのつながりも意識。視線が上にも横にも抜けることで、空間がより広く、開放的に感じられます」

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse
2階のバルコニー。バーベキューの準備、後片付けがしやすいよう洗い場も設けられている。奥にはガレージの屋根があり、将来、バルコニーとして拡張できるよう手すりの一部を扉にして、出入りできるようになっている

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse
外観はシンプルなキューブ型。ネイビーを基調にした外観に、玄関ドアとガレージ屋根の白が際立つ

 

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse

吹き抜けになった玄関ホール。高窓からも光を取り込む


1階にはGさんの希望で水回りを2カ所に設けた。メインの水回りは、家事動線を考えキッチン脇にL字に配置。洗濯物が乾きやすいよう洗面室の南側に室内物干場を設け、家事効率を高める。一方、二つの寝室の間には、介護のしやすさを考慮してコンパクトなシャワーユニットとトイレを据えた。1階西側の寝室は現在、次男が個室として活用。両親が同居した際は、約11畳と広く取った2階の子ども室に次男は移動し、長男と2人で部屋を共用する想定だ。
 

集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse

パイン材で造作したキッチンカウンター。調理中も家族が身近に


集い楽しむ木空間(株)木の家GreenHouse
現在は長男が使っている2階北側の洋室。Gさんの両親が同居することになった際は、次男と2人で共用することを想定し、11畳とスペースを広くとった

室内の温熱環境も重視。世界最高レベルの断熱性能を持つ断熱材・フェノールフォームを使った外断熱工法で、「室温が一定に保たれるため、光熱費を抑えつつ、一年中快適に過ごすことができます」と話した。




[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:232.62平方メートル(約70.36坪)
1階床面積:87.78平方メートル(約26.55坪)
 +ガレージ30.63平方メートル(約9.27坪)
2階床面積:38.09平方メートル(約11.52坪)
 +バルコニー7.23平方メートル(約2.19坪)
建ぺい率:49.48%(許容50%)
容積率:57.22%(許容100%)
用途地域:第1種低層住居専用地域
躯体構造:木造(プレウォール工法)
設計:(株)木の家GreenHouse
施工:(株)新洋 建設事業部
建て方・木工事:ハウストキ(合)
電気:徳森電工
水道:(有)ダイエイ工業

問い合わせ
(株)木の家GreenHouse
電話098・975・9710
https://kinoie-greenhouse.com/


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1922号・2022年11月4日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2420

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る